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虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第106回
「あいつのDIVA、俺の性欲」


黒人男好きですか?
黒人に抱かれる日本女性をどう思いますか?
小柳ゆきなど、コスプレ寸前ともいえる
DIVAブームを影で支えるのは、
でっかくて、強そうな黒人男に憧れる日本女性の心。
そういうムーブメントに影響され、
DIVA的黒人女性的なファッションに憧れる女性。

山田詠美の「ベッド・タイム・アイズ」は
衝撃的な作品だった。
黒人と日本人が寝るどうのこうのよりも、
行間に溢れるエロティシズムにショックを受けた。
エロは単純にうらやましい、興奮するので、
身の危険(彼女を盗られる等)を感じるというよりも、
新しいセクシャリズムの到来を歓迎した。
しかし問題はそれを自分では果たせないことである。

10数年前、ひょっこり再会した小学校の同級生の女性は、
普通のOLだった。
その再会後「ベッドタイムアイズ」が出版された。
さらに2年、彼女から写真付きのハガキが来た。
盛大なパーティの真ん中で
彼女とケーキにナイフを通している長身の男性は、
長身の米軍黒人将校だった。
ご両親は茫然自失し、家に引きこもってしまったという。

こうした身近で起こった現象も、
山田詠美の活躍とおそらく関連づけられる。
長身の黒人がもっている圧倒的な存在感と、生命の躍動感。
なによりも、僕自身が憧れを感じてしまう部分があるため、
憎らしくも疎ましくもならない。

今回ワールドトレードセンターの崩壊に伴う報道写真で、
あらためて「黒人って立派な存在感な人が多いな」
と思った方はいないだろうか?
現場から避難してくるコート姿の黒人男性達は、
とても威風堂々としていた。
友人を抱きかかえる黒人女性OLは
メアリーJブライジのように威厳があった。
貧弱な体つきの日本人では、
災害現場で、ああいう堂々としたイメージにはならない。
もっとクシュっとしてしまう。

先日、沖縄に「文化デザイン会議」という団体で
行ってきた。
夜、那覇のクラブ「SLUM」に行ってみた。
1Fのヒップホップフロアに入ったとたん、
ノックアウトされた。
あふれる黒人米兵、
そしてそれにからみつくDIVA風女性。
コミックの世界のような
「ベッド・タイム・アイズ」ワールドがそこにあった。
「おきなわだあ〜」
気の抜けたように映画監督の望月さんがいう。

メガネおぼっちゃんヘアー・違和感プンプンの
ルックスである僕は、
けっこうこういう場所でモノオジしない。
あまりにも人種がかけ離れているからだ。
どんどんフロアに入っていく。
むせかえるようなエロティシズム。
東京では抑制されがちな、
直球の性欲ホルモンが場内を満たしている。

10年前にはやった、プアゾンの香りは一切しない。
香水はおさえ気味である。
デステニーズ・チャイルドやエターナルのように
髪をアップに綺麗に編み上げた、日本女性がた〜くさん。
それを、後背側から身長190センチぐらいの
黒人男性が抱きかかえる。
当然、股間は女性の尻をつくようにゆれている。
この、後ろから抱きかかえるのは
現在定番になっているようで、
フロアでは20組ぐらいの男女
(すべて黒人男性、日本?女性のカップル)が
ヒップホップに合わせて揺れている。
う・うらやましいが、
とにかく場内はある種の「殺気」でミチミチているので
(俺の彼女に手を出すなよって感じ)とてもじゃないけど、
たとえ女のコ同志で来ている客にも
声をかける気になんてならない。

日本?女性という?の意味は、
ハーフとおぼしき女性も数多いからだ。
今、18歳のハーフなら、83年ごろの生まれ。
「ベッドタイムアイズ」が書かれた頃か、
その直前に生まれて来た女性だ。
六本木にはあまり行かないが、
黒人と連れ添っても
日本人らしいOLルックスの女性もおおい港区と違い、
黒人のDIVA的ルックス文化を
直球で表現する女性が多い、この沖縄は、
すごく自然に地域に溶け込んでいる。
そこがまたエキゾティシズムを誘い、
僕は正直いうと、ウットリしてしまった。

最近の傾向は、女性(女子)が
露骨に男の子(黒人)を奪い合うことだそうで、
しばしば女性同志でケンカのようなこともあるらしい。
時代は変わった。のだろう。
女の子が黒人米兵に車を買ってあげたり(!)して
気をひこうとするらしい。
うおおお、俺にも買ってくれ!

しかし、僕の存在は、透明人間のようにまるで、
彼女達、DIVAからは無視されている。
本当に見えないのかもしれない。
東京からもたくさんの女性が、黒人目当てで
これらのヒップホップクラブにやってくるという。
地元の女の子とトラブりやすいだろうな?
案内してくれた女性は、普通の沖縄女性だが、
前の彼氏は黒人だという。

夜もふけていたので、彼女にしつこく聞いてしまった。
「黒人って体が違うんでしょう?」
「ルックスはね。雰囲気も違うけど、
 人間として付き合えば、人種は関係ないですよ」
「でもセックスは違うでしょう?」
「え〜そんなにいわれているほど違わないよ」
「でも、すごくアグレッシヴだって聞くよ」
「まあね(笑)そりゃ、ちょっとは違うよ」
「やっぱり!
 一回つきあったら、
 もう日本人とはつきあえないんじゃない?」
「そんなことないよ、同じだよ」
「え〜、ずばり、ペニスが違うでしょう?」
「そりゃ馬みたいな人もいるみたいだけど、
 たいがいは普通の大きさよ」
「僕もビデオで見たことある。
 でも、信じられないな、違うでしょう?
 セックス(しつこい)」
「おなじ・同じよ〜(笑い)」
やっぱり、信じられない…。
(この項終わり)


第四回 緊急牛肉スキスキ・キャンペーン!
「ふらんす亭」

これは最近都内に増えているんチェーン店なんですけど、
もともとは僕が見ていた限りでは、
下北沢に2軒あったステーキ屋さんで、
「レモンステーキ」という独特のメニューが
超安くておトクな、学生がうれしいお店だったんですね。
で、チェーン化する前の下北の本店?は、
カレーがかなりうまかった。
カレーとステーキという独特のセットが売り物。
チェーン化した今、メニューは減ったですが、
安くて美味しいステーキを
何処でも食べられるようになったのは、嬉しいかな?
今では「キッチン・ジロー」の
ライバルともいえるかもしれない
がんばってほしいチェーンのひとつ。

2001-12-16-SUN

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