いい音は空気を洗う。
加藤晴之さんの紙筒スピーカー物語。

♯18 加藤さんとdarlingが話す その6

・加藤さん、次なるお仕事は?


糸井  このスピーカーの次は
    どうされるんだろうなっていうのが
    気になるところですが。
   「大きい音派」の人用に行くのかなって。

加藤  つい最近、宮崎駿さんの
   「三鷹の森ジブリ美術館」の中にある
    映画館の音響システムの仕事を
    させてもらったんです。
    
糸井  あ、この前、聴きましたよ、
    すごいですよね!
    あれもいい音してました。
    
加藤  最初から宮崎さんのご希望で
    平面バッフルみたいな
    優しい音にしてほしいって
    言われました。
    ジブリ美術館っていうのは、
    ご存知のかたもいらっしゃるかも
    しれませんが、子供がきて、
    何かに触れて迷子になってくれたら
    最高だっていうことを
    コンセプトにされていて・・・。

糸井  あ、それ、俺のコピーです。(笑)

加藤  あっ、そうなんですか。失礼しました。

糸井  いえいえそんな。

加藤  で、そのような、子供さんに第一に
    喜んでいただきたい場所なんですよね。
    映画館も今は、モーレツな低音が出て
    音圧が高くて、大きな音が出て、
    高い方の音はちょっと刺激的で、
    ドドドッとかドカン!とか
    そんな音が出ないと映画館にあらず、
    みたいな傾向があるんですが
    それは一切いらないと。

    子供が気に入ってくれさえすれば
    いいんだから
    そういうことで、文句を言う大人は
    来なくてよろしい、
    っていうことを言われたものですから
    その映画館は平面バッフルなんです。
    
    スクリーンの後ろが巨大な平面バッフル
    になってるんです。

糸井  紙筒スピーカーの音と
    ジブリ美術館の音は、
    僕はすごく似てると思っていて
    これは同じ人が作ったなあって
    分かるんです。
    びっくりしました。
    
加藤  そうですか。ありがとうございます。
    
糸井  そうこう言ってるうちにそろそろ時間に
    なってしまったんですが
    最後にみなさんから加藤さんに質問を
    していただいて、
    終わりにしましょう。
    

*****

■質問  視聴会で聴いて気に入って
     早速買わせてもらったのですが
     家でセッティングする時に
     気をつけた方がいいことは
     ありますか。
     
□加藤  どのお宅でもそれは言えることだと
     思うんですが、置き場所によって
     音が本当に変わっちゃうんです。
     できればあちこちに置いて
     聴いてみて一番ご自分がいいと
     思われるところに置いてほしいです。
     場所によって
     音のクオリティが激変しますので。
     一度やってみてください。

     スピーカーの横からも
     音がもれていると思うので
     本棚とかそういうところに入れない
     っていうことがひとつあると
     思います。
     
     うちでは、
     もともとガレージだったところで
     聴いています。
     床はコンクリートのうちっぱなしで
     天井は波板で右も左も
     軽量コンクリートっていうような
     環境です。
     やたらと色んなモノがつまってる場所
     ですが、残響が少ないので
     逆にいいかもしれません。
     音楽を聴くがために
     簡素化するのがいいとも限らない
     というのは感じてますね。

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■質問  最初、
     息子さんにオーディオを買ってほしい
     と頼まれていいものがなくて、
     結局これをご自分で作られたという
     お話がありましたが
     息子さんに渡された時、
     なんとおっしゃっていましたか?

□加藤  まだ奴には渡せてないんです。
     実は、モノが足りてないんです。
     まだ息子には渡せていません。(笑)
     皆さんのお手元に届いた後に
     渡せればいいかなと思っています。

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■質問  アンプとスピーカーをつなぐ
     ケーブルに関しては
     こだわりがありますか?
     
□加藤  ありません。(笑)
     うちには結構ケーブルがあるので
     それでいろいろ音が変わることも
     確かめてます。
     それ以前のところで音がどうか
     っていうところを中心に
     作ってありますので、
     なんでも大丈夫です。

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■質問  平面スピーカーの場合に
     水の音を聴きたかった、
     ということですが
     パイプをつけたときと
     つけてないときとどう違いますか。

□加藤  すっきりするっていう感じが
     最初にきました。
     描写力があがるというか。
     水パイプが
     ついてる時とついてない時では
     重さが変わってきますよね。
     ついてないものは段ボールの両側に
     フェルトがついているんですが
     少しは振動があるんですね。
     でも、水パイプの方の板を
     たたいてみても音はしないんです。
     
     人間の耳はどなたの耳も
     精密だと思うんですが
     わずかないやな音や共振音が
     再生音に乗かってくると
     気になるんです。
     ですので、
     水パイプを巻くことによって
     静かになった印象がありました。

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■質問  1ヶ月くらい前から使ってるんですが
     ユニットの前に十字がありますよね、
     それが邪魔なんで
     はずそうとしたんですが
     なかなか外れず、
     ついでに中を見ようと思って
     覗いてみたんですが覗けず、
     こわくなってもとに戻したんですが
     あれははずせないように
     なっているんですか?

□加藤  間にパッキンが入ってますから
     それがぎゅっと締められてしまって
     はずせないのかもしれませんね。
     中身は見せないぞ
     っていう気はないです。(笑)

□宮坂  あの十字には
     ユニットをガードする意味が
     あるんです。
     ショールームに置いていても
     ユニットの部分に興味をもたれる
     お客さまが多いようです。

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■質問  蕎麦打ちのときの加藤さんに
     興味があって今日来ました。
     蕎麦の時も出張蕎麦打ちをされたり、
     今回も段ボールっていう身近な素材を
     使われていて、
     いつも違ったアプローチをされていて
     面白いなと思うのですが
     そんな加藤さんは
     自分が食べるお蕎麦は
     どうされてるんでしょうか?

□加藤  僕は今食べてないんです。(笑)
     僕だけなのかもしれないけれど
     腑におちる腑におちないっていう
     ポイントってあると思うんですが
     僕の場合そのアベレージが
     高いのかもしれませんが、
     家で蕎麦を食べる場合でも
     石臼で殻をむくところからやります。
     そんなことをしてると丸一日
     かかるんですが
     それだけやっても見合った味に
     ならないんですね。
     だから今は、
     専らうどんを食べてますね。(笑)
     
*****

これで加藤さんとdarlingの対談は終わりです。
この対談中に、お客さんには、平面バッフルで
直に音を聴いてもらったので、
平面バッフルを自分で作りたくなった!
という方がたくさんいらっしゃいました。
ライブの力はすごいですわ。

次回はなんと、テイ・トウワさんが
登場してくれます!
お楽しみにです。

ほな。



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2001-12-10-MON


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