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ユニークな食文化を持つ山形県だが、
「だし」の存在を知った時にはおどろき、心がときめいた。
言ってしまえば「夏野菜のみじん切りの浅漬け」
なわけだが、それを「だし」と名づけたところに、
土地の人々の豊かな感性を感じる。

食べてみるとわかるのだが、
野菜の味がとてもよく味わえるのだった。
ごはんによし、麺によし、豆腐によし。
主菜を引き立てる「植物性のだし」である、
ということだろうか。すばらしいネーミングだ。
名物、冷やしラーメンと冷たい肉そばは、
かつて山形のお店に食べに行ったが、
これは行くまでもない。
作ればいい。

【材料】
・ナス、キュウリ、シソ、万願寺唐辛子
・とろろ昆布

生で食える手近な夏野菜をとにかくきざめばいいわけで、
無限のバリエーションを持つ。
でもさすがにトマトやレタスを入れる人は
いないかもしれない。
薄切りにしてから、みじん切りにしてゆく。
どれだけ細かくするかはお好みだが、
できるだけ細かいほうが、
個人的な事情をいえば妻の機嫌をとれる。

ナスとシソだけ、ざっと塩水につけてアクを抜いた。
そんな手順も気分の問題であり、
しなくてもかまわないといえばかまわないのだろう。
味つけはこの時は塩だけ。
とろろ昆布は納豆昆布の時もある。醤油を入れる日もある。
唐辛子はたまたま冷蔵庫に残っていたので使ったが、
ピーマンでもおいしい。

今はスーパーでも買えるようになり喜ばしいことだが、
自分で作れば家族へのポイント稼ぎにもなるし、
「ああ仕事進まねえ!」というときの
気分転換にも有効な、いい逃避おかずなのだった。

2010-08-05-THU
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