オトナな会話(仮)
さくらももこ×糸井重里の対談です。

その18
天国の召使いたち。

糸井 僕ね、バリ行って、
別のホテルに泊まったんですよ。
アマンが取れなくって。
さくら あ。
糸井 ゼロ。
さくら でしょ。
糸井 マネしてるんですよ。
でも、ゼロなんですよ。
なにひとつクリエイティブがないんですよ。
あ、1コだけあったのは、
サプライズプレゼントがね、
部屋に、鳥カゴに入った
野鳥がいたんですよ。
さくら えっ!?(笑)
それ、持ってってもいいんですか?
糸井 放すっていう習慣があるらしいんです。
鳥を放つっていうことが、
福を呼びますってことで。
それだけは感心したけど、
あとはもう、ノーアイデア。
つまり、アマンそっくりにはなるんですよ。
だから、パンフレット作るときには、
そっくりに作れるんだけど、
そこに滞在してるときに、
これは天国に似たものを
作ろうとしてるなっていうことが
実感できないんです。
前に、アマンについて、
「ほぼ日」の初期のころに、
墓場に似てるものを
作ろうとしてるっていうふうに、
感想文を書いたことがあるんですよ。
つまり、お墓の中の死者が、
いちばん安らかでありますように、
っていうコンセプトで
設計してるなと思ったんです。
で、天国の召使いたちの
教育をしてるわけでしょう?
さくら そうそう、そうなんです。
天国の召使いたちの
教育なんですよね(笑)。うん。
糸井 で、料金がそんなに
変わるわけじゃないんですよ、
マネしてる人たちと。
やっぱり、図書室1コ作るにしてもね、
300室の大きいホテルに図書室があっても、
図書室1コあたりのコストっていうのは、
すごく安く上がるわけですよ。
でも35室しかないとこに
図書室作ったら、
ひとりあたりのコストは
すごく高くなるんですよ。
でも、そういうサービスをしてるんですよ。
さくら うん、してますよね。
糸井 きっと、あそこをほんとに愛してる人が、
あれが潰れるってなったら、
倍になってもいいから
残してくれって言いますよね。
さくら うん、そうですね、
言います、言います、うん。
糸井 で、それが、おそらく、
川久保さんの言う、
ほんとに自由でありたいってことは
ビジネスになるってことなんですよね。
さくら そうなんですよね。
糸井 そうなんですよ、これをね、
いっぱい探して、紹介したいんです。
苦労した分だけお金を得て、
ガツガツと旅をして帰ってくる
みたいなことじゃなくて。
ももちゃんがやってることってたぶん、
そういうことがしたいんだと思う。
さくら そうなんですよね。
糸井 でしょ?
さくら うん(笑)。
糸井 そのために徹夜になってもかまわない。
そのために儲かんないことがあっても
しょうがない。でも、
天国のアイデアを出したいんですよ。
泥だらけでやんなきゃいけない
仕事かもしれないんだけどね、
ひょっとしたらね(笑)。
だからおそらく、
サバイバルの旅に1週間、
ももちゃんが行ったことも、
天国のアイデアとして行ったんだよね。
さくら そうですよ、もちろん(笑)。
もちろんそうです。
糸井 キャッチフレーズすごいもんね、
猛獣に触って‥‥。
さくら 気づかれずに去る。
糸井 すっばらしいですよね。
さくら うん。素晴らしいと思ったんですよ、
ほんとに。だって人のできることって、
大したことできないじゃないですか。
食べて、ウンコして寝て起きて。
で、こういうふうに手で作業するっていう、
基本はそれですよね。
で、大したことできないけど、
それってすごいことですよね、
猛獣触って去るって(笑)。
糸井 俺たちは、
それにかわる天国のアイデアを、
きっとのたうち回って
探し出すんでしょうね。
で、それは、今の世の中では、
金になんないんですよ。
で、やる人が少なくなっちゃうんだけど、
たとえば「ほぼ日」なんかだと、
そんなことを言う場所があるんですよね。
さくら うんうん。
糸井 でも、今ここでしゃべってることって、
仮にどっかの出版社で、
このことを言いたいですって言ったら、
載っけてくんないと思う(笑)。
せいぜい僕の名前とさくらももこの名前と
掛け算して、だったらいいかな、
ってかたちで乗ってくれるんで、
ほんとは僕らじゃなくてもいい。
僕らの夢としては、
この内容そのものを、
買ってもらいたいんですよ。
‥‥「ほぼ日」は、OKなんですよ。
さくら 「ほぼ日」はね。
糸井 で、それこそが、
俺たちのやりたいことなんです、
って言えるんですよ。
これがOKで、しかもそれで
ビジネスになってるんだってことが、
もうすでに、天国の話に、
ちょっと、近づいてると思うんですよ。
さくら うんうん、そうですよね。

おれたちも、天国の召使い?
ふーむ!!! 明日に、続きます。
2005-06-01-WED
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