シリコンの谷は、いま。
雑誌の記事とはずいぶんちがうみたいです。

第11回
管理職が少なくても大丈夫なのですか?



前回の「シリコンの谷は、いま」で、
普通はエンジニアが管理職になっていくことは
あまりない。そして
その理由はそういう管理職のポジションが
少ないからだと書きました。

じゃあ、こちらの会社では、
なんで管理職が少なくても大丈夫なんでしょうか?

いくつか理由は考えられるのですが、
まず1つ目に考えられる理由は
ただ単純に会社の規模が小さいからでしょう。

シリコンバレーのネット企業の社員数というのは、
意外に多くありません。
業界大手のヤフー(Yahoo)やイーベイ(eBay)ですら、
社員数は4000人ほどしかいません。
普通は何千人も社員がいるわけでもなく、
数十人〜1000人ぐらいの会社ばかりです。
日本でいえば中小企業のサイズです。

会社の規模ばかりでなく、各プロジェクトも
これまたかなり少ない人数でやっています。
管理する対象が少ないなら
管理者も少なくてよいというのが
2つ目に考えられる理由です。

僕が日本にいた頃経験した開発プロジェクトでは、
プロジェクトメンバーは合計で数十人いましたし、
何百人のプロジェクトもあるという話を聞きました。

しかし、こちらではかなりの大規模なプロジェクトでも
10人を超えることはなく、プロジェクトチームは
数人というのがほどんとです。

これには本当に驚きました。
シリコンバレーの開発は徹底した少数精鋭主義でした。

人数が少ない分、1人当りの仕事量は多いわけで、
実際の仕事の意思決定のほとんどは
現場のエンジニアに任されています。
つまり、細かい判断は任せるから
適当に判断してくれというわけです。

プロジェクトチームの人数が少ないので、
そのプロジェクトをどうしていくべきかという話は
リーダー格のエンジニアを中心に、
全員で集まって話をすればいいだけで、
意思統一も簡単です。
プロジェクト自体が自律的に
走るような形になります。だとすれば、
細かい管理は必要ありませんよね。

小さいチームを作り、意思決定を任せて、
自由にやらせることで、管理の手間を省いていると
言ってもいいのではないでしょうか。

こちらの会社の管理職の人たちは、
プロジェクトが滞りなく進むようにするための
裏方的な仕事をすることが多いように思います。
組織の上に立って意思決定に大きな力を振るうという、
役割があまり必要ない分、
管理職がしなければならない仕事の量も
おのずと少なくなってくるのでしょう。
だとすれば、管理職の数もそんなにいらないのも
頷けます。

シリコンバレーのある会社では、部下が7人以上いない
マネージャーは不要と言って、
その職を廃止してしまったそうです。
僕の上にいるマネージャーも、
下には何十人かのエンジニアがいます。

こういう理由でシリコンバレーの企業は
中間管理職の少ないフラットな
組織になっているのではないかと思います。

上田ガク

2003-10-24-FRI


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