MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第99回
ジョンレノンの眼鏡と本八幡で会ったよ(その4)


(まず)モールスニュース:
、さる10月9日に開かれた
ジョンレノントリビュートコンサート
「DREAM  POWER」のすごかったところ。
そのマニアックな選曲。
奥田民生の「アイム・オンリー・スリーピング」
「ヘイ・ブルドッグ」「シーセッドシーセッド」
の流れにはとにかくビックリさせられた。
しかし、この選曲には訳があった・・。
前々回詳細を書くといったが、
書いていると長くなるので、一回分にまとめます。

、トッドラングレン、
ジョンエントウイィッスル(フー)、
アン・ウィルソン(ハート)そして、
バンマスのアランパーソンズによって行われる
アビイロード、ビートルズトリビュートバンドの
コンサートが11月9日より行われるんです。
トッド信奉者の僕としては、
トッドが「客が少ないと機嫌が極端に悪化する」ために
プロモーションに協力してます。

11/9、10(金・土)東京厚生年金会館
JECインターナショナル
11/12(月)大阪厚生年金会館
ヨシモトミュージックエージェンシー
(http://www.ylma.co.jp)
11/13(火)福岡サンパレスBEA
(http://www.bea-net.com
11/14(水)名古屋市市民会館福キョードー東海
(http://www.kyodotakai.co.jp)

で、内容なんですが、ブートを聴きました!
これがけっこういい!
トッドの「ハローイッツミー」「オープンマイアイズ」
ジョンエントウィッスルの「マイワイフ」など
オリジナル曲も楽しめる上に、
トッドのフー物まね「マイゼネレーション」など
聴かせどころがいっぱい。
ビートルズカバーも元スタッフであった
アランパーソンズバンドの力でけっこうイイ感じ。
ロックはある意味ではオジンになり、
こうしてアっと驚くドサ回りツアーも
行われるようになったが、
大物達のビートルズに対する
ファン気質が充満した演奏は、一興。
客席と目線が一緒という、新しい発見があるんです。
和気あいあいってことですね。
行きたい人が行こう!

、チャーリーワッツさん・・推定年齢60数歳
(現ローリングストーンズ)の
ジャズバンドのライブに行ってきたよ。
総勢11名のビッグバンドで本格ジャズを…。
でもパーカッションがいたりして、凄く聴きやすい。
そのピアニストが信じられないほど
ヨボヨボしているんです。
もうぶったおれそうなくらい。
で、半分くらいの曲弾かないで
ぼーっとしているんですけど、
それがもう居眠りしているようにしか見えない。
高田渡さんもビックリ!
そんなチャーリー・ワッツ御一行を成田に迎えにいった
ファンクラブの人がゲートから出てきた彼らを見た感想は、
まさしく「温泉旅行に来た敬老会」にしか
見えなかったそうです。
でも、これがいい音出すんです!
ピアノのオヤジも。
ひとたび鍵盤に指が降りるやいなや。
でも鍵盤に指が触れるほんの直前の瞬間まではヨボヨボ。
本編に「サティスファクション」ジャズ版あり。
アンコールは「A列車で行こう」。
チャーリー、スタンダードジャズ振興に一役買ってました!

さて、口調を変えます(その3から続く)

今はつぶれてしまったようであるが、
ジョン・レノン・コレクションというシリーズが
作られたことがあった。

 

パンフレットを見ると、白山眼鏡店のモデルの他に、
4枚目のソロ「心の壁、愛の橋」のジャケット写真で有名な
銀縁眼鏡と思われるもののレプリカなどがたくさん、
作られていた。
白山眼鏡店のものに比べれば、
実際は少し小さめであったという。
日本には実際のジョンの眼鏡を作っている
「白山眼鏡店」があるわけだから、
こうしたメーカーの誕生には複雑な気持ちになるが、
たくさんの種類が作られたのだから、貴重といえば貴重。
しかし、このメーカーはいったん倒産したらしい。
(その後、現在は名古屋のメーカーが
 引き継いでいるらしい)

ジョンが愛した眼鏡を作ったというのは
日本の眼鏡店にとって大きな誇りだろう。
ファッションの重要な要素である眼鏡の、
国際的ステイタスに日本が食い込んだことを
物語っているわけで、
この70年代後半の出来事は洋服における
イッセイ・ミヤケやケンゾーなどの動きと
対抗しうるパワーがあるのではないか?

そんな長く務めた白山眼鏡店とも別れを告げ、
長嶋さんは独立することになる。
眼鏡のチェーン化にも関わったりして、
バブルを挟んで、上り下り、
大変波乱万丈な状況を過ごすことになったという。

70年代後半、ジョンが眼鏡を日本で買った一方、
量産眼鏡チェーン店が乱立するようになったのである。
長嶋さんほどの経験を積んでも、
そんなバブル化の波には巻き込まれたのである。

色々大変なめにあった後、激動のバブル崩壊前後に、
長嶋さんは結局、総武線、本八幡に、
愛らしい眼鏡店「ユニオンメガネ店」を開くことになる。
「色々あった」の余韻で
必ずしも順調にいかなかったこの開店、
難局を救ったのはなんと
リュックベッソンの映画「レオン」。
映画『レオン』でジャン・レノが使用したモデルを
客の顔に合わせて、
ハンドメイドで仕上げることをマスコミに取り上げられ、
映画のヒットの勢いで、
大変に大きな反響があったのだという。
(Hpに大きくフューチャーされている)
http://www.jona.or.jp/~union-m/jan+tom.html
そして、ジャン・レノの出世作「グラン・ブルー」で
掛けていた実物メガネを独占輸入販売した。
現在もジャン・レノの丸い鼻当てのない
一山式といわれるメガネをハンドメイドで作り続けている。
眼鏡という分野が
いかに俳優やスターから影響を受けやすい分野であるか?
洋服以上のものがあるかもしれない。
しかし、長嶋さんは今の眼鏡界を
「これからは難しい、個性化の時代になった」という。

昔は一人の職人が作っていた物を、現在では分業で、
五人もの技術者がパーツを組み立てるようなメガネが
多くなってしまったのだ。

また、豪華な彫金もののようなものがもてはやされている。
しかし、それも違うような気がする・・というわけである。
長嶋さんは「今はお洒落なメガネがない」という。
「個性派のメガネ」は
「昔のメガネにいきつく」というのだ。
さて?
昔の眼鏡、個性派の眼鏡とはなんだろう?
それはジョンのメガネコレクションの数々を見ていると、
おのずとわかるような気がしてくるのではないだろうか?

「個性派の眼鏡」とは、長嶋さんからは、
一口に教えてもらえなかったが、
推測すれば「シンプル」であると同時に
「凝っている」そして「一人が集中して作った職人芸」
ということになるのではないかと思う。
シンプルなセルロイド眼鏡、
ジョンの心をとらえたその上品な色合いと形は、
古い眼鏡から、
我々にはにわかには判断できないスピードで、
すこしずつ前進していった職人の魂があるような気がする。
静かに本八幡で、大好きな眼鏡を並べている長嶋さんは、
流行を吟味しながら、数mmの設計の違いが
顔貌に及ぼす影響を注視しながら仕事をし続ける。
モノから作り出される人間関係や体系には
モノの特徴が反映される。
形の好みは流行のアタックで大きく変化するが、
技術は不動だ。
それがわずか数センチ四方の空間で
熾烈なバトルを繰り広げる。

「ユニオンメガネ」のように
限りなく濃い業界の血を今に伝える眼鏡店の雰囲気は
実はタイムマシンに似たところがある。
興味があったら、
そっとその端正な空間に触れてみるといいかも。
本八幡にくることがあったら、
是非長嶋さんを訊ねてみてください。
「ほぼ日のサエキのページ」で読んだよ!と付け加えてね!


ユニオン眼鏡店とオヤジ

■ユニオンメガネ 営業案内  ■
 営業時間:10:00〜8:00
 定休日 :(第1・第3水曜日休)
 住所  :千葉県市川市八幡2-4-1氏家ビル1F
 電話  :047-336-0878


イベントのお知らせ!

サエキけんぞうのコアトー65回
「史上最大のポエトリーサミット2」
11月30日金曜日 午後7時30分よりオールナイト!
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去年は数千円儲かった人がいました(笑)

作詞家の松井五郎さんの出演が決定いたしました!

【出演】白石かずこ、三代目魚武、佐藤奈々子、
さいとういんこ、田中庸介+あなんじゅぱす、尾上文、
こなかりゆ、HEAVY-KO 、彪メン、ATOM、
DJ・福田タケシ そして:サエキけんぞう
at 新宿ロフトプラスワン
新宿歌舞伎町1-14-7林ビルB2F
(コマ劇場前のサンクス右隣)TEL3205-6864 FAX3205-6874

2001-11-09-FRI

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