MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第198回
「フランス人音楽家が訪ねて来たよ、その3
 外人客はとりあえず、居酒屋に連れて行け」

外人に何を食わしたらいいか‥‥。

あ〜またあいてしまいました。
その間にもいろいろありましたよ。
色々外人とやりました。
さて、フランスや外国のお客様を迎えるとき、
問題なのは何を食べるか? ですね。
今回はじっくりと
フランス人と付き合った結論を発表します。

「外人はとりあえず、居酒屋に連れて行け」


さくら水産だよ〜。

であります。
なにせ、向こうが何を好むかは、
絶対事前にはわかりません。
「アイラブ日本食、OKよ!」
とかなんとかいっていても、
いざ食物を前にすると露骨に暗い顔になったり、
一度食べ物を口に運んだきり、
二度と口にしなかったりする。
お好み焼き、すき焼き、
シャブシャブ、刺身、てんぷら等、
こちらが外人に平気だろう、
と思って出しても、人によります。
けっこう決め手の料理がダメなことが多く、
せっかく奮発しても食わないと、
本当にガックリ来ますよね。
単品志向の料理屋では動きがとれなくなります。

そこで、現在では和洋中なんでもある、居酒屋の登場です。
ピザだってたいていあります。
しかし、外人向け居酒屋の選択には決めてがあります。
「寿司があること」
ポイントはここです。
彼らにとって、(特にパリで)流行の寿司はご馳走ですし、
それさえあれば、まず満足します。
まず、その日のメニューはそこからはじめて、
後はいろんなものをテストさせればいいのです。
しかし、寿司がメニューにある居酒屋も限られてますね。
和民魚民はあるよな?
今回は激安居酒屋の決定版、さくら水産を選びました。
お父さんが本格フランス・レストランの
経営者コックであったファブリスさん御一行は、
海産物好き。


ファブリスのぱーとなー、ギョウム。
保険会社勤務。
なんでも食う。



フィリップの恋人パリジェンヌ女子大生。
典型的仏眼鏡美人。



小説家フィリップ。


信じられないほどオドオドと優しい
ファブリス。魚好き。


驚くほど魚を食べます。
うるさいBGMがかからず、
畳敷き和風の吉祥寺さくら水産の雰囲気は
気に入ってましたね。
まずにぎり寿司5個399円5皿の一撃、
本当にこれがあれば彼らは安心します。
居酒屋でもっとも嫌がられる「ご飯もの最初頼み」ですが、
我々音楽関係者の打ち上げでは常道です。
みんなライブなどで腹が減りまくっており、
デンプンを口に入れなくては
失神してしまうほど腹が減っているです。

寿司ですが、マグロ、エビはもとより
アジ、タイも争って食べますし、
挙句の果ては、苦手とされているイカまで食ってました。
タコ寿司もどさくさで食ってましたね。

さて、それからがテストです。
彼らが何を食えるか?
まず、寿司ではなく刺身。
マグロ294円は当然喜びましたが、他もけっこう喜ぶ。
「How much? How Much?」
と小説家フィリップがうるさいので
「ここは安いんだから心配しないで!」とキツくいう。
するとまたまた
「How much! How Much!」
とやまない。
ハマチ399円の追加注文でした。
刺身を普通に醤油とワサビで食べる。好きですね。
フィリップもファブリスと
ぱーとなー、ギョウムも貝が好き。
パリはムール貝は安いが、後の貝は高級料理になるという。
以前はハマグリを美味しそうに食べたことがあるので、
今回は「カキフライ294円」「ホタテ・バター焼き」
を頼みました。
「カキフライ」バカ受けでしたね。
向こうにはフライというものはありません。
油の感じが違うフリッターという名称のものですが、
これはアピールしました。
即おかわり。
フライには「ソース」(ここではウスター)は、
違和感ないみたい。
そして「ホタテ・バター焼き」。
これはもうご馳走でしたね。
メニュー切れの2個を5人で分けて
ひときわ大事そうに食べました。
ホッケ焼き。OK。
大きいのが、すべて平らげられました。
ここでお子様メニュー、
若鶏から揚げ367円&ポテトフライ262円。
これは、心の底から手を出して食べてました。
本当はこれらが食べたいのでは?
と思わせるファーストフード的な食いつき。
「アメリカは、最近、
 戦争に否定的なフランスをけん制して、
 フレンチ・フライという呼び名をやめて、
 フリーダム・フライという名にしてるんだよね」
という話題で盛り上がりながら食べます。
かにクリームコロッケ210円。
これも喜びましたね。
クリームソース、好きなんですね〜。
はぜの天ぷら294円どうかな?
と思いましたが、天ぷらもまたフリッター。
これも平気でした。
えいひれ。
「これはなんだ?」といいつつ、まあ食べる。
どういうものか? ときくので、絵に描いて説明すると、
ええ? あれを食ってるの? 俺たち、ヤバイ!という顔。
ウニはやっぱりダメでした。
ファブリスは本格フレンチを食って育ったのですが、
注目すべきは「洋食」に対する反応。
別の日に、元東○会館のコックの作った、
美味と思えるビーフシチューを食べさせたのですが
「これは違う!」といって食べようとしませんでしたね。
最もお好み焼きも彼はダメでしたが。
ようするに、醤油はだいたいOKなのだが、
ソースを使った料理にダメなのが多いという感じでした。
彼らと京都でいった、気軽なお値段だけど超本格的
(まさにフランスそのまま、フランス人のお墨付き)
なフレンチレストラン 
Le Bouchon ル・ブション( 075-211-5220 )では
むしゃぶりつくように鴨や豚を食ってる彼ら。
日本の食い物で、彼らが好きなものには、
ある種の道が見えるような気がしたのです。

おかげさまで、小説家フィリップと音楽家ファブリス、
そして僕が朗読と歌で挑戦した朗読オペラ『玉川上水』
(『De beaux restes』、
 『La Societe des amis de Clemence Picot』
 の著者である小説家フィリップ・アダムが、
 『Un soir』、『In extremis』の作曲家、
 ファブリス・ラヴェル=シャピュイと共に
 太宰治の最後の日々を創作します。
 サエキの朗読(日本語)によって、
 この不思議な呪文はピアノと弦楽器に混ざり合います。
 というふれこみ)
京都公演と、東京公演は
大好評のうちに終えることができました。
ありがとうございました。

(この項終わり)


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2004-06-09-WED

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