読みかえす
「今日のダーリン」
2003/05/10
今週の「今日のダーリン」のなかでも、
darlingが実感を綴った言葉について、
特にたくさんの反響をいただいたんです!
実感というか、汗や震えが見えるような、
みっかぶんのコラムを、ご紹介しますね。


5月5日

【会場ごと作品の『舟越桂展』】

「ぼくは昨日、
 東京都現代美術館に行ってきました。
 そう、『舟越桂展』です。
 日曜日だったせいか、
 ちょうどいい感じのにぎわいでした。
 展示方法もよかったなぁ。
 舟越さんの
 彫刻は微妙な彩色をしてあるから、
 『手を触れないように』
 ということを言いつつも、
 『触れば触れる』
 ような展示をしているんだよ。
 大人っぽい、しかもお客さんを
 信じている展示方法だし、
 なにより、舟越さんの作品に
 あっていると思ったなぁ。
 ひとつひとつの作品と、
 それを観ている観客、
 どっちがどっちだか
 わからないように混じっている会場。
 これが、見事だったなぁ。
 作品も人間のかたちをしているし、
 それを前から横から後ろから
 見ている人々も、人間。
 舟越さんという作家の作品と、
 『観客』という役割をしている
 神さまの作品が、
 同じ場で交歓しているような風景を、
 ちょっと離れて見ていたら、
 『ほんとは観客のほうが
  すばらしいくらいなんだよ』
 というメッセージが
 あるのではないかと思えてきました。
 新しめの作品の『異形』の人々の表現も、
 いかにも必然があってそっちの方向に
 行ったんだと思える
 切ないような高さを感じるもので、
 ほんとによかったなぁ。
 もし、行ける時間があって、
 行ける距離にいる人は、
 ぜひ、観に行ってみて」


5月7日

【とにかく毎日いっしょけんめい】

「事業計画もなく、
 ビジネスモデルという言葉も知らずに、
 なんだかとにかく、
 毎日いっしょけんめいにやってきて、
 とうとう5年も経ってしまいました。
 アクセスログを見ると、いまのところ、
 だいたい毎日50万アクセスくらい。
 人数にしたら7万人くらいが、
 毎日訪ねてきてくれてます。
 全世界のほとんどすべての国から、
 アクセスされています。
 5年前のスタートの日は、
 たしか600アクセスとか・・・
 だったような気がします。
 でもね、自分たちを
 ほめてやりたいほどじゃないけど、
 よくヘコタレたりもしながら、
 休まず歩いてきました。
 そして、月並みな言い方に
 聞えるかもしれませんが、ほんとうに、
 『読んでくれる人』
 『応援してくれる人』あっての
 『ほぼ日』なのです。
 ちょっとフライイング気味ですが、
 何度でも感謝します」


5月8日

【目撃者ばっかりの世界って】

「いつのまにか、
 テレビの普及した国に
 住んでいる人たちは、
 『なんでも目撃できる』
 ようになっている。
 ぼく自身の場合でいうと、
 『なんでも目撃できてふつう』
 という『その感じ』は、
 ケネディ大統領暗殺の
 ニュースからだった。
 人はたいていのことを目撃できるという
 『その感じ』は、
 やがてみんなの常識になっていきました。
 人が直接見たり知ったりすることは、
 大昔に比べて、
 あんまり多くなってはいないけれど、
 『目撃』したつもりの事実は、
 いくらでも増えている。
 知ろうと思えば、
 たいていのことは見られるわけだ。
 スゴイことだ。
 いいこともたくさんあると思う。
 でも、テレビを観ている時に、
 ふと思ったんですよ。
 こんなにみんながみんな
 『目撃者』ばっかりの世界って、
 ひょっとしたら、
 イヤな世界なのかもしれない、と。
 目撃ばかり得意な人々のいる社会・・・
 感じ悪いよなぁ」

2003-05-10-SAT


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