4月19日、あなたの部屋に沖縄があふれだす。 大島保克presents ほぼ日島唄ナイト
 
〜ことのはじまり〜 みんなが大島保克さんを 好きなわけ。
10年ほど前から
ライブに行き、CDを買い、
人によっては三絃を練習し、
しずかな「大島保克ブーム」を起こしていた
「ほぼ日」の乗組員たち。
どんなふうに好きなのかというと‥‥
どうかまずは、ひとりずつの話を聞いてやってください。


ベイ

「まるごとの想い出になっていく」

ぼくは葉山の「Blue Moon」という
海の家でやる大島さんのライブに
幾度か行ったことがあるんです。
観客は、お酒を飲みつつ、夜の砂浜に座って、
大島さんの音楽に耳を傾けました。
大島さんの演奏は
どこかストイックなようでいて、とてもあたたかく、
あまりにもすばらしかった。

あの夜のことを思い出すために
ぼくは、大島さんの音楽を聴いている、と言ってもいい。
それほどの夜でした。

大島さんの音楽を聴きながら横目で見た海の
夜光虫がすごかったこと。
砂に差し込んだ足の感触も憶えています。
家までの帰り道もあわせて、全体が
すごくたのしかったのです。

あれはきっと、大島さんの演奏だったから、と思います。
ぼくにとって、大島さんの音楽は
そういう音楽なのです。
こんど「ほぼ日」でやるライブも、
まるごとひとつの想い出になって、
しみじみと心に残っていく、
そんなふうにできればいいと思っています。

だから、みなさん、19日。
パソコンを意識しないで、
映像はときどき見るくらいにして、
音をワーッと聴ける状況にしてください。
そして、できるだけ自分にとって
たのしくここちよい空間を作って聴いてほしいです。
照明は、暗めで。

当日のライブでは、
ほぼ日乗組員のぐっさんが、石垣島で
波の音を収録してくれたものを流したり、
映像も、大島さんの音楽に合うものを
映し出そうと考えています。
波や泡盛や月、いろんなものが加わって、
いいライブにできるのではないかと思います。


田口

「大好きな光景を思い出す音楽」

大島さんの曲は、とてもしずかで、
夕方の海にちょうどいいんです。
ぼくはね、夕方の海を
ぼーっと眺めるのが大好きなんですよ。
大島さんの曲って、
その、大好きな光景を、バーッと思い出す感じ。

もともと沖縄が好きで、
沖縄の音楽も好きでした。
三絃も買って、京都に住んでいたときに、
川べりで練習していました。
大島さんのことは勝手に師匠と呼んで
勉強させていただいていました。

そんな大島さんに「ほぼ日」に来ていただけるとは。
感無量であります。


スガノ

「曲がすばらしく」

数年前に、大島さんのCD
『島時間』を買って、
それが全曲すばらしかったので、ファンになりました。
とくに『流星』という唄がよくて、
星空を見ながら聴き、何度感極まったことか。

八重山諸島には
2度ほど行ったことがあるのですが、
大島さんの唄を聴くと、
その風景がバッとひろがります。
のんびりしていて、はりつめていて、
少ない音で、かなり複雑で、
ゆたかなのに、なにか
数少ないものを大切にしている感じがするのです。

矢野顕子さんも、大島さんのことを

大島保克さんの唄を聞くたびに、その声に足止めを食らう。
素通りできないのだ、絶対に。
それはわたしだけではないはずだ。

矢野顕子

とおっしゃっていますし、
立川志の輔さん

絃一本一本、一音一音、ゆっくりゆっくり召し上がれ。
まるで旅の宿の膳のよう。もてなす味の様々に。
ごちそうさまと手を合わせ、こころは満たされ軽くなる。
ああ、もうしばらく、このままで。

立川志の輔

とおっしゃっています。

さて、このたび我々は
ずっと憧れだった大島さんと
ごいっしょできることになりました。
しかし、自分たちの持っているイメージとは
ちがう方だったらどうしよう、という不安もありました。
勝手な話です。

ところが、実際にお会いして、
みんな改めて、すてきさに打ちのめされました。
ライブやコンテンツでも
ご本人の魅力を伝えていきたいと思います。


ハリー

「にぎやかなのに、ひとりでいる気持ちにもなる」

沖縄の音楽は、もともと音階やリズムが
とても気持ちいいので、好きでした。
でも、大島さんの音楽に出会うまでは、
細野晴臣さんとか、サンディ&ザ・サンセッツとか、
あくまでポップスのひとつとして、
沖縄音楽を聴いていたと思います。

そして、ベイちゃんと同じく、
「Blue Moon」のライブに行きました。
そこで、はじめて大島さんの島唄の世界にふれたのです。

波風が吹いてくると、ぷんと潮の香りがして、
そこに食べもののにおいも、ただよってくる。
曲がおわると聞こえてくる波の音と、
砂浜のひんやりした感触。
あたり一面真っ暗な空と海のなか、
ライトに照らしだされた大島さん。
そんななかで、空に向かってまっすぐ響いていく、
大島さんの声と、三絃の音。

かんたんに言えば、まるで、ほんとうに沖縄にいる気分。
「これは、耳だけじゃなくて五感で感じる、
 マルチメディア音楽だ」
そう思いました。

個人的なイメージで言えば、
大島さんの音楽を聴くのは、昼ではなく、夜です。
夜に似合う音楽だと思います。

ライブで聴いていると、
お客さんが一体になった、にぎやかな感じもありつつ、
ひとりでいる気持ちにもなる。
そういう不思議な感じがあって、
そこがまた、たまらない魅力になっています。


シェフ

「地響きのような唄声」

ムーンライダーズの武川雅寛さんが参加する
葉山の海の家でやるライブがあるよ、
すごくいいんだよ、と
人から聞いたことが
大島保克さんの音楽にふれるきっかけでした。

武川さんが参加するライブは
必ずおもしろいんです。
それはこれまでの経験でわかっていたので、
葉山まで迷わず出かけることにしました。
砂浜に足を入れながら、沖縄民謡を聴きました。

沖縄の音楽というと
「アイヤー」「ヒュッヒュッ」
という、踊りたくなるような、
元気なものしか知りませんでした。
もしかしたら、異国のもの、と思っていたのかもしれない。
でも、大島さんの音楽は
ぼくらにつながっている感じがしました。

はじめて聴いたのが海のそばだったこともあって、
大島さんの唄は、地響きのように体に届きました。
なんなんだろうなぁ、大島さんの声は。
先日、うちの事務所でコメントVTRを取るために
ひとふし唄ってくださったんですけれども、
驚くほど声が通って、やっぱり地響きのようでした。
大島さんが唄った瞬間、
どこかに連れていかれる気分になりました。

大島さんのCDは、
やすみの日にのんびり聴くのが
ぼくにとっていちばんぴったりの聴き方です。
夜なんて、ほんとうにすてき。

歌詞があまりよくわからないけど
いいな、とわかる、わかっちゃう。
そのあたりは「いい洋楽」を聴いたときに似ています。

いかがでしょうか?
こんなにも、みんなが一様にうっとりと、
恍惚の表情を浮かべて語る音楽家も、
そういないんじゃないでしょうか。

ぜひ、スペシャルPVをご覧になって、
大島さんの島唄の魅力を、
予習しておいていただけたらと思います。

次回から、大島さんご本人に登場していただき、
「ほぼ日島唄ナイト」をたのしむための
ポイントをお教えいただくことにいたします。

それでは、また明日!

2012-04-16-MON

撮影:枦木 功

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(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
大島保克さんの公式ウェブサイトはこちらです。