スーパーで鴨肉が目にとまり、
その鮮やかな色にそそられた。
鴨を買ってまで食べるのは人生で2度目か、3度目か。
蕎麦屋で年に1、2度食べるくらいには好物です。
まずは適当に調理して蕎麦をゆで、鴨せいろにした。

本番は翌日です。
池波正太郎のエッセイ「食卓のつぶやき」にある、
大石内蔵助が討ち入り直前に食べたご飯を
再現してみることに決めていた。
池波ファンは「料理再現」を好むと思われるのですが、
作ってみた方も多いメニューではないでしょうか。

【材料】
・鴨焼き肉用
・ネギ
・玉子

鴨を煮たつけ汁を冷蔵庫から出し、
脂の固まったつゆをしょっぱすぎない程度に加えて
ご飯を炊く。
鴨肉はひきあげて小さめに切る。
さらしネギとともに生玉子に入れて、
醤油少々を入れてかき回す。
オリジナルは
「あぶった鴨肉、白い炊きたてのご飯」であって、
少々ちがうが、味の方向性はいっしょだろう。
あと、もちろんアイガモじゃなくて
空飛ぶ鴨だったことでしょう。

鴨肉とネギ入りの生玉子を、鴨風味ご飯にかける。
見た目はあまりよくないし、
えー?、という反応もあるかもしれない。
でも、味の感じはあれです、牛丼、牛めしに生玉子。
赤穂浪士の何人かが、
あの味に似たものを食べていた、と考えると
感慨深いものがある。
私はどっちかというと牛丼に生玉子はいらない派ですが。

2008-06-26-THU
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