ポカスカジャンの脱線マガジン。

ツアー日記

8月20日(金)晴れすぎ 金沢〜大阪

今日は金沢から大阪の移動日だ。
移動だけだ。
WOWOWの撮影クルーも
取り敢えず東京に戻ると言うことで、今日は何もない。
だからといって気分は晴れやか……という訳でもない。

何故かと言ったら、先日の富山でのライブのあと、
省吾と大ゲンカをしたからだ。

打ち上げの席、お店の歓迎でしこたま酔っぱらった僕らは
みんなのいる前でかなり激しい公論となった。

初めは周りのみんなも「酔っ払いだから」と
冷ややかな視線だった。
そのうち、話が深くなる。
人間性へと移行する。
えぐろうとする。

「何でもかんでもおもしろがろうとしすぎなんじゃねぇの?
 やっていいことと悪いこと、あんだろ。
 冷たいんだよ、お前は!!」
 
と省吾。

「確かにお前の言ってることは熱いだろぅッ。
 けどよ、行動としてどこまで伴ってんだよぅッ、
 あォン?」
 
完全に売り言葉に買い言葉である。
しかも僕の場合、1つ2つ言葉を多く返していたようだ。

「おめぇの感情は素晴らしいだろうけどぅ、よぅ、
 あぁ、俺は冷たいよオゥ。
 結果はどうなんだよゥッ。
 やってんのかよゥッ」
 
省吾はやっているのに、そういう言いがかりをつける僕。
もはや訳がわからない。
ただ完全に頭に来ている。それは確かだ。
これをみんなは津軽酔いと呼ぶ。
ケンカは車中に移っても続いた。

「うるせえ、おめぇ表、出ろ」

と省吾。
車の中だ。
今出たら、ケガをする。

「殺す。もうお前とは絶対同じ舞台に立たねぇ」

とまた省吾。

(僕はまだ生きている。一緒にライブもやった。)

「はぃはぃ、わかりました。僕が悪かったですぅ」

こういうときの僕は本当に憎たらしいらしい。

「殺すんなら、殺してください」

もちろん殺されたくはない。
ここまで来ると周りのみんながさすがに止めに入ってくる。

「玉ちゃん、お前、ちょっと違うよ。
 省吾、言い過ぎだろ」
 
と新井さん。
WOWOWのディレクターの川村さんは、

「お前らいい加減にしろーーーー!
 なんのためにやってんだよ、
 こんなのポカスカじゃねぇだろ」
 
泣いてた。
省吾も鼻をすすってる。
のんちんは酔いつぶれてずっと寝てた。
僕はぐるぐるする頭で窓の外を見てた。
東京を出て10日目。まだ5分の1だ。
前に新井さんが言ってた言葉が脳裏に浮かぶ。

「俺たちは、背負ってるものが、違うんだよーー!」

僕はいったい、何を背負ってるのか、
何を背負って歩いているのか。

自分たちのツアー車さえ運転できない僕は、
後部座席で酔いつぶれるだけだった。

キチンと閉まらないドアの、すき間風がスースーしてた。

(PSJ/玉井伸也)

1999-08-25-WED

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