ポカスカジャンの脱線マガジン。

ツアー日記

8月17日(火)長野  天気 晴れすぎ

●編集部からのお詫び
8月16日の分が届いているのですが、
送信ミスで解読できない部分があったため、
先送りにさせていただきます。

話が前後しますが、先に17日分を掲載しています。


昨日は長野のイベンター・林さんの会社所有の
別荘に泊まる。
別荘での寝覚め。しかも絵に描いたような別荘。
キレイに刈られた広い芝生、ジャグジー、
吹き抜けのリビング、緑あふれる風景、缶ビール満杯の
心尽くしの冷蔵庫。

本当にこのツアーは過酷なのか?
しかも今日はライブがない。
WOWOW用撮影のみで連泊予定。
事務所の村井さんが
「大丈夫?」
と心配そうに連絡をくれる。
返す言葉がない。
丸々と太った僕は合わせる顔がない。
楽しいのだから仕方がない。

昼、省吾と2人芝生の上で楽しさのあまり、
ゴロゴロと全裸で戯れる。
人間うれしくなると、行動に意味がなくなるものだ。

先日僕は、生まれて初めて野グソをした。
その模様をWOWOW用カメラに押さえられた。
でも、それほどのしゅう恥心は感じなかった。
それは一体“おいしければいい”
という芸人根性からなのか、旅の“ハレ”による
解放感からなのか何なのか分からない。
単にビールの飲み過ぎで、
お腹がくだってただけなのかもしれない。

でも田んぼの真ん中でウンコをするやいなや、
虫たちのパレードが始まり、稲穂のダンスが巻き起こると
ちょっとしたファンタジーだ。
年に一度のお祭りだ。わっしょい、ワッショイ、ソレソレ。
祭りのあとの寂しさのなかで、田んぼを後にする。
しゅう恥心をそれほど感じなかった自分に
疑問を抱きつつ・・・。
なんとなくちょっといいことをしたような気分にもなった。

午後はWOWOW撮影を兼ねて“のんちん”の地元長野を
探索。善光寺では、
「やっぱり地元っていいよなー」
とのんちん。思いっきり善光寺と書かれたちょうちんを
買う。のんちんも“ハレ”なのか?

高校時代の行きつけの喫茶店やラーメン屋は
なくなってたり、店変わりしてたりと、
それなりの月日を感じさせる。

のんちん自身も当時はバリバリのヘビメタ
(アースシェーカーのコピーバンド)から
今や丸坊主(まだらハゲあり)と
月日の流れを感じずにはいられないのだから、
仕方ないだろう。

その後、お兄さんの墓参りに行って、墓前でポカスカの
テーマソングを歌う。
ドラマーだったアニキと、今バケツドラムを叩いている
のんちん。
墓の前ではオチャラけたことをしたくないから、
「ネタっぽいことはしたくない」って言ってたけど、
そんなことないぜ。十分カッコよかったぜ。
墓前でバケツドラムをぶら下げたのんちん。

夕方になると昨日のライブの模様が
もう夕刊紙に載っていた。
“長野出身のんちん あったか故郷初ライブ”。
今回のツアーは本当にあったかい。

『もっと叩き上げられなくていいのかPSJ!!』
心のなかで叫ぶが、あまり感情がこもらない。
そして今日もまた別荘へ向かう。
車のなかでガチャガチャと缶ビールが鳴った。

(PSJ/玉井伸也)

1999-08-20-FRI

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