糸井・
ほぼ日 |
おいしいです。おいしい。
‥‥おいしーい!
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近藤 |
あぁ、よかったです。
今日は、カレーとはまた違う
スパイスの使い方をたのしんでいただけたらと、
トルコ料理を作りました。
トルコもスパイスをたくさん使うんですよ。
ちなみに、スープには「カレーの恩返し」を使っています。
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ほぼ日 |
あ、そうなんですか。
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近藤 |
はい。香味野菜と煮たレンズ豆のポタージュを、
塩だけで味つけして、
「カレーの恩返し」とバターで風味づけしました。
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糸井 |
スープも、ほかのどの料理も、本当においしいです。
なんだかお茶屋さんにきて、新鮮なお茶を
いただいている気分に近いです。
フレッシュなスパイスをたっぷり使った料理の
おいしさというのは、すごいものですね。
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近藤 |
はい、スパイスも鮮度がとても大切で、
新鮮なものほど味がいいんです。
スパイスって、ずっと使えるような
イメージを持たれることも多いんですけど、
いちど封を開けたら、やっぱり
早く使っていただいたほうが、確実においしいです。
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ほぼ日 |
‥‥繰り返しになりますが、本当においしいです。
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近藤 |
スパイスって、香りを出すだけでなく、
「味を引き締めておいしくする」というのもあるんですね。
ちょっとした苦みが、料理の味をよくする。
味を複雑にもしますしね。
砂糖や塩だけでは味が広がってしまうときに、
スパイスを使うことで、味がしまる。
そんな「隠し味」としての効果もあるんです。
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ほぼ日 |
では、「カレーの恩返し」も?
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近藤 |
はい、カレーに入れたとき、「香り」とともに、
その「味わい」のほうにも影響して、
両方から、おいしさを引き出しているはずですよ。
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ほぼ日 |
そうやって説明していただけると
なんだか、とてもうれしいです。
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近藤 |
実は今回、このお話をいただいて、
わたしたち自身も、とってもうれしかったんです。
正直、あの量をああやって使うというのは、
じつは、まったく考えたことのなかった使い方で(笑)。
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糸井 |
けっこう変わった使い方だろうな、というのは
うすうす思ってはいたんですが(笑)。
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近藤 |
はい、そのとおりです。
でも、それも含めてうれしかったんです。
わたしたちスパイス屋って、ついつい、
これまでと同じ使い方ばかり、しがちなものですから。
だから、とっても新鮮でおもしろかったです。
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糸井 |
きっと、量も普通の使い方より
かなり多めですよね。
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近藤 |
日本の一般的な感覚から言えば、確実に(笑)。
でも、わたしも自分でカレーを作るときに
気づくとコリアンダーを大さじ3杯とか、
1瓶分とか、大量に使っていることがあるんです。
だから、その感覚からいけば、ぜんぜん問題ないんです。
スパイスって、実はそういう使い方もできる。
ただ、けっこうな量を使うし、個人的にたのしむだけで、
ほかの方にすすめるという発想は、
まったく思いもしなかったんですけど。
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一同 |
(笑)
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近藤 |
でも「カレーの恩返し」の場合は、
そういう使い方を積極的におすすめしていて、
さらに、ちゃんと大勢のみなさんに
「おいしい」と喜んでもらえるものになっている。
だから、すごくありがたいな、と思いました。
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ほぼ日 |
スパイスの使い方、というのは
ある程度「この料理にはこう」というのが
決まっているものなのでしょうか。
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近藤 |
もちろん、ある程度はありますね。
ただ、基本的にスパイスって、いろんな人が
ほんとうにいろんな使い方をしているものですから、
「こうじゃなきゃいけない」といったことは
あんまりないんです。
ただ、かなり昔に出た本に、
20種類くらいカレーがのっている本があるんですが、
いろんな本などは、その同じ元資料から引用したのを
受け継いでいるような感じはありますね。
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糸井 |
ああ、そういうことなんですね。
ああいう本のスパイスって
全体にターメリックがどれも多いな、と思っていたのですが、
それは、みんな参考にしている本が同じだから、
ということですか。
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近藤 |
たぶん、そうなんだと思います。
ターメリック、火を入れないと土くささが残りますし、
実際、少なく使ってもいいんですけど。
‥‥あと、わたしが「カレーの恩返し」で
特にすごいな、と思ったのはピンクペッパーです。
なんだか、すごく女性的なイメージで
さいしょ、配合だけ見たときには
男の人が作ったスパイスとは思えなかったんですね。
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一同 |
(笑)
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近藤 |
だけど、使い方を見て、
「あ、この人、男の人だ」と思ったんですけど(笑)。
この使い方、すごく新鮮でした。
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糸井 |
「カレーの恩返し」のピンクペッパーって
かわいさのために入っているように
思う人もいるかもしれないですが、違いますしね。
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近藤 |
ぜんぜん、違いますよ。
ないと、食べたときの印象が全くちがいますから。
使い方としても、すごくおもしろいし。
あれは、どういったところから思いついたんでしょう?
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糸井 |
もともとぼくは、エスニック料理に入っている
ピンクペッパーが好きなんです。
その延長で「塩ちゃんこ」に
ピンクペッパーとコリアンダーを入れて食べるのも
好きなんですね。
それで、その「塩ちゃんこ」に入れたときの
エスニック感をイメージしてカレーに入れてみたら、
印象ががらっと変わるので、おもしろくて。
そこから、自分のカレーに入れるようになったんです。
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近藤 |
あと、ほかのいろいろなスパイスもそれぞれ、
すごく効いてますよね。カルダモンとか。
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糸井 |
カルダモン、ぼく、好きなんです。
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近藤 |
あ、わたしもカルダモン、大好きです。
カルダモンは、頭の血流をよくするから、
一時期「頭をよくするスパイス」として
有名になったことがありますね。受験勉強にいい、とか。
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糸井 |
あ、ほんとに?
じゃあ、たっぷり入っているから、
いいですね(笑)。
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近藤 |
どこまで効果があるのかはわかりませんけど、
わたしも毎日カルダモンのお水を飲んでいます。
それじたい、すごくおいしいんですね。
カップにお湯をそそいで、カルダモンをポンと入れておくと、
種のまわりの成分が溶け出して、カルダモンのお水ができるんです。
わたしはそれにときどきお湯をさしながら、1日中飲んでます。
あと、カルダモンは消化も助けますし、
昔の紳士たちが背広のポケットに
カルダモンを2、3粒ひそませておいて
朝、酔い覚ましに飲んでいた、という話もありますね。
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糸井 |
そうなんですか。
やっぱりスパイスって、いろいろ効能がありますね。
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近藤 |
ええ、それぞれに、ありますね。
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マスコット
フーズの方 |
最近わりとよく聞く話では、
「カレーを食べると幸せになる」というものがありますね。
カレーを食べると、スパイスによって腸が刺激されて、
幸せホルモンが出るんだそうです。
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糸井 |
あ、幸福感が増す。
じゃあ、機嫌が悪いときに食べるといいのかな。
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マスコット
フーズの方 |
たぶん、そうなんだと思います。
それも、スパイスたっぷりのカレーが良いらしいです。
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ほぼ日 |
たしかに、カレーを食べると元気になります。
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近藤 |
ただ、カレーを食べて「幸せ」になるかというと、
インドの人たちのことを思うと‥‥どうなんでしょう。
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糸井 |
あ、道でよく怒ってる人がいるから(笑)。
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一同 |
(笑)
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ほぼ日 |
今日はスープに使ってくださっていますが、
近藤さんとしては「カレーの恩返し」って、
そのほか、どんなお料理に合うと思いますか?
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近藤 |
そうですね、すごく簡単なもので言うと、
塩と合わせてふりかけのように使う、というのが
どの方でもすぐつかいやすいかな、と思います。
ピラフなどに、ぱらぱらっとかけてもおいしいと思いますよ。
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ほぼ日 |
あ、かんたんで、おいしそうです。
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近藤 |
「カレーの恩返し」じたいには塩味が入っていないので、
塩気を適度にプラスして‥‥と考えていくと、
いろんな料理に応用しやすいと思います。 |