ほぼ日永久紙ぶくろ

「ほぼ日永久紙ぶくろ」(6)
肩下げタイプにしようか……とっての長さを考える



たくさんの質問のメール、ありがとうございます。
すぐにでも実験したいと思うアイデアが
いくつかありました。それは見本ができてからに
するとして、今回は、とっての長さについて
考えてくれた人からのメールを紹介しましよう。

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今回の「ほぼ日永久紙ぶくろ」なのですが、
とっては肩にかけられる長さにはならないのでしょうか。
こちとら自転車通勤なもので、サブバッグとして
愛用したいと思っておりましたところ、
ハンドメイド図によると、それは不可とお見受けしました。
自転車の前かごはすでに
通常バッグの定位置となっております。
自転車がメインの田舎暮らし。プリントロゴを
思いっきり外側にして宣伝効果も有りと思われます。
何とぞとっての長さ、ご考慮いただけるよう
よろしくお願いいたします。
チャオ
きのうちりえ

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とっての長さについての質問ですねぇ、
ほぼ日でもミーティングのなかで、
とっての長さについて話し合ったことがありました。

Tシャツの次にやる通販、なににしようか、
という話をしているときに、
いくつかの案がスタッフから出てきました。
「なににしようか?」というよりは、
「なにがほしい?」という話でした。

筆者、関係者へのお礼として、また、スタッフ用として
もともとほぼ日にあったTシャツとはちがって、
これから作ろうとしているものは、
ゼロからのスタートになることがわかっていました。
ぶっちゃけた話、Tシャツのほかには
とくにほぼ日グッズってなかったですからね。
あ、パーカーがあるか!
でも、次は衣類とはべつのものが作りたかったんです。

結果“紙ぶくろ”になりましたが、
そのアイデアの歴史をさかのぼると、
「とりあえず“トートバッグ”か、
 “ショッピングバッグ”がほしい!」
という思いつきがスタートでした。

「トートバッグいいねー、買い物ぶくろもほしい!」。
「じゃ、どんなバッグを作ろうか?」
(そのときはまだ“バッグ”とか“かばん”と
 呼ばれていたんですねー)。
「大きいトートバッグと、小さいショッピングバッグが
 セットになってたりしたらいいんじゃないの」。

最初はそういう漠然とした話。
具体的にどんな形? 色? 値段(予算)?
と考えていくと、目に見えるサンプルがほしくなります。
たまたま女性スタッフのひとりが、
肩さげタイプのかわいいバッグを持っていて、
「それ、いいねー」という展開に。
たしかにかわいいバッグ。
モノトーンでシックな感じ。

で、そのバッグを野郎たちが順番に肩さげしてみた。
「ちがう……」。
たしかに、いいバッグなんですけど、
似あう似合わないがある世界。
ハッとしましたねぇ。
まちがった方向に歩きかけてました。

世の中にいろんなブランドのバッグが
たくさん流通してますよね。
そういったおしゃれなバッグの
ひとつになってしまうと、好みが別れる世界で、
値段もそれなりものになってしまう。
大事に使う高いバッグは、
人それぞれの好みによって、
自分が気に入る“バッグ”を探したいですよね。

クルマがそうじゃないですか。
好みや、用途、価格を考えて、
そのときの自分にあったクルマを
わりとシビアに選んでますよね。
ローン組んだりして。

ほぼ日がほしいのは、同じ出かける場合でも、
クルマとかバイクじゃなくて、
サンダルとか下駄だなぁ、ってその時思ったんです。
私らスタッフも気軽に使えるし、
みんなにも使ってもらえるんじゃないでしょうか。

もっと粗末に、ラフに使えて、そのまま友達に
あげちゃったりもできる気楽なものがいい。
「“紙ぶくろ”ってどうよ?
 買い物したときにくれる紙ぶくろ、
 あれを丈夫にしたやつを作って、粗末に使うのよ」。
そう言ったdarlingが、
「ほぼ日永久紙ぶくろ」という名前をつけて、
紙ぶくろプロジェクトは動き出したんですね。

いっそ、とってはいらないという案もありました。
レンタルビデオ屋でビデオテープを入れてくれる
袋のようにとってがないタイプです。
でも、さすがにそれは不便かも、
やっぱ“紙ぶくろ”だしとっては欲しいなぁ、
ということで、とってをつけることにしました。
いわゆる紙ぶくろのとっての長さです。
肩さげタイプにすると、“紙ぶくろ”よりも
ちょっと大事につかうバッグになってしまうのでは、と
ほぼ日は考えました。

どういう経緯で“紙ぶくろ”になったのかという話から、
とっての長さについて解説してみました。
ナイロン製の丈夫な紙ぶくろ、
ナイロンなのに紙ぶくろ名付けたところがミソです。
考え方が伝わってくれるとすごくうれしいなぁ。

次回は、見本を紹介できるかも。
私らも早く見たい。

(つづく)


2000-01-18