シリコンの谷は、いま。
雑誌の記事とはずいぶんちがうみたいです。

第16回
会社では誰が偉いの?



ニュースなどで「CEO」という言葉を耳にしたことは
ありませんか?

昔は、会社で一番偉い人といえば社長でしたが、
最近は、このCEOなる役割の人物が
会社で一番の力を持つようになりました。

このCEOは、
日本語では「最高経営責任者」と呼ばれています。
つまりは社長なのではと思うのですが、
不思議なことに、
僕の会社にはCEO以外に社長が二人います。
僕の見た限り、2人の社長より、
CEOの方が力を持っているようです。

そして、CEO以外にも「CなんとかO」には、
CFO、COO、CTO、CIOなどの役職があります。
日本語では
CFOは、最高財務責任者、
COOは、最高執行責任者、
CTOは、最高技術責任者、
CIOは、最高情報責任者、
だそうです。

次に、アメリカの会社の幹部のインタビューなどでは、
「副社長」が良く登場します。
「副社長」だから、社長の次に偉い重要人物が
わざわざインタビューに答えているのだろうと思うと、
ところがどっこい、
シリコンバレーの会社にはこの副社長がたくさんいます。
副社長が10人いても全然おかしくはありません。
会社によっては、副社長にもレベルがあって、
「上級副社長」と「平の副社長」がいたりします。

そして、この他にも
「創業者」とか「ファウンダー」と呼ばれる人がいます。

シリコンバレーに来た当初、
一体これらの役職がどういう位置付けなのか
正確な意味を知ろうと思って調べたことがあったのですが、
かなり時間をかけて調べてみても、
人に聞いてみても、
しっくりとくる答えを誰もくれませんでした。

調べても分からないけれど、
その力関係は見ているうちに何となくは分かるものです。

今回は、僕の働いた会社では、
こういった人たちの力関係や役割が
どうなっているかを説明しています。

会社のリーダーは、誰か?

それはCEOです。
会社全体に関わる重要な決断はこのCEOが下します。
このCEOが変わると、会社のカラーまで変わってきます。

CEOは会社や、その人物の経営スタイルによって、
会社の運営にどれぐらい関わるかが違います。
自分で日常業務を見るCEOもいれば、
そうでないCEOもいます。
日常業務は別の人物に任せる場合に登場するのがCOOです。
真ん中の「O」は「オペレーション」、
つまり日常業務のことです。

COOがいる会社では、COOはかなり力を持った存在で、
確実に社内ナンバー2の座を占めます。
CEOが社外を担当し、COOが社内の業務一切を監督する
といった具合です。
つまりは番頭みたいなものでしょうか。

次に重要なのはCFOです。
真ん中の「F」は「ファイナンス」の意味で、
会計担当のボス、いわば金庫番です。
お金を握っているだけあって、
CFOはCOOと同じぐらいの力を持っています。
会社の資金調達や、将来の業績予想など、
数字が絡むと必ず登場しますので、
社外・社内を問わずかなり目立った存在です。
実は影の実力者だったりするんでしょう。
ファイナンス=女性のイメージがあるのか、
CFOが女性の場合も多いように思います。

以上の3人、つまり、会社のボスのCEO、
番頭のCOO、金庫番のCFOが会社の権力者といって
良いでしょう。

この3人以外はさほど力を持っていません。

創業者は文字通り会社を作った人ですが、
会社が大きくなっていくにつれて、
実務からはだんだん離れていきます。
役割は「会社の哲学の伝道師」とでも
言えばよいのでしょうか。
会社の進むべき方向を指し示し、
会社の精神的な柱となることと、
会社の広告塔としての活動が主です。

技術のトップのCTOは名前の割には影響力がなく、
会社幹部に対する技術アドバイザー、または、
会社の技術者のシンボル的な存在です。
エンジニア出身の創業者が多いので、
創業者がCTOに納まっている場合もあり、
役割としては創業者の役割に似ています。

さて、たくさんいる「副社長」は
どういう位置付けでしょうか。

副社長はほぼ「各部門のトップ」といって良いでしょう。
営業、開発、マーケティングなど、
どの部門もピラミッドのてっぺんに座る人がいます。
これが副社長なのです。
また大きな会社では、企業向け、一般消費者向けなど、
市場に合わせて部署が分かれていたりしますから、
そういった場合にはそこにも「副社長」が座ります。

微妙に違いはあるものの、この副社長は
日本で言う「事業部長」みたいな位置付けです。
日本の会社には事業部長がたくさんいるのと同じく、
こちらの会社には副社長がたくさんいるのです。
先ほどの1つ残っていたCIOは、呼び名は違うけれど、
社内システム部門のトップで
社内システム担当副社長といった位置付けです。

副社長はたくさんいて、
その責任範囲には大小があって、
その区別をしないといけない場合には
副社長に階級をつけて、ヒラの副社長じゃない、
「シニア副社長」が作られます。
これを日本語に訳すと、
カッコいい「上級副社長」になるのです。
ですが、上級副社長といっても、
社内ナンバー2ではないということは
明らかですよね。

今回挙げた会社の幹部のうち、
会社のトップであるCEOは、
見ていると感心することが多々あります。
次回は、CEOについて
感じたことを書いてみようと思います。

上田ガク

2003-11-11-TUE


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