オトナな会話(仮)
さくらももこ×糸井重里の対談です。

その13
アイデア満載、がだいじなのさ!


さくら 今描いてるもの(神のちからっ子新聞)も、
マンガっていうジャンルとも
ちがうんですよ、ちょっと。
糸井 だからやっぱりね、
マッチを擦ってるんですよ(笑)。
どれだけバカバカしい話を、
親しい人とできるか、
みたいなことでしょ?(笑)
さくら そうそうそうそう(笑)。
糸井 それ、やっぱりね、
大変なことなんですよ。
さくら うん、じつはそうかも。
やろうとすると
大変なことかもしんないけど‥‥。
糸井 運命かも。
素質なら枯れてると思う。
もう出切ってると思う。
さくら 運命かも!(笑)
糸井 だって、何万語しゃべった?
何億語しゃべった?
あるもの出してる限りじゃ、
尽きてると思うよ。
さくら そうですね、そうかも。うん。
糸井 難しいことをやってたほうが、
自分が楽になるからやってるっていう時期が、
けっこう長いんですよね、人って。
さくら うん、そうかもね。
糸井 難しいことをやってるぞ、っていうと、
その、なんていうんだろう、
自分が成仏していられるんですよ。
自分の力の3分の1で済んだな、
ってことをやってると、
いいのかな? って思うんですよ。
さくら 仕事癖がついてるんですよね、それって。
糸井 なっちゃうよね。うん、うん。
さくら だから、仕事減らしたときに、
こんなことじゃないだろう、みたいに思って、
『富士山』やったんですけど。
でもやっぱり私、
もっと楽しいことが多いほうが、
向いてるんですよ、基本的には。
糸井 うん‥‥だから、ものすごく極端に言うと、
ももちゃんなんかはさ、
俺もその中に入れられるかもしれないけど、
“遊びを金にする”人間じゃないですか。
さくら アッハッハッハッハ。
やな言い方だなぁ、
遊びを金にする人間(笑)。
糸井 悪口として言われると、
すごい腹が立つんだけど(笑)、
それこそが、じつはものすごく難しいというか。
さくら そうそうそうそう。
糸井 できるもんならやってみろ(笑)。
さくら やってみろ、っていうねぇ(笑)。
糸井 マハラジャの話に戻るんだけど、
マハラジャ、アイデアねぇじゃねぇか。
さくら うん、そうなの。マハラジャ、
アイデアねぇじゃねぇか!(笑)
糸井 マハラジャさ、そんだけ金持っててね、
マハラジャ様の言うことなら
何でもききますっていう人員を抱えてて、
やってることは、
小っちゃいジェット機かよ、と。
それだったら菩提樹の下でね、
ウットリしてる人のほうが、
アイデアありますよね。
さくら アイデア、あるあるある!
アイデアあるよ!(笑)
糸井 どういうことかなぁ? みたいなことをね、
いろいろ考えて、
あとで、その人が考えたことをもとにして、
いろんなものがやってくる(笑)。
それって、“超アイデア”ですよね。
さくら もう、アイデアの爆弾って感じですよね。
糸井 それに比べたら、
ただ金持ってるやつが、
あんまりみんなから尊敬されない
理由っていうのは、
ノーアイデアだからですよ。
ペントハウスのいちばん高い広い部屋は
私が買うみたいな、そんなの、
お金があれば誰でも買えるじゃん。
さくら お金があればね。
糸井 ノーアイデアだと思うんですよ。
それよりはさ、変なこと、つまり、
『富士山』を作ろうっていうのは、
ノーアイデアじゃないですよね(笑)。
さくら そうなんですよ、
ノーアイデアじゃないですよ、
アイデア満載?(笑)
糸井 僕らだって。
だって、僕が考えたことは、
自分と社員とお客さんを
飽きさせないってことだけですよ。
で、いちばん重要なのは
自分を飽きさせないってことでさ。
アイデアいるんですよ、やっぱり。
それは、百億万円もらっても、
できないですよ。
さくら うん、できないですよ、そんなの。
ねぇ? でも、もしかしたら、
他にあんまりいないですよね、
こういうスタイルって。
糸井 みうら。
さくら あ、みうらじゅん、そうだ!
みうらじゅんさんはそうですね!(笑)
糸井 ただ、みうらじゅんのほうが、
もっと世知辛く働いてる(笑)。
あいつほんっとに、
身を粉にしてバカなことを考えてる。
男の子は、そういう時期があっても
いいと思うんですよ。
ただ、ま、こうやるんだよって
言ったのは俺だからね、
申し訳ないなと思うんですけど。
さくら たまたま、私もマンガ家なんだけど、
やってることがマンガの部分って、
そんなたくさんないんですよね。
糸井 あ、そっか。

たしかにやってて飽きないっすよー。
明日は、意外にも、哲学な話を。
2005-05-25-WED
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