グラフィックデザイナーの佐藤卓さんは、
「ニッカ・ピュアモルト」
「ロッテ・キシリトールガム」
「明治おいしい牛乳」など、
暮らしのなかの身近な商品のデザインをはじめ、
NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」の
企画メンバーおよび
アートディレクションをつとめるなど、
幅広い現場で、活躍中です。

佐藤卓さんのデザインは、
派手さや奇抜さで人目をひくことではなく、
日常生活の中に
当たり前にあることを大切にしています。
自己主張しすぎないにもかかわらず、
個性的なデザインである、
といってもよいでしょう。

また、商品デザインと並行して
「デザインの解剖」や
「バーバーサイン プロジェクト」などの
自発的なプロジェクトも
精力的に行っています。

こうした佐藤卓さんのデザインやプロジェクトは、
ふだんは意識していない普通の日常が、
とてもおもしろくて魅力的であることを
私たちに気づかせてくれます。
その意味では、佐藤さんの活動すべてが
アート的であるといってもよいでしょう。

この展覧会は、
佐藤卓さんのこれまでの活動の
ほぼすべてを紹介するとともに、
この展覧会をきっかけに生まれた
いくつかの作品、プロジェクトを初公開します。


展示構成

I. 佐藤卓デザイン事務所の仕事
(主な仕事を紹介、体験する空間です)

a.『仕事の部屋』:
(過去の約20年間の主な仕事を、
 実物および写真、解説パネルで紹介)

b.『グラフィックの仕事』:
(ポスターなどの
 グラフィックデザインの展示と解説)

c.『にほんごであそぼ教室』:
(企画に参加し
 アートディレクションを務めている
 NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」を
 テーマとしたインスタレーション)

II. アート ワーク
(商品デザインの仕事とは別に
 自主的に制作した作品やプロジェクト)

a.『立体作品』
(「クールミントガム」
 「グリーンガム」
 「S&Bスパイス ボトル」
 「チロリアン」の立体作品を展示)

b.『デザインの解剖』
(大量生産品をデザインの視点から
 「解剖」するプロジェクト。
 「キシリトール」
 「写ルンです」「リカちゃん」
 「おいしい牛乳」の
 シリーズ4作が一堂に会します。

c.『バーバーサイン プロジェクト』
(誰もが知っていながら、
 日常のなかで見過ごしがちな
 理髪店サインを通して、
 日常に潜んでいる
 場所や人の関係性を
 再確認するプロジェクト)
 
d.『埋木(うもれぎ)プロジェクト』
(砂の採掘現場から
 偶然出土した
 石化する前段階の神代木を、
 高さ70cmに加工して、
 展示し公開したプロジェクト)
 
e.『言語博物室』
(佐藤卓さんが
 気になったものから
 言葉をみちびきだして、
 人の気持ちにうったえかける
 モノと言葉の関係を検証します)
 
f.『波乗り』
(佐藤卓さんの趣味であると同時に、
 自然や環境とデザインの関係を
 考えさせるきっかけとなっている
 「サーフィン」をテーマにした
 ビジュアルと映像を展示します)

III.コラボレーション ワーク
(この展覧会のために
 開催地の人たちとともに
 進めているプロジェクトです)
 
a.「おみやげプロジェクト」
(水戸の企業と共同で、
 今後水戸の名物になるような
 新しい商品を開発、一般販売します)
 
b.「デザイン採集」
(昆虫採集ならぬデザイン採集です。
 街に捨てられている
 包装(デザイン)を「採集」し、
 採集箱に入れ展示します。
 デザインの行く末を
 再認識するプロジェクトです)