第2回「サラッとやって見せたいんだよね」
〜イントロダクション〜
昇太さん登場。
すでに大盛り上がりの高田&糸井トークに、
もう笑うしかない?
いえいえ、この対談の主役は、あくまで昇太さんです。
ドラマ、「タイガー&ドラゴン」収録の裏話、
意地っ張りの痩せガマン世代論などなど!

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あー、すいません。 |
  おつかれさん。
なんだ、昨日、ウケたらしいじゃん。 |
※「昨日」:この鼎談の前日、高座に上がられていた昇太さん。
しばらく声が出なかったのがようやく治られたところで、ノリノリの高座だったようです。 |

なんていうの?
ピアニッシモなし。 |
| ※ピアニッシモ:音楽用語。音を弱く出すよう指示する言葉。逆はフォルテッシモ。 |

ずっと、もう。 |

こっちは「タイガー&ドラゴン」やってたよ、
おまえなしで。 |
※「タイガー&ドラゴン」:宮藤官九郎さんが脚本を手がけたTBSテレビのドラマ。
昇太さん、高田さんも出演しています。高田さん、収録、たのしそうですね。 |
 
イトイ
官九郎さんの台本っていうのは、アドリブありなんですか? |
※宮藤官九郎(くどうかんくろう)。愛称はクドカン。
前出の「タイガー&ドラゴン」の脚本のほか、
最近公開された映画『真夜中の弥次さん喜多さん』が話題に。
演出家であり、劇団「大人計画」の団員でもあります。 |

おもしろいことやるとさ、怒られるんだよね(笑)。 |

先生さ、アドリブ多すぎるんですよ!
半分ぐらい、ぜんぶアドリブ(笑)。 |
※「アドリブ」:ミュージシャンが即興的に演奏をしたり、
役者が即興的な演技をしたりすること。 |

今しか言えない一言があるよね、やっぱりね(笑)。
昇太さんは、それはできるわけ?
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ぼくは、あの‥‥ええ。 |

ちゃんとね、団体行動を覚えたからね。 |

いちおう弟子やったことのある人だからね。 |

やっぱりね、柳昇とはいえね。 |
※「柳昇」:春風亭柳昇(しゅんぷうていりゅうしょう)1920年ー2003年。
昇太さんの師匠。新作落語を数多く残す。
「春風亭柳昇といえば、わが国ではわたし一人でして」というフレーズで始まる高座は、
飄々とした人柄とともに親しまれました。
昇太さんと同じくトロンボーンをたしなんでいらしたそうです。
詳しく知りたい方は『はじめての落語。』をご覧ください。 |

人に従うっていうことを覚えたんで。 |

この人(高田さん)は、
すり抜けてるだけだからね。 |

そうでもないんですよ、修業もあったんですよ(笑)。 |

コーヒーでも飲みながら。 |

ほんっとにもう、
たったひとりで落語を応援してたんだもんな? |
| 高田さんは社会人になられてから35年間、ずっと落語の応援団でした。 |

長いこと。はい。 |

クズまで買わなきゃ骨董屋じゃないっていうね。 |
イトイさんによると、骨董屋さんというのは、
ウソに決まってるものを混ぜるもんなんだそうです。 |

ぜんぶひっくるめての。
そういう中に、こういう当たりものがね、
出てくるんですよ、光ったものがね。 |

※「当たりもの」「光ったもの」:ここでは春風亭昇太を指す。
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当たりものが(笑)。 |

(高田さんは)兄貴分ぶってるけど、
どう考えても小間使いですよね。 |

やってること自体はそうですよね。 |

財布開いちゃ、小間使いやってるみたいなとこですよね。 |
 
現場監督だ。棟梁みたいなもんだよね。
カタカナでセンセイですからね。
「センセ、下駄取って」ってやつですからね。 |

たまーに、おだて半分にCDが出るっていうのが、
自分へのご褒美みたいな。 |
| ※「おだて半分に出るCD」:落語家立川藤志楼こと、高田文夫さんの落語のCD。 |

ほんっとにしょうがないやね。どういったもんだかね。 |

ほんっとにあの文楽のビデオなんて、
誰も買わないですよ、あんなもん。 |
| ↑イトイさん、それは言いすぎでしょう。 |
※「文楽のビデオ」:古今亭志ん生と並んで昭和最大の名人といわれる落語家、
桂文楽さんの高座を高田さんが紹介している幻の名ビデオ。 |

えっ? そんな仕事してるんですか?
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埋もれた仕事いっぱいしてるよ、オレは(笑)。 |

ほんっとにそうなんだよ!
寄席の前で挨拶してるんだから、ちゃんと(笑)。
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一銭にもなんない仕事を(笑)。
持ち出しだよ、あれ。 |

ほんとにね、買いっこないって
フィルムが見つかったんですよ。
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| ↑だから、言いすぎですって。 |

‥‥買いっこない(笑)。 |

いわば、ウルトラQのビデオを買ったみたいなもんですよね。 |

ひとりで勝手に作ってる(笑)。 |

年代が近いんで、
努力してるって見せたくないタイプの年代なんですよ。 |
※「年代が近いんで」:高田さんと糸井さんは1948年生まれの同い年。
いわゆる団塊の世代といわれる世代。 |

あ、年齢的にいうとですか。 |

そうなんですよ、サラッとやって見せたいんだよね。 |

意地っ張りなんですよ。 |

そう、痩せ我慢だけだから。 |

高田文夫って人がそれをやってるのを見て、
ぜんぶが繋がるわけ。
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| 次回を聴くと、あなたも江戸っ子になれる!? |
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