「ハザイプロジェクト」第一弾は
真鍮の端材でつくった
「Lue」のスプーンです。
「5DW+」の「ハザイプロジェクト」第一弾は、
「Lue」(ルー)のスプーンからはじまります。
「ハザイプロジェクト」とは、
5DWの店長・石川顕さんが
日本各地の作り手たちに会いにいき、
そのしごと場を見ていくなかで、
ものづくりにおいてどうしても出てしまう
“端材”を使って「なんかつくってよ」という
お呼びかけではじまったプロジェクト。
サステナブルとかリサイクルって言葉は苦手だけど、
「カッコいいもの、つくればいいじゃない」
という石川店長の号令のもと、
いままでなら捨て置かれていたかもしれないカケラで
それぞれの作家さんたちに
ニュープロダクト、一点ものをつくってもらおうという
贅沢で楽しい企画です。
そのトップバッターが「Lue」。
デザイナーであり作り手の菊地流架(るか)さんが
真鍮を使って、カトラリーや雑貨などを
岡山・瀬戸内でハンドクラフトしています。
端材ならではの形がデザインに生かされて
つくられたこれらの「ハザイスプーン」が、
はたしてどのようにできあがったのか?
菊地さんに
話を聞いてみたいと思います。
わがままな大人のための
クラフトスプーン。
- ――
- 最初、石川店長からは
どのような話があったのでしょうか?
- 菊地
- 「端材を使って何かつくれる?」って
突然の連絡がありました(笑)。
いつものことではあるのですが、
たしかにいままでは、
スッカラ(*1)とか「一枚板サーバー」(*2)などを
つくる過程で出ていた端材は捨ててしまっていて
もったいないなと思っていたので、
石川さんからの話を受けて、すぐにつくってみました。
(*1)韓国の食卓で使われるスプーン。韓国語でもスプーンの意味。
(*2)「Lue」の「HAND CRAFT」ラインで、食事の取り分けに使えるサーバースプーン。
- ――
- ほんとすぐにつくっていただいたイメージでしたね。
めちゃくちゃ早かった。
- 菊地
- 毎月つくっているものの端材がありましたから。
20、30個くらいは手元にあるので、
デザインのイメージができてしまえば
すぐにつくれるんです。
- ――
- デザインはどうしよう? って話は
石川さんとしたんですか?
- 菊地
- そうですね、リサイクルやサステナブルという言い方は
あれだから「カッコいいものつくろうよ」と。
端材をそのままに使うのも無作為のかっこよさが
あると思うのですが、
それは石川さんの流儀に反していると思って、
端材だけどちょっと成形して
プロダクトとして成立するようにしています。
- ――
- 最初に送っていただいた試作品は
もっとあらあらしい端材感がありましたもんね。
- 菊地
- しっかり面取り、磨きをかけているので、
最初のものよりは持ちやすくなっていると思います。
今回は4種類つくっていて、それぞれの形によって
「一枚板サーバー」なのか「スッカラ」なのか、
端材の真ん中のあたりを使っているのか、
隅のほうを使っているのかと、
もととなっている部分は異なりますが、
端材を切って、加工して、
なみなみにしたり、ギザギザにしたりしてみました。
- ――
- とても端材からできたものとは思えない出来栄えですね。
菊地さん的にはこれで何を食べるといいと思います?
- 菊地
- 大きいほうでカレーは食べてみましたけど、
ちゃんと食べやすかったですよ。
麻婆豆腐もいいですよね。
小さいのはヨーグルトやプリン、あとゼリーなんかにも
使えると思います。
大きすぎず、小さすぎず、
何にでも使いやすいようにしています。
- ――
- 私たちは真鍮自体やや不慣れなところがあるのですが、
日々どう扱うといいですか?
- 菊地
- 最初は変化を感じやすくはありますよね。
大事に扱うなら、使ったら早めに洗って、
早めに拭いて乾かすことです。
逆に、あまり気にせずに、ガシガシ使っても
いい味が出てきます。
使う人の生活スタイルがそのまま現れるのが真鍮です。
使い込むうちに落ち着いた色になってきます。
汚れたときは、金属磨きの「ピカール」や
1000番くらいの目の細かいサンドペーパーで磨けば
キレイになりますよ。
- ――
- なんだか使っていくのが楽しみですね。
- 菊地
- 真鍮は使う人の手にどんどん馴染んできますし、
使うたびに少しうれしい気持ちにもなれるのかなと。
これからも端材はコツコツ集めておきますね(笑)。
2025-08-04-MON
(おわります)
「Lue」の「ハザイスプーン」は
5DW+ WEBショップにて
2025年8月5日(火)午前11時 発売!
[STAFF]
企画・プロデュース:石川顕
スタイリング:野崎未菜美
撮影:吉嗣裕馬
文:小笠原民織