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『ほぼ日公式ラーメン・サルのおせっかい』
本格発売!

コンビニで買えるようになります!

『ほぼ日公式ラーメン・
 サルのおせっかい』本格発売!
コンビニで買えるようになります!


ほぼにちわ。
ジェントル西本です。
今日は6月6日、ほぼ日創刊5周年記念日です。
「最良のふつう(BEST STANDARD)」を求めて。
というテーマで5月に発表された
ほぼ日5周年企画の最後に、
地味ながらもすごくもったいぶった、
こういう情報がありました。

「ほぼ日公式ラーメン・サルのおせっかい」が、
とうとう、一般発売できそうです。
これは日清食品とのコラボレーション企画ですので、
詳細は追ってお知らせしますが、
実現しますよ、ついに!
どうしたって、ひっちゃきになって
仕事せざるを得ないことが多いぼくらには、
3分でできるカップラーメンは助かります。
かつて、WEBのみで限定販売した
『サルのおせっかい』

さらに改良、もっとおいしくなって再登場します。


この発表の後、「ほぼ日」宛てには
「おおっ!待ってました」
「ホントに作ってたんですね!」
「今度は限定販売じゃないから
 私も手に入れることが出来るんですね」
『saru no osekkai mada?』とメールで催促してた
 オランダの親戚も喜んでます!」

などというメールが続々と届きました。

2002年3月にWEBのみで限定販売された
このラーメンのことを
こんなに多くのみなさんが待っていてくださった!
うれしいことこの上なしでした。

それでは、いよいよ、正式に発表します。
本当にお待たせいたしましたっ!

「ほぼ日公式ラーメン
 ・サルのおせっかい」
まる1年の改良期間を経て、
6月17日より、
全国のセブンイレブン店頭にて
一食158円(消費税抜き)で
発売いたします!

(註:セブンイレブンでの販売は、
   店舗によっては、18日からとなります。
   ご了承くださいませ。 )



おっと、ここで
「私の住んでいる近所には
 セブンイレブンがないのだ」

と、怒りの準備をした読者の方もおられるかもしれません。
そういう方、ご安心ください。

今回も日清食品e-めんShopにおいて
20食入り1ケース3,300円(消費税込み)で
インターネット通販として購入できます。

今回はこの「サルのおせっかい」の販売のために
日清e-めんShopでもアクセス集中に備えて
「サルのおせっかい」専用窓口を用意しました。
チケットぴあで言うところの「特電」扱いです。
万全の体制で一般販売に望みます。
杞憂かもしれませんが、万全の体制を組みました。

この企画を再開するにあたって
ミーティングを重ねている時、
「カップヌードルは、ナンバー1ブランドなんだけど、
 あれ、味の基本が『えび』なんだよ。
 ふつうは、『豚』『鶏』『ニボシ』でしょう。
 そういった意味ではカップラーメンにとっての
 一番オーソドックスな場所が
 すっぽり空いてたのかもしれない。
 この『ほぼ日公式ラーメン サルのおせっかい』が
 『ほぼ日』が提案する
 インスタントラーメンの
 『最良のふつう(BEST STANDARD)』なんだよ」

と、まじめな顔してdarlingが言ってました。
それは言える、と、なるほどでした。

この『ほぼ日公式ラーメン サルのおせっかい』を
一般販売するにあたって
darlingは以下のようなコメントを
ニュースリリースとして発表しました。

「一所懸命に仕事をしてきた人たちは、
 誰でも、振り返れば
 インスタントラーメンのお世話になってきた、
 という思いがあるのではないでしょうか。
 いまがんばっている人たちのほとんどは、
 時間か金か、どっちかが足りないわけですよね。
 そういう人たちにエールを送り、
 サポートするようなラーメンを
 つくりたいと考えていました。
 しかも、おいしくて新しいものでなくちゃ、と。
 まず、どたばた大忙しの自分たちが、
 ほしかったんです。
 できた! うれしい! です!」
 (糸井重里)


「ほぼ日」創刊の1998年6月6日、
darlingは「糸井重里の脱線WEB革命」
こんなことを書いてます。

 「働くのが流行っている」
 なんてったって、いまいちばん流行っているのは
 「働くこと」なんだと思う、と。


創刊した日に書いているくらいですから
「働く」ってことについて考えるのは、
「ほぼ日」の大きなテーマなんです。
働いている人たちのなかでも
とりわけ忙しい人に向けて作った
この「サルのおせっかい」というラーメンは
そもそもどのようなラーメンだったのか?

忘れてしまった方や
最近、「ほぼ日」読者になった方のためにも
ここで、もう一度おさらいをしておきましょう。

「サルのおせっかい」
前回販売までの道のり

2001年の4月に
「ほぼ日」の代表窓口メールアドレスでもある
postman@1101.com宛てに
日清食品の筒井之隆取締役広報部長(当時)から
「サイトラーメン共同開発のご提案」という
メールが届いたのがきっかけで
「ほぼ日で公式ラーメンを作る」という
プロジェクトが生まれました。
当時の筒井さんは日経流通新聞に掲載していた
darlingの対談記事を読んで「ほぼ日」を知り、
すぐにメールを送ってくださったのだそうです。
いまとなっては、その迅速な行動力には驚くばかりです。

(参考:第一回 直通ってすごいなぁ!

当たり前のような話ではありますが
どんなラーメンを「ほぼ日」は作るべきか?
ということから考え始めました。
当時、出たアイデアは、いま読み返すと、
見るも無残です。
・替え玉・一本うどん・カスタマイズラーメン
・どんぶり付きラーメン・デザートヌードル

素人以下のアイデアが満載です。
(参考:第三回 本当につくることの難しさ。

袋小路に入っていたスタッフ達を前にして、
darlingが、こんな話を思い出しました。
カメラマンの十文字美信さん
アシスタントからフリーとして独立する時に
インスタントラーメンを半年分買いだめして
『もう、食う心配はない。
 あとは写真のことを考えるだけだ』

仕事に打ち込んだというエピソード。
(のちに、十文字さんご本人から、
 「あれは、ラーメンじゃなくて焼きそばだった」と聞いた)

「ほぼ日」が作るラーメンは
いま、打ち込んでいる何かがある人、
いま頑張ってる人を応援する食べ物だ、
というコンセプトの原型が生まれたのでした。
(参考:第五回 ラーメンをdarling がヒイキする理由

次に取り組んだのが味の決定。
さまざまな味のインスタントラーメンが乱立する中、
「とにかく、定番になりうるような直球派で」
ということだけは決まっていた。
その意味でも、日本人の一番好きな味といわれる
「しょうゆ味」をベースにすることに。
さらにチキンラーメンやカップヌードルにも共通する
「香ばしさ」を追求して行こうということも。
「香ばしさ」を演出するために、さまざまな試作の結果、
ローストガーリックがキャスティングされたのでした。
ニンニクはスタミナの素でもあるし、
それこそ、がんばっている人のお役に立つ。
そして、「こんがりガーリックしょうゆ味」という
このラーメンの性格も決定したのでした。
(参考:第六回 香ばしいで行く。

さぁ、味は決まった。
「ほぼ日」を知らない人にも
このラーメンは買ってもらいたい。
そのためには「ただおいしいだけ」
「おさるがついているから」っていうのは
買う理由にはならない。
「こんがりガーリックしょうゆ味」のラーメンを
どんなかたちで販売すべきか?
というテーマで練りに練り上げた6つの企画をもとに、
日清食品とのミーティングがくりかえされました。
(参考:第八回 デザインが見えてきたぞ!

6つの企画のうちの中でも
【企画その4】にあたる

●食べるたびにマンガが増える。
「ほぼ日・日清食品共同開発
 コミック・ヌードル」


     

マンガ雑誌が、そのままお湯を注いだときの
「重し」になります。
マンガは、リバイバルでも、新人の作品でも可。
待ってる間に読んでもいいですが、
のびないように気をつけて。

という企画に至っては
いま、読み返すと、まともな大人の考えとは思えません。
「のびないように気をつけて」って・・・・!
そんなおバカな企画にまぎれていましたが、
本命として提案したのは、
ラーメンに気功の「気」を入れる
「気ラーメン」という企画で
すすむことになったのでした。
(参考:第九回 まったくなかったモノの強さ!

当時の企画書を掘り起こすと
このように書いてあります。

【企画 その6】

●信じようと、信じまいとも。
「ほぼ日・日清食品共同開発
 気の入った【気ラーメン】」


     

中国嵩山少林寺気功の
第三十四代継承者最高師範・秦西平先生が、
「ほぼ日」のおサルのかたちをしたナルトに、
外気功で気を入れます。
食べて、気が体内に満ちるという人も
いるでしょうし、
そんなものは気のせいだと言う人も
いることでしょう。
でも、一度は食べて試してみたい。
普通のインスタントラーメンを食べるのならば、
この「気ラーメン」を食べたほうがいい、
という人が増えて
積極的に選ばれるラーメンになれれば
素敵だと思います。


この企画を推し進めるにあたって
日清食品広報の松尾さんと一緒に気功教室に行って
実際にカップヌードルに
「気」を入れてもらってテストもしてみました。
当時のコンテンツでは掲載してないんですけど
カップヌードル全体に「気」がはいっちゃうと
なぜかカップヌードルの味が、どういうわけか
いつもの味より弱くなるんです。

これは「気」が、何らかの影響を
及ぼしているのでは? と判断した我々は
「おサルのなると」こと「サルと」だけに
「気」を入れれば、
全体の味に変化が無いという実験も
行っていたのでした。

そうやって進めていた「気ラーメン」企画は
発売直前に頓挫してしまいました。
(参考:第十回 気ラーメン座礁する!

この時ばかりは落ち込みましたが
普段、ラーメン屋でラーメンを食する時、
後半に酢を入れることが多いというdarlingによる
「ラーメンにレモン果汁を入れる」アイデアが
その危機を救いました。
な、なんと、レモンの酸味がスープのコクを
さらに引き立ててくれることが、
あらためてスタッフ一同を感動させました。
しかも、後味もさっぱりする!
ちょっとしたアジアンテイストも感じられるし。


「気ラーメン」のスープも確かにおいしかった!
 しかし、このスープは
 それよりも更においしいぐらいだ!」

 (当時のdarlingのコメント)

さらにおいしくなった上に
ビタミンCも入って健康にもいい。
『忙しくて食事の時間を十分にとれない人達を
 応援(サポート)するための食品』

というそもそものコンセプトを
さらに骨太にするこの商品は、ここで立ち上がったのです。

酸味の成分は、ふだん摂りにくいビタミンC。
ビタミンCを入れないで食べても文句なし。
香ばしい「こんがりガーリックしょうゆ味」のままでも
十分おいしいラーメンなんだけど、
酸味をつけたらもっとおいしいよ、と。
さらにビタミンCも摂れるんだよ、と、いうわけです。
ネーミングは、darlingの本職。
どこにもなかったけど、納得な名前が決定しました。

『サルのおせっかい』

「ほぼ日公式ラーメン」は、『サルのおせっかい』
として再出発したのでした。

(参考:第十一回 ほぼ日公式ラーメン怒濤編

この「レモン果汁を入れる」というアイデアは、
日清食品の開発担当小山さんの手によって
酸味のレモン果汁の粉末スパイス
(通称:スッパイス)という形として
実現に成功しました。

さらにこのスッパイスを入れた小袋を
darling は「おせっかいぶくろ」と命名。
難産の末、ようやく発売することまでに
こぎつけたのでした。
一度は頓挫した「気」を入れるというアイデアも
そののち、「ほぼ日元気ハラマキ」として
日の目をみることとなります。
このあたり、一滴のアイディアもむだにしない
「ほぼ日」の本領発揮、という一例であります。

(参考:第十二回 レモン果汁のおかげで、
    おいしさまで!


ようやくこぎつけた
販売当日、限定5000ケース(12食入り)で
日清e-めんShopで販売したところ
販売開始直後から、アクセスが集中しすぎて
サーバーがダウン。
販売再開後も数時間で完売してしまいました。

もともと、読者の期待も高かったこともありますが
同時期に「笑っていいとも!」で
このラーメンのことを告知したことも
台風のような追い風となった原因だったようです。
(参考:第十六回 「先行販売分完売しました!」

おそらく、ほとんどの読者の方が
手に入れることが出来なかったことと思います。


ふ〜う、駆け足で
この『サルのおせっかい』を振り返ってみました。
なにせ、最後の思い出は、通販ですぐ売り切れて、
「買えない」と叱られた日のことですねー。
過去にほぼ日が扱った商品史上、
最も、読者の方に叱られた商品でもありました。
「食べ物の恨みは怖いんだよ」
と、
ぽつりとdarlingがこぼしたことも
いまではしょっぱい思い出です。

でも、もう、そんなことはありません。
みなさまに叱られない数も生産しております。
この原稿を読んでいるいまも
日清食品の工場で生産中、だと思います。


これからは
なぜ、ここまで1年間もの歳月がかかったのか?
改良って何を改良したのか?

というようなことをお伝えしていきますね。

(つづきます!)

2003-06-06-FRI

BACk
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