MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行47回
ロフトプラスワンと僕


いよいよ熱くなってきましたね。
昨日おととい(7月3、4日)は東京23区のある区で
ヒョウが降ったといいますが(港区など)、
市川では降りませんでした。
ヒョウは、それだけですと氷の固まりなのだから、
夏に降るのは奇妙→天変地異
        →世紀末
        →カエルや牛も降りそう
        →キリストの再来……
などと考えが進みそうですが、
実際は激しい気圧変化と温度差が起きるときに
やってくるのでしょうね。
割と夏場には良く降るのですが、
今回みんなが口をそろえていったのが
「都心部は空気が汚いから・・」というもの。
ヒョウのような結晶物は
核となる個体物質(汚染物質など)があると
凝集しやすいからというわけですが、
いやあ、都会も汚くしてると頭上から
「オシオキ〜」というわけでしょうかね?

さて、7月1日土曜日は、
僕が「サエキけんぞうのコアトーク」というイベントを
やっている新宿ロフトプラスワン
http://www.loft-prj.co.jp/)の
5周年記念パーティに出演してきました。
トーク専門のライブハウスとして無謀に開店。
ついに5周年になったわけです。
僕は開店当初、その広告を「ガロ」で読み、
面白そうだな? と直接コンタクトをとって
イベントを始めました。
トークこそは今求められている媒体と思ったからです。
日常、コミュニケーションが足りない、足りない。
音楽よりも足りない、と思ったほどです。
そのころのロフトプラスワンは
新宿は厚生年金会館の先の
富久町というところにあり、
ステージが見えない客もたくさんでるような、
今より狭かった場所だったですが、独特の雰囲気があり、
しゃべってるとなんともいえない親近感が
客に対して沸いてくる不思議な店でした。
第1回めは「モンドって何?」というタイトルで、
このたび細野晴臣ボックスを編集して、
はっぴいえんど・YMOファンからは絶賛された、
元ワールドスタンダードの鈴木惣一郎氏がゲストでした。
そのときの思い出は当時電話友人であった故ねこじるさん
http://www.yamato.or.jp/goods/index.html)が
来ていてくれたことです。
ねこじるさんはなんとメモとオミヤゲを残し、
僕に声をかけずに帰ってしまっていたのです。
また、会えるさ、と思い、気楽にかまえていました。
その後何度か、電話では話したのですが、
そのたびに「飲みに行こうよ」などと話しましたが、
気が付いたらねこじるさんはこの世の人では
なくなってしまったのです・・・。
ねこじるさんは大変にシャイな方で、
滅多に人と会わなかったらしいのです。
どんなにくやしくても、
もう彼女と会うことはできません・・・・・。
どんなに悔やんだことでしょう。
人とは思いついたときに絶対会っておくべきですね。
僕の机の上には、彼女からの手紙が貼ってありますが、
一生貼り続けようと思うくらい心残りなのでした。
でも、彼女のダンナさんである
同じく漫画家山野一さんが、
ねこじるyとしてねこじるさんが乗り移ったように
ねこじるワールドを変わらず書き続けています。
また、彼女の死後、その功績を讃えるかのように
「ねこじる」は急にメジャーにもなりました。
あらためて冥福をお祈りします。

その後も、「サエキけんぞうのコアトーク」は
みうらじゅんさんを招いて「ディラン特集」を行ったり、
萩原健太氏を招いて「徹底討論ジョン&ポール」と題し、
ジョン派とポール派に分かれる
ビートルズの大討論会を開くなどし、
いよいよ今回で56回を迎えることになりました。
最初はお歴々のイベントの中でシコシコやっていた
コアトークでしたが、月1回という登場数を律儀に守った
(守りすぎた)ため、なんとロフトプラスワン中の
イベントで第1位の回数になってしまったのです!
(はっきりいって複雑な心境)
2位は7月1日の5周年記念イベントで
対談をさせていただいた唐沢俊一さん(現48回)。
僕の大好きな「トンデモ本の世界」のメンバーでもある
彼のイベントこそロフトプラスワンの中心的存在
(先日のロリコン特集にも、ものすごい人数が
集まったそうです)であるわけです。

僕のコアトークは、僕が知りたいと思った音楽ジャンル
〜例えば「モッズ」「テクノ歌謡」「ドラムンベース」〜
などを気まぐれに織り交ぜていくため、はっきりいって、
通常音楽好きもついていけない瞬間があるというか、
音楽に限っては、ジャンルを絞らないと
普通はイベントとしては固定化していかないそうです。
テクノイベント・レインボウ2000にも
大きな影響を与えている“元祖野外バンド”
「グレートフルデッド特集」の時は
専門家の室矢憲治氏を招き、
とてつもなく内容の濃いイベントになったにもかかわらず、
参加者は14、5名。僕が知らなくて興味があるジャンルで
あればあるほど、人が来にくいという状況があります。
(考えてみれば当たり前か)

そうはいっても、好きな事をやるのがポリシーなので
どんなに人がこようが、こまいが、
マイペースで続けていきたいと思いますが(笑)。
そんなロフトプラスワンが、
ちょっと奥座敷的な印象の富久町から
新宿の歌舞町に移って2年。
会場は1.5倍以上の大きさで、お客さんが見やすくなり、
機材等も揃いました。
ただ歩いているだけなら、現在の歌舞伎町は
信じられないほど安全な町です。
むしろ、政治家の奥さんなどが通り魔された
通常の住宅街の方が、変なムードあるかもしれません。
というのは誇張ではなく、呼び込みのオジサンなどに
お店の場所を聞くなど話しかけてみればわかるのですが
彼らはとんでもなく親切で、ちゃんと目的の場所を
わかる限り(たいていは知っている)教えてくれます。
他の町で聞いても、なかなかそうはならないことは
みなさんご存じですよね。
もちろん今の歌舞伎町にも危険な区域や、
キャッチバーはたくさんあるでしょうが、
それもある秩序の上で共存しているのです。
美味しいお店(中華屋、韓国料理、ウナギ屋など)も
朝までやっており、今度マップでも作成しましょうか?

さて、次回のサエキけんぞうのコアトークは
来る7月25日(火)に
「史上最大のポエトリーサミット」と題して、
現在勃興中のムーブメント、
ポエトリーリーディング関連についての
現在行われている中で、最大の内容のイベントを
催したいと思っております。
僕、サエキ自身も先日デトロイトで、
本格的なポエトリーカフェに行き、
黒人100%の参加者のカフェで、
日本では知られていない、ヒップホップにも通じる
ポエトリーの持つ新しい可能性に触れてきたところです。
それは言葉が理解できなくても感激的な現場です。

ポエトリーリーディングには現在日本で発せられている
様式以上のエンターテインメント性が潜んでおり、
今はみんなで集まってそれを探れる、
進取の時期である楽しさがあります。
ホストは、自らもリーディングオムニバスCDを
リリースしている東雄一郎君で、
彼はミュージックマガジン誌において、
ポエトリー・リーディングの現状について
ここ3ヶ月に渡って、
長文のレポートを発表してきております。
また、イベントの直前にはここ半年で2回目の
米国取材を敢行する予定、という熱意ぶりです。

彼に、そうした状況報告を聞きながら、
ポエトリーリーディングの専門家だけでなく、
プロとして言葉を扱っていらっしゃるゲストを
お招きしようということになりました。
あがた森魚さん、白井良明+さいとういんこ(ギタポエラ)、
ボーイ・ミーツ・ガール(尾上文)、枡野浩一、園田恵子、
田中庸介、三代目魚武、和久井光司、室矢憲治、
と詩にとらわれない多彩な面々で、
オールナイトで御送りしようと計画しております。

そこで、このほぼ日を読んでいる人たちでも、
「詩を朗読したい!」という人、気鋭の新人たちには
「オープンマイク」の場を用意します。
リーディングの時間は約1分30秒程度で、
短くする予定ですが、
なるべく、たくさんの方に出演していただき、
場を盛り上げたいと思ってのことです。
その部分も色々趣向を凝らそうと思ってますので
ご期待下さい。ですので、
是非ともご参加を御検討願えないでしょうか?
(オープンマイクは夜中過ぎになる予定です)

日時:7月25日火曜日
   午後7時30分より翌朝4時ごろまで
at 新宿ロフトプラスワン新宿歌舞伎町1-14-7林ビルB2F
(コマ劇場前のサンクス右隣)
TEL3205-6864 FAX3205-6874

どうかふるってご参加ください!

2000-07-07-FRI

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