SOFTWARE
シェアウェアは
ひょっとすると
デジタルユートピア
かもしれない。

Dear James(スコットランドへの手紙。)

さて、DragThningの作者、James Thomoson
さんの回答をお読みいただけたでしょうか?

シェアウエアにたいする、愛とほとばしる情熱が
感じられるではありませんか。
彼は、質問に答えてくれた後も、
「回答をよんで、きみがどう思ったのか、
是非おしえてくれ。」だの、
「もし、さらに疑問がわいたら遠慮なくいってくれよ。」
などと、泣かせることを言う。

さて、Jamesさんに、「どう思ったか」を送るべく、
今回も私は行く!

まず、彼のいうところの「シェアウエア」というのは、
「正直者」どうしの、ソフトウエアのあり方だ。
ちょっと強引だけど。

つまり、製作者側においては、
「こんなソフトがあると便利だなあ」という、
シンプルで正直な気持ちをよりどころにして
ソフトを製作すべきであると。
「お金をもうけてやる。ヒッヒッ。」という
黒い心が沸き起こった段階で、
すでにそれは「良い」ソフトではないのだと。
そして、受け手であるユーザーの側からすれば、
(「お金に余裕があれば」という条件はつけてくれては
いるけど)使用するのであれば、
正直にお金を払うべきであり、その、行為が、
「シェアウエア」の存在をささえているのだという。

その、「正直」とか「良心」とかいう、
なんかふつうだと、
このせちがらい浮き世では、ないがしろにされがちな、
すごく脆い部分を拠り所にしている存在だからこそ、
シェアウエアがなんだか、
ステキで新鮮なものに見えてくるのかもしれない。

でも、シェアウエアには、それ相当の厳しさもうかがえる。
つまり、ユーザーにとっての本当に「使える」ソフト
でないと、市場に生き残って行くというか、
人々に、その存在すらも、伝えることがむつかしい。

「使える」ソフトでなければならないのは、
もちろん市販のソフトだってそうだけれど、
市販のソフトには、積極的な宣伝をするという方法がある。
これで、一応ユーザーの目につくところへ、
ソフトの存在を知らせることは可能だ。

でも、シェアウエアにはそのすべはほとんどなくて、
実際に使ってくれたユーザーが「これいいんだよ」
というふうに、広めてくれるのを、待つだけなわけだ。
その後で、そこから、登録をしてくれる人を、
また、じっと「待つ」のだ。

なんだか、とっても控えめだ。シェアウエアの存在は。

そして、シェアウエアの仕組み、みたいなものも
少し分った。どうやら、
kagi.comというシェアウエアの登録を代行している
会社が存在するということだ。
Jamesさんの話によれば、登録1件につき、1ドルの手数料で
代行をしているらしいではないですか。
1ドルの手数料でビジネスが成り立っているとしたら、
シェアウエアの登録件数というのは
かなりなものなのだろうか?
これは、ちょっと、まずJamesさんに、メイルをだして、
すこし話をきいてから、
Kagi.comに取材を申し込むことにしよう。

Jamesさんに、出すメイルには、もちろん、この回の原稿を、
英訳して添付しよう。

そして(まだほんのすこしの可能性だけど)、
自分たちがシェアウエアを作ること
自体にも踏み込んだら、すごく楽しいんだろうな。
と、想像だけはしてみた。あこがれつつ。

(つづく)

1998-08-29-SAT

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