MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

第3回
「百円ショップへGO」

百円ショップ、その低級な響きにケゲンな表情をするのは、
僕も例外でなかった。普通の反応だと思う。
し・い・い・か・し、前回の[電気カミソリ刃洗浄剤]で、
その百円ショップのパワーに引かれた僕は、
更なる探検を試みたのである。

そこで発見したものは、期待を
うわまわる収穫物の数々であった。
わかりやすいブツからいこう。
まずビニ傘。
これはだれもが、納得の一品。さすがに100円はヤスイ!
しかし、普通のビニ傘とちょっと違い、
柄が丸く、ゴテっとした変なデザインだが、
持っててカッコ悪いというほどの品物ではない。
事務所などの置き傘にど〜〜〜だろう。
10本買っても1050円である。
そして、ビニガッパ。
これもスゴイ。ここで100個ほど買い占めておいて、
雨の日比谷野外音楽堂で売れば、
1個500円で売れるから、4万円のもうけである。
品物は通常品と遜色なし。
ちなみに傘は人気商品で、しばらくしたら売り切れた。

はネットワークがあったり、
また、地域によって流通に特色があるので、
けっこう品ぞろえに差があると思うが、
総武線市川近辺のショップに共通しておいてあって
役にたつのは、ミニオーディオ製品用のソフトケース。
これは、ウォークマンなどを入れるための
ソフトケースなのだが、
買った製品に付属してくるポーチなどよりも弾力があって、
機器を保護するようにできているスグレもの。
電気屋にはあまり置いてないし、置いてあったとしても、
100円ショップのほうが値段がはるかに安いはず。

*****

キャラクター商品では、なぜか、
キティやディズニーのライセンス品も堂々とおいてある。
さすがにこれらは激安とはいかないが、
そこそこガキをだますには十分、安い。
そして、ハウスの練り辛子、
わさびといったチューブ食品もなぜか、ある。
東京のある区のショップには
なんと野菜が登場したらしい。
百円ショップで野菜とはちと気持ち悪いが、
産地との直結企画を謳い文句に、差別化を試み、
好評らしい。

「マスマスレモン」のようなインチキ品もなきゃあ!
とおっしゃる、往年の激安ショップファンには、
あります、あります、
「アロンアルファ」の類似品、「ツリノンアルファ」だ!
なぜ「ツリノン」?? どういう意味? と思うが不明。
ちゃんとゼリー状も用意されている。その一方で、
セロテープは薄手のシナシナ感が出てる
B級品だったりする。

このように百円ショップは、
とにかく「百円」という切り口で
どんなものでも置いてしまう、オモシロコンセプトなのだ。
これは、普通の社会では、物の「種類」や「分類」で
店や売り場が決まるという当たり前の世の習いを
90度くつがえした、全く異次元のショップなのである。
野菜の隣にセメダインがあってもいいじゃないか?
ただしルールは100円だ!

コンビニの登場により、
ますます大手資本の寡占状態となった「物流」に、
水木しげるの妖怪よろしく、
怪しげに無鉄砲な抵抗を試みる[百円ショップ]。
ルートは持たないが、アイデアだけはある!
という零細企業のおやじの心意気が伝わる品が
増えてきているのが現状である。
21世紀にはますます飛躍せざるを得ないはずだ。

ちなみに、今のところ一番気に入ってる買い物は、
タコトンカチ。
いわゆる「いいかげんにしなさい!ピン!」トンカチだが、
ハンマー部が赤いクレクレタコラ状になっており、
タコの頭がへこんで「チュウ」と音がする優れ物。
(図参照)

1998-08-22-SAT

BACK
戻る