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『ほぼ日公式ラーメン・サルのおせっかい』
本格発売!

コンビニで買えるようになります!

あれから1年間、なにをしていたのか?

ほぼにちわ。
ラーメン部、AOR西本です。
いよいよ明日6月17日より
日本全国のセブンイレブンで
「ほぼ日公式ラーメン・サルのおせっかい」
発売です。

とうとう前日になったんですねぇ。
(翌18日から発売の店舗もあります。)

発売を控え、
どうやらセブンイレブンのお店でも
「サルのおせっかい」の噂で盛り上っているらしいのです!
今日はそんなメールをまず紹介しますね。

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初めまして。
私は、セブンイレブンで働いているものです。
セブンイレブンのコンピュータで
このカップラーメンの情報を見て、
こちらのホームページに遊びにきました。
(糸井さんのメッセージも見ましたよ。)
私たちアルバイトの間では、
結構な話題になっています。このカップラーメン。
「サルだよ、サルだよ、スッパイスだよ!!?」と。
うちのセブンイレブンでは
17日の夜の入荷予定なのですが、
今から楽しみ・・・
・・・・そして大変。
どれ位とろうか?何処に置こうか?
10箱とります?レジのまん前の棚にどーんと並べる?
と、話題の商品が来る前はあれよあれよの大忙しです。
(それが楽しいのですが・・・・。)
『さるのおせっかい』ラーメンは、
セブン本部の方でも
かなり気合を入れて取り組んでいるようなので、
売る側としても負けずに
がんがん売っていきたいと思っています。
なによりこのサル、可愛いですし。
そして『こんがりガーリックしょうゆ味』というのは
とても惹かれます。
17日のお夜食は『さるのおせっかい』で決まりっっ!!
(奈緒さん)

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お店のほうでも「サルのおせっかい」が
話題になっているのがうれしいですねぇ!
発売日当日は「明るいビル」周辺のセブンイレブンに、
「市場調査」におもむく予定のラーメン部ですが、
これを読んでいる方も、ぜひ、
お近くのセブンイレブンに見学に行ってくださいね。
見学より、買ってくれたほうがいいかもしれませんが。
なにせ、ネット上でなく、リアルな店舗に、
「ほぼ日」のおサルがいるんですからねぇ。
また、お近くにセブンイレブンがない方は、
日清e-めんショップでご購入できます。
(1ケース20食入、3,300円[消費税込]です)
日清e-めんショップ http://shop.nissinfoods.co.jp/


さて、前回お伝えした
買って食べてくださった方に回答してもらったアンケートで
「今後の研究課題」として残った3つのポイント

・さらなる香ばしさの追求
 (香ばしさが、はっきり表現されていない?)
・スッパイスの粉末から液体への移行
 (おせっかいぶくろの中身は、液体のほうが?)
・具材としてのガーリックの改良
 (もっとわかりやすい、ガーリックの使い方を?)

これらの課題を研究所に持ちかえった
日清食品開発担当の小山さんによる
さらなる味の研究は、すぐさま次の段階に入ったのでした。
その開始が2002年の5月上旬でしたから
それから1年以上の歳月が経過しているんですよねぇ。
この間、「ほぼ日」と日清食品さんの間では
毎月、進みぐあいの情報をキャッチボールしていました。
改良されてくる試食サンプルを食べては、話し合い、
次の改良点を見つけていくということを
繰り返していたのでした。

では、これまで企業秘密でお伝えできなかった
改良、さらに進化させたポイントについて、
インスタントラーメン開発の
「ほぼ日」乗組員にとって先生にあたる
小山さんに改めてお聞きしました。


日清食品開発担当小山さん

まずは「ガーリックの改良」と
「液体スッパイス」から
取り組みはじめました。

ほぼ日:
  宿題になっていた3つのポイントのうち、
  まずはどこから手をつけていったのですか?

小山さん:
  まずは「こんがりガーリック」と
  「スッパイス」の2点からでした。

  前回販売した「サルのおせっかい」には
  ガーリックミンスという
  ニンニクを小さく刻んだものを入れてました。
  お客さまからのアンケートにも出ていたんですが
  これだとガーリックが小さいので
   カップの底にたまっちゃうんですね。

   食べ始めた時にガーリックの味がしないとか
   こんがりガーリックなんだけども
   最後の最後にまとめてスープとともに
   まとめてガーリックが口の中に入ってくるということ、

   この問題を解決しようかなと思ったのが
   次のスタートだったんです。

   もう一つがスッパイスを液体にするということですね。
   インスタントラーメンは、
   5ヶ月間、常温保存が基本ですから
   5ヶ月間、常温保存が出来る
   レモン果汁入りの液体スッパイスの開発が必要です。


   まずはこの2点から取り組み始めました。

   液体のスッパイスを実現するためには
   大前提としてインスタントラーメンの基本としてある

   ・常温で5ヶ月間保存ができなければ
    ならないということ。
   ・合成保存料を入れたら
    ダメだということ。


   これらをクリアしなければならない。
   そこで、液体のレモン果汁に糖分を加えることに
   よって保存性を高めようとしたわけです。
   ところが、糖分を加えたことによって
   スープ全体が甘くなってしまい
   味のバランスが崩れてしまったのです。
   このような事情から、
   今回も粉末のスッパイスでいくことにしました。
   幸い、今回の粉末のスッパイスは、
   モニターの方々に食べていただいて、
   「これで、満足」と言っていただけたので、
   よかったです。

   そしてガーリックの問題ですね。
   これが、大変だったんですよ。

   まず、ガーリックは
   ニンニクを刻んだガーリックミンスをやめて
   ニンニクをスライスした
   ガーリックチップにしました。

   ガーリックチップだったら
   面積も大きいですから
   カップにお湯をいれてかき混ぜても
   ガーリックが底に沈むことがない。
   麺と一緒に食べても
   ガーリックをローストした感じも一緒に口の中に入って、
   うま味もでるのではないかと。

   そう、考えたんです。

   ところがガーリックのチップをローストするという
   やり方は、これが非常に難しいのです。
   いろんな方法を試してみたんですが
   しっかりとローストができていない
   ガーリックチップを湯戻しすると
   どちらかというと生っぽくなるんです。
   例えるならば大根のようになる。


   ガーリックミンスのように小さいものと違って
   大きな面積の大きいガーリックチップは
   ちょっと揚げすぎると
   ニンニクの成分には焦げやすい部分があって
   苦くなってしまうんです。
   ある意味では、酒のつまみ的な
   「おつ」な味になるにはなるんですけど。
   あんまり苦くなると
   「なんだ、この苦いラーメンは!」っとなってしまう。
   逆に苦くなるのを避けるために
   揚げる温度を落とすと大根みたいになるんです。
   この揚げる温度の加減が微妙なんです。

   さらに、今回のガーリックチップは
   おしょうゆで味付けしながら揚げています。
   おしょうゆが焦げた部分もついているんで
   ある程度の焦げ方で
   ガーリックのロースト感が強くなったんです。


   この時の課題というのが

   ・しょうゆの焦げすぎと、
    ガーリックの苦すぎがないような、
    揚げ方の絶妙のバランスを実現する。

   ・工場で大量生産して
    多少の味のばらつきが出たとしても
    製品ごとに必ず「うまい」と
    感じられるものにする。


   と、いうことだったんです。

   これがなかなかできなかったんですよ。
   手作業でやることは出来るんですが
   大量生産では無理だと言われていたんです。

   今回販売するのは大量生産を目的にしてますから
   手作業と同じように工場でも生産が出来ることが
   必須条件であったわけです。


   ここで断念するわけにはいかないですから
   さらに研究をすすめました。

   あきらめずに研究を重ねた結果、
   焦げて苦くなるのでもなく、
   大根のような生っぽさも出さずに
   なるべく均等にロースト感をだしながら
   揚げる方法が見つかったんですよ。
   この時はうれしかったですねえ。

   この方法が見つかったのが夏過ぎくらいでしたから
   ここまで来るのに、
   半年近くかかっていますねぇ(しみじみ)。


香ばしさの追求

ほぼ日:
  
「こんがりガーリック」の形が見えてから
  それ以降に行われた試食では
  回数を重ねる度に味のグレードが
  あがっていきましたが?

小山さん:
  「こんがりガーリック」の開発に
   非常に手間どってしまいましたが
   そのままだとちょっと特殊な味だったんですよ。
   それは「こんがりガーリック」が出来たことが
   うれしくて、
   かなり多めに入れたせいなんですけど(笑)。

   これで、「こんがり感」は出せたけど、
   そのままだと、ちょっと臭いと。
   そのあたりのバランスをとる作業に入っていったんです。


   それからは具材と「香ばしさ」の追求です。
   さらに香ばしさを演出するために
   今回の「サルのおせっかい」に入れた具材は
   ローストオニオンと焦がしネギの二つです。
   この具材にはラーメンらしい
   ローストの香りを求めました。

   一時期、ローストオニオンを
   多くして試食した時期もありましたけど、
   当時、糸井さんも指摘されてましたが
   ちょっと甘くなりすぎたんです。

   ラーメンの定番の香ばしさを出すために
   甘い方向のローストオニオンに加えて
   若干、苦み走った香りを演出するために
   焦がしネギを入れてます。
   この焦がしネギが加わったおかげで
   「オツ」な味に仕上がりました。


   他にも「香ばしさ」を出すために
   「かき餅」みたいなものを入れてみようと、
   トライしたこともあったんですけど
   これはどうにもうまくいかなかったんです。

   「こんがりガーリックしょうゆ味」を表現するために
   今回の「サルのおせっかい」に入っている
   ニンニクの総量は3.5倍になってます。

   ガーリックチップにしょうゆをつけて
   ローストガーリックに仕上げているんで
   「ニンニク臭さ」自体は今回の方が少ないんですよ。
   ガーリックミンスの方がガーリックチップより臭いんです。
   ガーリックミンスを入れるのを
   やめようとした時期もあったのですが、
   最終的には雰囲気を出すために多少いれました。

   こうして、フライドガーリックチップ、
   ガーリックミンス、フライドオニオンと
   焦がしネギ
という4つの具材と
   そもそも麺自体も香ばしく揚がっているんで
   これらを絡み合わせることによって
   「香ばしさ」の表現を強く出すことができたと思います。


具材は10種類も入ってます!

ほぼ日:
  前回の「サルのおせっかい」の具材は
  ・チンゲンサイ
  ・煮豚
  ・焦がしネギ
  ・青ネギ
  ・ローストガーリック
  ・たまご
  ・おさるのなると

  の7種類でしたが
  今回発売されるものは10種類に増えてますね。
  具材の数も非常に多いと思うんですけど。

小山さん:
  縦型カップに入っている具材の平均は
   5〜6種類です。
   前回のものでも平均からすると多い方だったんですが
   今回の「サルのおせっかい」には
   10種類の具材が入ってます。
   ・おさるのなると
   ・フライドガーリックチップ
   ・フライドガーリックミンス
   ・煮豚
   ・ローストオニオン
   ・コーン
   ・レッドベルペッパー(赤ピーマン)
   ・チンゲンサイ
   ・ネギ(青ネギ)
   ・焦がしネギ

   これは全部、必然性があるから入れているんです。
   まず「ほぼ日」公式ラーメンですから
   「おさるのなると」は必須ですよね。
   香ばしさを演出する
   フライドガーリックチップ
   フライドガーリックミンス
   ローストオニオン
   焦がしネギの4つも欠かせません。
   ラーメンの構成要素に「肉」は不可欠ですから
   ここにあたるものとしては「煮豚」をいれてます。
   さらに見た目も楽しくないといけないですから
   色みとして「赤」「青」「黄」を意識した
   具材を追加しています。

   赤はレッドベルペッパー(赤ピーマン)
   青は前回も評判が高かったチンゲンサイと
   定番として青ネギが入ってます。
   黄は前回はたまごでしたが
   今回はコーンを入れてます。

  今回の具材に入っているもののうち
  フライドガーリックチップ、
  煮豚、ローストオニオンは湯戻しせずに
  そのまま食べても美味しいですよ。

  そういえば、試食ミーティング中も
  みんなでフライドガーリックチップをぽりぽり
  食べてましたしね。
  これらの具材も含めて
  最終商品スペックが決まったのが
  今年の3月の中旬でしたね。
  前回の販売から1年が経過してました。



本来ならこの制作過程でのやりとりも
リアルタイムでお伝えしたかったのですが
情報が漏れるのを防ぐために
これまでお伝えすることができなかったのでした。
いよいよ発売は明日!
次は、セブンイレブンで販売できるまで
ということについてお伝えしますね。
それではっ!

(つづきます!)

2003-06-16-MON

BACk
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