OHTOグッズを、実際に手にとってごらんになった
お客さまは、どんな印象をもつんだろう?
わたしたちは、いつもそれが気になっています。
それなら、お客さまにいちばん近いひとに訊こう!
ということで、
ロフト商品部のチーフバイヤー・細井潤治さんに、
お越しいただきました。
つくってるほうは気づかない、思ってもみないことを、
たくさん教えてくださいましたよ。
細井 今日は、ぼくに取材ということなんですけれど‥‥。
── はい。
細井 ぼくも「OHTO」の話をしたいなぁと
思ってたんです、みなさんと。
── 本当ですか。ありがとうございます。

丸の内ロフトなどで、お客さまのナマの反応を
日ごろからごらんになっている細井さんが、
「OHTO」のいろんな商品について、
どんなふうに感じていらっしゃるのか、
ぜひお伺いしたかったんです。
細井 なるほど。
ひとことで言うと、
この「OHTO」は「謎かけ商品」なんですよ。
── 謎かけ商品。
細井 ええ。売り場の棚から
「あなたは、これを使って、何をしたいですか?」って
問いかけてくるような商品が、
実はいちばん「強い商品」なんですけれどね。
── ええ、はい。
細井 この「OHTO」は、そういう商品になってる。
── おお!
細井 大きいやつ、小さいやつ、肩かけバッグと
種類がいくつかありますけど、
どれも「シナリオ」が見えてくるんですよね、
お客さまにとって。

たとえば
「わたしは、こぐまバッグにお弁当を入れて
 会社に持って行きたい。
 小さくしたらハンドバッグに入れられるし、
 会社帰りに
 お買いものしたときにも便利そうだし‥‥」とか。
── なるほど。
細井 もっとも「こぐまバッグ」なんかは
あまり見ないサイズ感ですから、
使いはじめてからの「発見」もあるでしょうけど。
── いま「ただいまOHTO中!」ってコーナーを
ほぼ毎日、更新してるんですが、
投稿を見ていると
お客さまが、日々お使いいただくなかで
自分なりの「使い方レシピ」を
見つけてくださってるんです。
細井 うん、うん。
── たとえば
「フェルトみたいなこぐまバッグ」なら
出かけるためのバッグじゃなくて、
「毛糸を収納してます」とか
お部屋での整理整頓用にしていたり。
あるいは
「機内持ち込み用のバッグとして便利です」なんて、
ぼくらが想定してなかった使い方を
「発見」して、教えてくださるんですよ。
細井 おもしろいですよね。
── この間なんか
「フェルトみたいなこぐまバッグは
 たこ焼きを入れるのに便利!
 素材的に冷めなそうだし」とかもあって(笑)。
細井 つまり、そういうシナリオが、
「わたしならこう」「彼ならこう」
「お母さんならこう」
‥‥みたいに、お客さまのぶんだけ、
広がっていく商品だと思うんです。
この「OHTO」シリーズって。
── なんか、うれしい言われかただなあ。
細井 実際、ロフトでもよく売れていますしね。
── あ、そうなんですか。
細井 トートバッグや、ショッピングバッグのなかでは、
もうダントツの売れ行きだと思います。
── ああ、ああ、うれしいなぁ(ぽわん)。
‥‥いや、ぽぉっとしてちゃいけない。
気を取り直します。

プロのバイヤーである細井さんの目から見て、
「OHTO」グッズが
そういうような商品になってる理由って‥‥。
細井 まず、クマがかわいいです。
── あ、見た目。
細井 とってもかわいいですよね‥‥クマが。
当然ですが、まずはそこが大きいです。
── ありがとうございます。
細井 そして「おおきなくまの紙ぶくろ」
「フェルトのこぐまバッグ」
「フェルトみたいな、こぐまバッグ」
そして「くまのお届けバッグ」‥‥と、
どれも、ふつうのバッグとは
ちょっとちがう「個性」があるでしょう。
── ええ、はい。
細井 先日の、神戸ロフトの「見習い店員」イベントで
ダントツに売れてたのが
「くまのお届けバッグ」なんですけれど‥‥。
── わぁ、そうなんですか。
トルソーの肩にかけてディスプレイしてくださったので、
イメージしやすかったのかもしれませんね。
細井 あれ、使う人によって身長差がありますから
ショルダータイプのバッグって、
ストラップに長さ調整用のバックルがついてるんです。
‥‥ふつうは。
── ‥‥はい。
細井 でもこれには、ついてない。
── ‥‥そうですね。
細井 いや、いいんです、いいんです。

かるくて丈夫なナイロンでできていて
きがるに使えるところが特長のバッグなんですから。

「このカバンが魅力的なのは、
 数センチの調整ができることじゃなくて、
 この軽さと、
 よけいなものをぜんぶ省いたシンプルさなんだ」
という他にはない個性が、
お客さまに、きちんと伝わってるんですよ。
── ちなみに、この「くまのお届けバッグ」って
ハンドルを持っても使えるんですけど、
そのときのシルエットが
「おおきなくまの紙ぶくろ」と微妙にちがって、
かっこいいなって、自分たちでは思ってます。
細井 カバンの「黄金比」に近いんじゃないかなぁ。
── カバンの黄金比?
細井 たとえば、紳士用のカバンなどの場合、
見た目にすてきだったり、使いやすかったりするのは、
幅が「人の肩幅」のカバンなんです。
── へぇー!
細井 肩幅以上あると、電車なかで抱えたりするのにも、
ちょっと大きすぎて不便なんですよ。

あと「理想的なカバンの厚み」というのもあって、
それは「肩幅マイナス腰幅」なんです。
── 肩幅マイナス腰幅。
細井 つまり、腕を下に垂直に降ろしたときに、
腰との間に隙間ができますよね?

その隙間ピッタリはまるくらいが、
持ちやすい厚みなんです。
── なるほど‥‥理にかなってる。
細井 一流と呼ばれるカバンメーカーさんだったら、
その黄金比を意識してつくっているはずです。
── ‥‥あのう、細井さん、
失礼な質問かもしれませんが、
なんでそんなに、カバンについて詳しいんですか?
細井 ぼく、ロフトに配属されたとき、
最初に持たされた商品が「カバン」だったんです。
── ああ、そうなんですか!
細井 ええ。
いろんなメーカーさんとのおつきあいの中で、
たくさん、カバンを見てきたんですよ。
── なるほど、だから説得力があるんですね!
なんか、話しているお姿も嬉しそうですし、
カバンがお好きなんだなぁって‥‥。
細井 ‥‥男ってほら、「マザコン」でしょう?
── はい?
細井 つまり「袋」って「お袋」なんですね。
── とつぜんすごい理論が(笑)。
細井 いや、けっこうそう思ってるんです、ぼくは。
自分の気に入ったものだけ
カバンのなかに詰め込んで消えてやりたい願望が、
男には、潜在的にあると思うんだよなぁ‥‥。
── はー‥‥(笑)
<明日に続きます!>
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