未踏県のひとつであった富山県を旅してきました。
暑いほどの好天に恵まれ、桜もまさにド満開。
シロエビ、ホタルイカなど旬の魚介類に舌鼓をうち、
立山連峰の美しさに見とれてまいりました。
おみやげに「シロエビの素干し」を買いましたので、
それを使って富山っぽい料理を
あれこれしてみたいと思います。

干したシロエビからはとてもよいダシが出るので、
そうめんやうどんのつゆにすることもあるそうです。
おいしそうですね。
そのおダシで豆腐を煮こんでみるのはどうでしょう。

塩とみりん、醤油だけでうっすらと煮て味を含ませますと、
上品でおいしいのですが、地味すぎる気もいたします。
なんらかの富山要素をつけ足そうと思い
「薬」に思い至りました。
富山といえば売薬業。
薬膳としてその伝統を新たな形で受け継いでいく
動きもあるようで、私も薬膳カフェで
酢を入れたブルーベリージュースを飲み、
「すっぺぇ!」などと下卑た声をあげたりしました。

【材料】
・シロエビ素干し
・きぬごし豆腐
・塩、醤油、みりん
・卵
・カレー粉、しょっつる

台所にある身近な生薬といえば、
ショウガ、ニンニクなどはもちろんですが、
カレー粉もそうであるといいます。
まさに医食同源。体調がすぐれない時は
カレー粉をペロペロなめればよいというわけです。
そして風邪をひいた時の卵酒でもおわかりのように、
卵もまた薬でございます。
風邪薬の「塩化リゾチウム配合」のリゾチウムが、
卵白には含まれているそうですよ。

その二種類の薬を混合し、薄く焼きましたのちに、
4合瓶のお酒のふたで丸くくりぬきました。
豆腐を味わい、ややダシがら感はあるものの
まだ十分おいしいシロエビをかじり、合間に薬を服用する。
お酒をどれだけ浴びても大丈夫そうな、
たのもしい富山の味になりました。

2009-04-16-THU
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