5DW メンズショップ イシカワ
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タイベック®シートを前に、
ウルトラヘビーと石川さんを想う。
来週4月15日(火)、
「5DW メンズショップイシカワ」に登場するのは
特殊な不織布、タイベック®でできたシート。
まるで紙のような質感をもちながら、
軽くて、水に強く、耐久性があるのが特徴です。
これからの気持ちの良い季節に
アウトドアシーンで重宝すること間違いありません。



企画とデザインは、ウルトラヘビー。
石川顕さん、アートディレクターのジェリー鵜飼さん、
アーティストの神山隆二さんの3人によるユニットです。



久しぶりに3人だけで集まった2023年の12月に
このプロジェクトがスタートしたのですが、
その完成品を見ることなく
2024年9月末、石川さんはこの世を去ります。



「今回は久々に3人でやりたいんだ」
石川さんのこのセリフから始まり、ようやく出来上がった、
その一枚の前には石川さんの姿はありません。



長年、ウルトラヘビーという“ユニーク”なユニットで
石川さんと一緒に活動してきた、
アートディレクターのジェリー鵜飼さんと
アーティストの神山隆二さん。
石川さんの念願が叶ったタイベック®のシートを目の前に、
このアイテムのこと、ウルトラヘビーや石川さんこと、
そして“これから”についてふたりに語ってもらいます。
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スタートから完成まで1年半。
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――
ようやく完成しましたね、タイベック®のシート。
始まりは2023年の12月でした。
神山
なんか色々覚えてないですね(笑)。
ジェリー
うん、覚えていないことが多い気がします(笑)。
――
できあがった商品を前に思うことは?
ジェリー
コロナ禍以前に、ラグをモチーフに僕が同じような
アイテムを作ったことがあって。
それを顕さん(石川さん)が見て、
いいなと思ってくれたのかな。
その後しばらくしてから、その上に神山くんが
直接スプレーしたこともありました。
きっと、それも顕さんは気に入ったのだと思う。
だから、このタイベック®のシートは2つの件が重なって
顕さんがやりたいことができたんじゃないかと思います。
神山
そう、すごく気に入ってくれた記憶があります。
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――
久しぶりの“3人”でのプロジェクトだったんですよね?
神山
そうですね。本当に久しぶりだったかも知れない。
ジェリー
このシートの前の商品は何だったかな? 記憶が曖昧。
それくらい前の話になっちゃいます。
でも、コロナ前はみんなで一緒に商品を作ったり、
年間を通じてちょくちょくイベントやっていました。
――
そもそもの話ですが、ウルトラヘビーは
どのように始まったのですか?
ジェリー
はじめは僕と顕さんからスタートしました。
『GO OUT』っていう雑誌の連載を一緒に担当することに
なって、そのご縁から始まったユニットになるのかな。
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神山
鹿児島のashというイベントで、
僕がライブプリントのイベントをやっていたのですが、
その様子に顕さんが釘付けになっちゃって(笑)。
とにかく褒めてくれて、接客まで手伝ってくれました。
そこで、まずは顕さんに急接近。
その後、中原慎一郎さんのお声がけで、
虎ノ門にあったクリエイターズキューブという会場で
展示の誘いがあったのだけど、割と広い場所だったので
鹿児島のご縁から顕さんに
「ウルトラヘビーと一緒にやりません?」って
声をかけてみたんです。
回転寿司の並び待ちのときに(笑)。
だからその虎ノ門のイベントが
スタートということになるのかな。
僕が初めて相談役に相談したかも?
――
そこから3人での活動がスタートしたんですね。
神山
ただ、メインで活動するのは3人なんだろうけど、
その時々でボブ(※1)がいたり、
ウッチー(※2)がいたり、
モリカワくん(※3)もいたりするから、
メンバーが3人だけという
わけでもないような気もしますね。
※1 グラフィックデザイナーのBob Foundation朝倉洋美さん。

※2 アーティストとして活動する内田洋一朗さん

※3 GEL CHOPのモリカワリョウタさん
ジェリー
うん、そうだね。
彼ら彼女らもウルトラヘビーのメンバーのような
イメージではいました。
熊本のショップが主催した
クリスマスイベントのために、
天草まで一緒に行ったりもしていましたし。
――
2023年に3人で集まったときにも石川さんが
「俺、ふたりのグラフィックを勝手に使って、
Tシャツつくったから」という報告をしていました。
おふたりは「はい、わかりました」という
お返事をされていたのが印象的で。
人気のおふたりの作品を勝手に使うなんて
信じられないのですが、
どんなふうに感じられていたのですか?
ジェリー
もちろん、前提として顕さんだからOKなのですが、
顕さんのやり方って面白いから、
作品を勝手に使われても何も思いません。
いつも完成してから「ああ、こうなったんだ」
っていう驚きがあるし、
どうぞ勝手に使ってくださいと思っていました。
神山
まったく関係のない人のSNSの投稿で、
「こんな風になったんだ」って確認することも
多かったのですが(笑)、
あれだけセンスのいい人だから、気にしてなかったかな。
ウルトラヘビーが始まった初期に
「これは金儲けのためのチームじゃないんだ」という
説明が顕さんからあったし、それに納得していたから、
そんな仕事のプロセスも楽しめているのだと思います。
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――
振り返ってみて石川さんのすごさって
どこにあると思いますか?
ジェリー
僕のファンですって言ってくれる仕事相手や
よく声をかけてくれるクライアントもいるのだけど、
顕さんとの仕事が入ってくると、
まったく別の雰囲気や姿勢になります。
その楽しみをつくってくれるんです。
それに、知らない人と繋いでくれるから。
新しい友達ができたりする。
北海道なんかで、氷が張った湖や海を船が走ると、
バリバリバリって氷が割れていくじゃない?
僕の中では顕さんって、その船みたいな感じ。
行けなかった場所に連れて行ってくれる存在。
神山
鹿児島のときもそうなんですが、
とにかく褒めてくれる。褒め上手。
大人になってから褒めてもらうことって
少なくなっちゃうから、
僕はそれが嬉しくて、楽しかったです。
ジェリー
僕も神山くんも、もしかしたら他の人も
そうなのだと思うのですが、
顕さんを楽しませたいんです。
――
気になっている人も多いと思うのですが、
石川さんが不在になってしまった今、
ウルトラヘビーはどうするのですか?
ジェリー
神山くんともまだしっかり話していないですし、
全然どうするか決まってない。
でも、なくすことはしないですかね。
ウルトラヘビーっていう名前を残しておけば、
「残しておいてよかった」と思える瞬間があると思う。
思いがけず出会った人と一緒に新しいプロジェクトを
やってみることになるかも知れませんし。
ただ、「売れそうだからウルトラヘビーでこんなの
やりませんか?」という仕事はやらないですね。
神山
やっぱり顕さんとのプロジェクトがそうだけど、
背景に何か浮かんでこないと難しいですよね。
楽しくやる場所がウルトラヘビーですから。
ただ、僕もウルトラヘビー名義は
いつもそばに置いておきたいので
自分発信の“相談役(石川さん)に相談なし”の
ゲリラ的なことは今後も続けて行こうかと思ってます。
僕のウルトラヘビーも続きます。
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2025-04-12-SAT
(おわります)
UH×5DW タイベック®シートは
5DW WEBショップにて2025年4月15日AM11時発売!
[STAFF]

企画・プロデュース:石川顕

文:阿部太一