社長に学べ!
おとなの勉強は、終わらない。


第14回 ビジネスの規模で、注意すべきこと

原田 どんなにすばらしい商品でも、
マスに向かって
売っていくことはたいへんです。
なぜかというと、マスに売るとは、
ライフスタイルを作っていくことですから。

だから革新的な商品を作る時ほど、
同じ消費者の中でも
「ニッチ」という狭い市場に
焦点をしぼらなければいけません。
年齢、職業、収入、
それらのしぼった相手に商品を提供して、
その市場を支配する……それをやったら
次のすこし広い市場に影響を与えていくという。

それを何回か重ねて
最終的にマスにいかないと、結果は出ません。
投資効果を持たない。

会社は利益を出さなければならないし、
サンタクロースじゃないんですから。
期待値をあげすぎたり、
一気にマスが使う商品を提供したりというのは、
危険なんです。
糸井 それって、なんか「ほぼ日」が
気をつけないといけないような話ですね。
原田 (笑)「ほぼ日」は、
どっちかっていうと
「ニッチ」に向けての
ものだったじゃないですか。
これがこの先にダーッと
一般紙のようなマスに広がっていく時には、
そのための順番を考えていかないと、
ブランドが希薄になっていくでしょうけど。
糸井 そういうことですよね。
つい、全員と一部分を
直結させちゃう発想になりがちなんですよね。
原田 「ほぼ日」ブランドも、
どの部分をコアのブランドにして、
どこをサブブランドにしていくのか、
という戦略は必要ですよね、
生意気なことを言いましたけど。
糸井 いや、またちょっと教えてください。
原田 いえ、われわれも、同じ悩みですよ。
糸井 よく、未来は予測できないから
三年後のことは誰も言えないよとか、
五年先なんてわからないという
経営の言葉とは、
この原田さんの三年計画は
矛盾しないんですよね。
原田 実際、一年後に見えるかと言うと、
見えないんです。

ただし、ビジネスの原点は、
世の中のトレンドがこうなるから
ついていくぞというものではないんです。

トレンドを作っていく、
世の中を作っていくというのが
ビジネスですから。

トレンドに合わせていくというのは
下請け会社の経営者の発想です。
「うちの親会社、
 こんどはどうなっているのかな?」
これは、ビジネスではありません。
糸井 なるほどなぁ。
つまり、このマクドナルドの計画書は、
誰かの手を借りたとかいうのではなくて
社内で作ったということが重要なんですね。
原田 そうです、そうです。
  (つづきます)


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2005-01-11-TUE



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