増刷や我にバターを許すなり

というエハイクがありましたが、
糸井さんにも御執筆いただいた褒め殺し本
『文藝別冊 吉田戦車』が、ありがたいことに
増刷になりまして、ホッと胸をなでおろしています。
ご協力いただいた面々を見渡しましても、
増刷の一回ぐらいかからなければあまりに申し訳ない、
というほどの豪華メンバーですので、
顔が立ったと申しますか、本当にうれしく思っております。

実は「塩バター汁」の時にすでにその吉報は届き、
自分にバターを許していたわけでしたが、
その時はまだありがたさ、すまなさ、恥ずかしさ、
わが身の厚かましさなどの感情が混交しており、
そのことに触れる気力がわかなかったのでございます。
厚くなった面の皮もいくぶんおちついてきた
このさわやかな季節に、
あらためてバターを許すことにいたしましょう。

【材料】
・スパゲッティ
・パセリ
・しらすぼし
・ニンニク
・バター、醤油

コミックビーム誌に『パセリ舟』という漫画を描くため、
資料としてパセリを購入しており、
作業後どのように食べようか迷っておりました。
私ごときの漫画でも、
資料が必要になることはあるのですよ。
「そうだ、スパゲッティ!」
バター、スパゲッティ、パセリが一瞬にして結びつき、
まさに渡りに船でございました。

中華だしの素でパセリスープも作り、添えましたが、
なんと申しますか、子供がパセリぎらいになりそうなお味。
スパゲッティのほうはバターとパセリの香りがマッチして
美味しくいただけましたが、それでも過ぎたるは何とやら、
多すぎるパセリが気管に飛びこんできて、
何度かむせる結果となりました。
ラーメンや蕎麦のつもりでズルズルすすりこむから
そうなるのであって、パセリのせいではないのですが。

ともあれ、久しぶりにバターをなめさせてくれた
寄稿者の皆々様に、
心の底からバター感謝をささげたいと思います。
本当にバターありがとうございました。

2009-04-30-THU
もどる