5DW メンズショップ イシカワ
写真 写真
「aulico」が染めた
「ohh!」のTシャツは、
なんでこんなに
着心地がいいのだろう?
つい最近、入ってきたばかりの
大阪の肌着ブランド「Ohh!」の
「ライトウェイトベーシック長袖Tee」につづき、
「5DW+」に届いたのは、
宮崎県都城市で服づくりをしている「aulico」が
何度も洗って、乾かして、水をたっぷりとおしてから染めた
「Ohh!」のTシャツ。



「Ohh!」の大西恒志(おおにし・こうじ)さんから、
「aulico」の平原大喜(ひらばる・まさき)さんへの
リクエストはインディゴのタイダイ染め。
日本では「絞り染め」と呼ばれる染色手法で、
平原さんが一点一点手作業で製作したのですが、
実際に生地に触れて、袖をとおすと
とにかく感触がツルツルで、着ていて気持ちがいいのです。



ただでさえ着心地のいい「Ohh!」のTシャツが、
「aulico」の染め工程を経て、極上の一枚に! 
どうしてこんなに気持ちいいの? と興味がわいてきたので、
「Ohh!」の大西恒志さんと「aulico」の平原大喜さんに
気持ちよさの秘密を教えてもらいます。
何より大事なのは「洗う」こと。
ただ染めるだけではないのです。
──
おふたりが一緒にものづくりをされる
きっかけは何だったのでしょうか?
大西
以前に一度、平原さんに協力していただき
「Ohh!」のランダムリブのカットソーを
インディゴ染めしてもらったことがあるんです。
そのときのものが、
自分では絶対にできないものをつくってもらえた
というインパクトが残っていたので、
今回も声をかけさせていただきました。
平原
同じようなタイダイ染めでしたが、
今回はベースのものがハイゲージのTシャツになりました。
──
すみません、私たち、そもそもタイダイの定義が
よくわかっていないんですけど‥‥。
平原
「タイ」(Tie)を訳すと「絞る」、
「ダイ」(Dye)は「染める」じゃないですか。
絞って染めるから、「絞り染め」というわけです。
──
なるほど、たしかに!
大西
水色は無地の染め、濃いネイビーのほうが
絞り染めということですね。
写真



写真
平原
そうです。
──
無地のものがあがってきたときに、
とても「aulico」らしいと思いました。
大西
ほんと、いい色ですよね。
平原
この色を出すのに、6週間ほどかかるんです。
ジャムづくりと少し似ていて、
煮詰めることで水分が外に出て、
糖度が高くなると思うのですが、
この水色の薄染めのほうも
何度も洗って、しっかり濡らして、
乾かしてを繰り返すことで、
糸に含まれる水分がゆっくりと入れ替わり
インディゴが生地に定着していくんです。
そうするとすごく透明なブルーって感じで仕上がる。
あとは、やっぱり「洗う」ことをずーっと行っているので
めちゃくちゃやわらかくなる。
写真
大西
平原さんからは、一切何もしていない、
縫い上がったままの状態の
Tシャツを送ってほしいって言われたんですけど、
あとからこういった工程があるのだなって知りました。
一度無地で染めたあとに、絞り染めがはじまるわけです。
写真
──
絞りの工程でこういう柄が出るというのは
どのくらい読めているものなんですか?
平原
注意しているところでいえば、
同じところばかりを絞るのではなく、
首のあたり、胸のあたり、裾のあたり、背中のあたりと
それぞれに柄が出るようにしています。
大西
何枚染めても、
基本的な絞りの場所は一緒という認識ですよね。
平原
基本的にはそうなんですけど、
絞ってしまうと見えなくなってしまうので、
実際は広げるまではわからなくて。
だから、ある程度計算して絞るようにしています。
──
実際の絞りってどのようにやっているんですか?
平原
キッチキチに結束バンドみたいなもので絞っていくんです。
めちゃくちゃ強く絞って、
テニスボールくらいになるんですけど、
圧のかかり方もすごいから
染め終えてすぐはデコボコがついた状態になる。
着物などの「絞り」では、テクスチャーを変えるために
わざとデコボコにしたりするのですが、
色だけじゃなくて、生地の表情も変わるのが
絞り染めの真骨頂ですね。
それをやさしく絞ってあげているのが、
僕の考えるタイダイ染めです。
大西
染まった部分が多いとちょっとコッテリしてしまうけど、
この絞りの分量が洗練されているんだなと思いました。
平原
分量も気にしましたし、
絞ったところをよく見ると、
濃度で5段階くらいの階層に分かれているんです。
でも、Tシャツ本体は全然汚れていないんですよね。
青く染まったところも水色の部分も汚れていない。
絞り染めをはじめてから、
こういうことをずっとやりたかったんです。
20年前ではできなかったことを
やれるようになったような気がします。
大西
手作業なんだけど、手作業じゃないみたいですね。
写真
平原
染める前の処理がすごく大事なんですよね。
いちばん時間もかけるし、よく濡らすってところにつながる。
生地はゼリーのようにツルツルになるし、斜行も少ない。
──
斜行というのは?
平原
ボディが歪んでいかないってことですね。
大西
生地自体はハイゲージなんですけど、
単糸なので本当は(生地が)ねじれやすいんですけどね。
平原さんは、そうならないように
よく洗って生地をリセットさせているんです。
平原
とにかく、手触りにびっくりしていただきたいです。
あと、今回のものは手触りとかトーンは統一されているけど、
並べると色に個体差があるのがわかります。
絞り染めは絶対に同じものはありませんので。
──
今回はネットでひとつだけ写真を掲載しますが、
お届けするものはまったくそれと同じではなく、
ほんの少しずつ違いがあるということですね。
大西
個体差があるのが染めのよさですよね。
タイダイ染めを頼んでおいてあれなんですけど、
もちろん、タイダイのほうも好きなんですけど、
フェードブルーの単色もめっちゃ好きです。
平原
一度ちゃんと染めてから、
ゆっくりとその色味に落としていますからね。
写真
──
うそ、そうなんだ!
平原
自然光で色を抜いているんですよ。
もう少し濃い色で仕上がっているものを、
ずっと弱い太陽の光に当てて色を分解しているんです。
湿度と紫外線と風を使ってコントロールしています。
大西
室内でそれを?
平原
いま調子がいいのは、朝方の店内ですね。
染めの最後の仕上げに干しています。
大西
けっこうローテクですね。
これはすごく時間がかかりますね。
平原
時間はかかるんですけど、
この抜けた色がなんだかとぼけていて
かわいいなって思っています。
大西
そもそも「Ohh!」のオリジナルの生地も
かなりやわらかいと思うんですけど、
平原さんの魔法にかかるとさらにやわらかくなるんですね。
平原
大西さんが驚いてくれるといいなと思ってやっています。
「やわらかさの向こう側」を出そうと思って(笑)。
ちょっと大袈裟かもしれませんが、
レーヨン混みたいな手触りになっていると思います。
古着のコットンレーヨンTシャツ。
コットン100%でそれを目指す。
だから、着たときにめちゃくちゃ気持ちいい。
表面がもう全部ツルツルになっていますから。
大西
個人的な感覚では、
着古した服っていいタッチ感だと思っているんです。
いつも「Ohh!」のカットソーはそれを目指して、
素材を殺さずに、後加工でケバが抜けた状態にして
表面がツルッとなるように。
だから、今回の平原さんの染めは
「やわらかさの向こう側」にいっていますね(笑)。
──
こういう染めたものをはじめて着るような方に
何かアドバイスってありますか?
大西
そもそも、ブランドの成り立ち的にも
インナーで着たいという思いでつくっているので、
絞りのほうなんかは、絞りの部分がチラッと見えるくらいの
使い方で楽しんでもらえたらいいなって思います。
洗濯して乾いたら、取り込んでまた着ちゃうみたいに、
ガンガン着て欲しいですね。
平原
フェードした水色のTシャツなら、
フェードしたデニムパンツと合わせてみたり。
くたびれたデニムパンツもいいですね。
上には白いシャツを合わせてみてもいいかもですね。
夏にぴったりだと思います。
写真
2026-04-22-WED
(おわります)
「Ohh!」×「aulico」の絞り染め、薄染めTシャツは
5DW+ WEBショップにて
2026年4月24日(金)午前11時 発売!
[STAFF]

スタイリング:青木穣

ヘアメイク:ボヨン

モデル:五十嵐あきら(171cm)、小松紘大(181cm)

撮影:吉嗣裕馬

文:小笠原民織

Special Thanks:石川顕、大西恒志、平原大喜