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虚実1:99
総武線猿紀行

第2回
「百円ショップへGO」

みなさん、「百円ショップ」なるものは御存じですか?
「知ってるよ、あのどうでもいいようなものが
たくさん安っぽく売ってる店だろう」
と答えるに違いありません。
僕もそう思っていました。
しかし、百円ショップは、総武線本八幡駅そばに三軒、
市川駅そばに一軒と身の周りに異常に増殖を始め、
ついに身の周りの人が凝り出してしまったのです。
「面白いよ、早くいきなよ」と彼はいうのです。

昔、早川義夫の「僕は本屋のおやじさん」
(でしたっけ?)で一番記憶に残ってるのは、
奥さんへの愚痴を書いた部分で、
「ママレモン」を買いに行っても、間違えて《安かった》と
「マスマスレモン」を買って来てしまうような女なのだ、
てな内容の事を書いてあったのがおかしかったのです。
そう、百円ショップこそ、
その「マスマスレモン」の固まりのような存在だと
普通は思いますよね。

しかし、この百円ショップ、あなどれないのですう。
僕が最初にここで買ったのが、「電気カミソリ洗浄剤」。
ワンパック3袋入りで、
入れ歯洗浄剤ポリデントのように、
お椀の容器にぬるま湯をいれて、
一袋をあけ、そこにカミソリ内刃、外刃を入れる。
すると、異常な泡がたってくるのです。
あまりにもその泡がスゴイため、
訳もなく「だまされたああ」と取り乱してしまうのですが、
一時間後、泡をぬぐってみると、あら、不思議、
買った当初のようなピカピカの刃が現れるでは
ありませんか。試しに剃ってみると、
これがほんとに替えたてのような切れ味。
そうなのです。
電気カミソリの切れ味は、刃が欠けるから悪くなるのでは
なく、刃に付着する粘液や、皮膚の老廃物により、
おちてくるのです。
この洗浄剤は、毎日のヒゲ剃りを五倍は快適にする、
超スグレものだったのです。
(第3回につづく)

1998-08-13-THU

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