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虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第281回
「こんにちわ! セブンティーズ」
〜サエキ70年代本出版!
 そこに書けなかったことなど‥‥その2

そうです。渋谷です。
久々の書き下ろし本
『さよなら! セブンティーズ』の中にも、
ムーンライダーズの前身、はちみつぱいを追って、
渋谷の道玄坂に一人で入り込んでいく第14章で、
渋谷について詳しく書いています。

都心のターミナル駅周辺で一番大きく変化したのは、
おそらく渋谷なのではないでしょうか?
渋谷の70年代初頭、それは下記特徴がありました。

1,渋谷は古着屋の街だった。

現在の109パート2を中心とした付近は、
古着屋で一杯でした。
冬はコートを中心とした
こんもり、ドンヨリとした店先の群また群。
そこで高校生の僕は、
74年頃汚い茶色のボア付コートを買った覚えがあります。
4000円。
今ならユニクロで新品がもっといいものが買えます。
物価は、JRが初乗り30円でしたから、
おそらくラーメンも80〜100円ぐらいだったと思います。
つまり、そのキチャない古着コートが
今の1万2千円はしたわけで、
全くもって洋服は高かったのであります。

2,渋谷はラブホテルの街だった。

ホテル街は、いたるところにあった、というより、
街がホテル街という内臓の表面に張り付いていた、
というのが渋谷でした。
まず、道玄坂右奧、円山町で、
これは現在と変わりませんが、
そこから現在のスペイン坂、
NHKの手前の辺までホテルが点々としてあります。
現在シネマライズの土地は、
83,4年まで有名なラブホでした。
パルコが2軒もできると、
さすがに営業しにくくなったようで、
おなじみのの駐車場の緑のジャバラを
ふざけて突入する若者集団が後をたたず、
閉店に追い込まれてしました。
また、公園通りをはさんで12ヶ月ビルのある辺も、
10年ぐらい前まではラブホ街でした。
10年前でも7軒ぐらいありましたから、
最盛時は10軒以上あったのでは?
また、現在、ロッキンオン社のあるビルや
セルリアン・タワーのある渋谷南口、
桜ヶ丘のへんもラブホテルがたくさんありました。
桜ヶ丘入り口といえば、
松本隆さんがはっぴいえんどの
「風をあつめて」を書いたといわれる有名喫茶
「マックスロード」がありました。
ここは最近閉店し、某チェーンカフェになってしまい、
本当にガックリきたものです。
その向かい2階にあった、
異国情趣あふれるロシア料理店
「ロゴスキー」(かな?)も数年前に消えました。
東急文化会館=五島プラネタリウムも消え、
ここ数年、渋谷の名所は、必要以上に消滅しています。

3,渋谷は同伴喫茶の街だった。

同伴喫茶、みなさん、ご存じですか?
二人だけで入る喫茶。手をつないで入る喫茶。
もちろん目的はただひとつ。
ヤラしいですね! いかがわしいですね!
そんな喫茶店がどうして発生したのでしょう?
その起源はわかりませんが、
とにかくセンター街は同伴喫茶の道でした。
現在のHMV、ファーストキッチンの辺を中心に、
純喫茶の3、4階が同伴専門になっていたりしました。
最盛期は、全部で10軒以上はあったでしょうか?
中は子供だったので、
ほとんどいったことはありませんが
(笑、1980年になる寸前に一度いった)
たいていの構造は、長めのベンチシートが
縦に並んでいたらしい。昔の列車のようで、
シートが横に長くなったような構造だったようです。
部屋にくぎられていた場合もあるようです。
詩人金子光晴さんは、渋谷の同伴喫茶の愛用者で、
晩年も、渋谷を愛人と歩いていて、
息子さんが元気になると、
急いで同伴喫茶に入ったとどこかに書いてありました。
しかし、お耳が遠く、声が大きいので、
ベンチシートの上から
「あん?? なに??」とか声が響き渡り、
愛人の方はたいそう恥ずかしかったということです。
このように、簡易的なセクシュアルルームが
渋谷には軒を連ねていたわけですが、
客層はあらためてどんな分布だったのか、
気になりますね?
学生だったのでしょうか?
それとも社会人のカップルだったのでしょうか?
綺麗なビル群が立ち、清潔になった渋谷を歩き、
こうした、隠微な昔の風景と重ね合わせると、
やっぱり、日本人のリビドー、
どうも落ちているような気がします。
73年の渋谷道玄坂に、はちみつぱいなどの
カリスマミュージシャンを訪ねた中学生、
サエキ少年のセツなくも果敢な行動結果については、
『さよなら! セブンティーズ』をご参照ください!
(この項続く)

『さよなら! セブンティーズ』
出版とイベントのおしらせ




久しぶりの書き下ろしエッセイ
『さよなら! セブンティーズ』が
2月28日にクリタ舎という会社から出版されます。
禁断の70年代の記憶お蔵だしで、
大滝詠一さん、YMO、ミカバンドなど、
小学生から高校生時代などに見たライブや、
ハルメンズの前身=少年ホームランズの
生まれる背景まで、また、その頃の日本について、
細かく語りこんだ文章です。
自分としてはかなり思い切った決断であり、
追憶の辺縁をハジキ出す作業でもありました。
おかげさまでゲラの段階では、好評いただいております。
(レコードコレクターズでは
 安田謙一さんにレビューをいただくことになりました。)
で、出版記念サイン会があります。
買っていただいた方に、
サインと、オマケを差し上げます。
東京では買っていただいた方に、
解説を書いていただいた、詩人福間健二さんとの
トークショウ! を見ていただけます。

■出版記念サイン会&トークショウ!
【東京】
日時:2007年3月3日(土)17時〜
会場:青山ブックセンター HMV渋谷店
出演:サエキけんぞう / 福間健二
問合せ:青山ブックセンターHMV渋谷店 
TEL:03-5428-1775
http://www.aoyamabc.co.jp/45/45230/

【名古屋】
日時:2007年3月4日(日)14時〜
会場:星野書店 近鉄パッセ店
出演:サエキけんぞう
問合せ:星野書店近鉄パッセ店
TEL:052-581-4796
名古屋市中村区名駅1-2-2 近鉄パッセ8F
http://www.rakuten.ne.jp/gold/hoshinobk/sub2.htm

■『さよなら! セブンティーズ』サエキけんぞう
2007年2月28日第一刷発行
定価/1470円(本体1400円+消費税)
体裁/四六判変型並製 224ページ
発 行 クリタ舎
発 売 株式会社ごま書房 
ISBN978-4-341-13132-6
パール兄弟の春の東名阪ライブツアー

今回初披露の新曲、
2003年のアルバム「宇宙旅行」から
バカボン鈴木のヘブン17ばりのベースが光る
「恋の工事現場」、
「サニーサイドにようこそ!」から「陽炎列車」、
そして、パール兄弟名義の新譜
「ダークサイドにようこそ」からなど、
昨年のライブとはかなり違った構成となります。
また、サエキが詞を提供している、
カワイイ女性ボーカルのニューウェイブバンド
「ぶどう÷グレープ」が対バンドを務めます。
ぜひ、いらっしゃってください!

☆パール兄弟ライブツアー☆
『パールとふぞろいな果実達』

★東 京★
【公演日】2007年3月2日(金)
【タイトル】〜CHELSEA HOTEL 4th Anniversary〜
「パールとふぞろいな果実達」
【会 場】チェルシーホテル(渋谷)
東急ハンズのNHK側、道を挟んで向かい。
地下。元CISCOのあったビル。
【出 演】
☆パール兄弟
(サエキけんぞうVo / 窪田晴男G / バカボン鈴木B
 / 松本圭司Key / 宮川剛Ds)
☆ぶどう÷グレープ
☆DJ:ELEKTEL
【時 間】18:00 OPEN /19:00 START
【料 金】ADV 3,000円 (drink別)
/ DOOR 3,500円 (drink別)
【発売日】2007年1月6日(土)発売
☆ローソン 0570-000-777 / Lコード:38791
 (予約0570-084-003) 
☆チェルシーホテル 東京都渋谷区宇田川町4−7−B1
 TEL: 03-3770-1567
 http://www.chelseahotel.jp/top.htm

★大 阪★
【公演日】2007年3月9日(金)
【タイトル】「パールとふぞろいな果実達」
【会 場】ファンダンゴ(大阪・十三)
【出 演】
☆パール兄弟 (サエキけんぞうVo / 窪田晴男G
 / バカボン鈴木B / 宮川剛Ds)
☆ミンカパノピカ
☆ぶどう÷グレープ
【時 間】18:00 OPEN /19:00 START
【料 金】ADV 2,500円 (drink別) / DOOR 3,000円 (drink別)
【発売日】2007年1月10日(水)発売
☆チケットぴあ 0570-02-9999  / Pコード:250-098
 (予約0570-02-9966)
☆ローソン 0570-000-777 / Lコード:51312
 (予約0570-084-003)
☆ファンダンゴ 大阪市淀川区十三本町1-17-27
 TEL: 06-6308-1621
 http://www.fandango-go.com/jp/jindex.htm

★名古屋★
【公演日】2007年3月10日(土)
【タイトル】「パールとふぞろいな果実達」
【会 場】ハートランドスタジオ (名古屋・伏見)  
【出 演】
☆パール兄弟 (サエキけんぞうVo / 窪田晴男G
 / バカボン鈴木B / 宮川剛Ds)
☆ぶどう÷グレープ
☆DJ:IINO
【時 間】18:00 OPEN /19:00 START
【料 金】 ADV 3,000円 (drink別)
 / DOOR 3,300円 (drink別)
【発売日】 2007年1月6日(土)
☆チケットぴあ 0570-02-9999 / Pコード:249-620 
 (予約0570-02-9966)
☆ハートランドスタジオ 名古屋市中区栄1-4-33
 TEL :052-202-1351
 http://www.heartlandstudio.co.jp/

詳しくは、サエキけんぞうHP で御覧頂けます!
http://www.saekingdom.com
サエキけんぞうの公式ホームページ

http://www.saekingdom.com/

トラックバックとか、コメントとか入れてくれんかいのう。
ビデオクリップ「陽の当たる月曜日」が見られます!
しかも、もうすぐ新作クリップ開始!
その曲も入ったサエキのフランス盤
「カマンベール&スシ」(2枚組)の通信販売もやってます!

サエキさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「サエキさんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2007-02-23-FRI
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