ピーターさんのお気に入りTシャツ

今回ピーターさんが持ってきてくださったのは、
どれも年季が入った、ひんぱんに着るものばかり。
これ以外のTシャツも、ほとんどが黒だそうです。

ロゼッタストーンのTシャツ
大英博物館のミュージアムショップで購入しました。
1枚めは首が広がって、よれよれになっちゃって、
女房に「捨てなさい」って怒られた(笑)
その後また大英博物館に行ったら、
まだ売っていたので、即購入しました。
このロゼッタストーンのかたちが好き。
細かい文字がいっぱい入った感じも、いいと思います。
マルコムXのTシャツ
この中ではいちばん古いTシャツです。
10年くらい前、サンフランシスコのTシャツ屋さんで
見つけました。
マルコムXはぼくのあこがれの人物のひとりで、
自分の信念がまちがっていることに気がついたときに、
それを変えることができた人だと思うんです。
人間だれでも、つよく思っていることは、
なかなか変えられないですよね
HOMELAND SECURITYのTシャツ
マルコムXのTシャツと同じ店で買いました。
これも実は2枚めなんです。
「HOMELAND SECURITY」っていうのは、
アメリカの同時多発テロのあと、
政府がつくった「国土安全保障省」のこと。
テロリストの攻撃から
国土の安全を守るための行政機関なんですが、
でも、アメリカの先住民たちが白人に対して
自分たちの自由を守ろうとしたのは、
まさしく「HOMELAND SECURITY」だったわけで。
「1492年以降、ずっとテロに対して戦っている」
っていう主張が、まず可笑しいし、
たしかにその通りだと思って、よく着るんです。
Playing for ChangeのTシャツ
「Playing for Change」というチャリティのTシャツです。
このプロジェクトは、
いろんなミュージシャンたちが路上で演奏して、
お金をあつめて、貧しい国々のこどもたちのために、
音楽学校をつくろうっていうもの。
CDもいくつか出ています。
このTシャツはWebで買ったんですが、
たしか20ドルくらいで、そんなに高くなかったと思います。

Playing for Changeのサイト:
http://www.playingforchange.com/
ニック・ロウのTシャツ
ニック・ロウがつくった曲のタイトルが書かれています。
エルヴィス・コステロがカバーしていたり、
ウィットニー・ヒューストンが出てた
『ボディガード』っていう映画のサウンドトラックで、
また別の人がカバーしていたりする、有名な曲です。
「平和と愛と理解のどこがおかしいわけ?」っていう、
世相を皮肉ったような歌なんですけど、
とてもすてきな曲です。
ニック・ロウが歌ってるオリジナルも、
エルヴィス・コステロのカバーもアップテンポなんだけど、
最近ニック・ロウが一人で歌うときは、
テンポをぐっと落としてバラードみたいに歌ってて、
それもなかなかいいんですよ。

好きなバンドのTシャツを着て自己主張するのは、
いまはあたり前だけど、
実はそういうTシャツが商品化されたのって、
ちょうどぼくが日本に来て、しばらくたってから、
1970年代の半ばくらいからなんですよ。
だれかが、「これは儲かる!」って、
気づいたんでしょうね(笑)

ピーター・バラカンさん プロフィール

ロンドン出身。
ロンドン大学日本語学科を卒業後、1974年に来日。
現在フリーのブロードキャスターとして活躍中。
「Barakan Morning」(インターFM)、
「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK-FM)、
「CBS60ミニッツ」(CS ニュースバード)、
「ビギン・ジャパノロジー」(NHK BS1)などを担当。
いい音楽を聴きわける確かな耳と、
音楽と向き合う真摯な姿勢に、ファン多数。
2012年よりエフエムインターウェーブ執行役員を務める。

twitterアカウント:@pbarakan
Facebook:http://www.facebook.com/pages/Peter-Barakan/120983034651749

2013-07-02-TUE