ポカスカジャンの脱線マガジン。

ツアー日記

8月13日(金)名古屋〜新潟

午前10時。
昨夜お世話になった渡辺さん宅をあとに、
車は一路、新潟へと向かう。
名古屋からだと約500km以上あるだろう。
でも、天気も上々、今日は移動だけだし楽勝、楽勝。
……のはずだった。

高速に乗り2時間くらいたった頃から、
空に暗雲が見え始めた。
それでもしばらくは雨もがまんしてくれて、
長野のサービスエリアで名物の信州そばでも食おうと、
車を降りたときに、雨が僕らを襲った。
それでも今日の夕方までには新潟に入らないと、
明日のイベント「テクノキャバレー」のリハーサルが
できないので、車は先を急いだ。
雨足は弱まることなく、それどころか強まる一方。
どうやら僕たちは、雨を追いかけて走っている様だ。

「スゲー雨だな……」
「VTRにおさめとこうぜ」
「こんなの通り雨だよ」

などと余裕ぶっこいていた時、
ドライバーシート側のワイパーがぶっ飛んだ。

「あ〜〜〜〜〜!!!!」

ドライバーの福原(ワハハ本舗スタッフ)が絶叫とともに
助手席の俺(省吾)の方に左の肩を押し付けてきた。

「見えない! 前が見えない!」

と福原が続けて叫んでいる。

「寄せろ! 寄せろ! 寄せろ! 寄せろ!」

俺は車を路肩に寄せるように指示したが、
前が見えないためにうまく寄せることができない。



やっとのことで車を路肩に止めると、スタッフの新井氏が
車を飛び出し、ワイパーの状況を見に行った。

ずぶぬれで戻ってきた新井氏の報告によると、
動力側の凸側のねじ山は大丈夫なのだが、
凹側のねじ山がすり切れているらしい。
高速で走っているために風の抵抗が加わって、
ワイパーが関節技をかけられたような形に
なったということだ。

おそるおそる車は次のサービスエリアまで走った。
サービスエリアのガソリンスタンドに入り、
あらためて状況を確認し、どうしたものかと
考えていたとき、新井氏が名案を思いついた。

「助手席側のワイパーを、運転席側に付け替えよう」

皆もそのアイデアに拍手をし、感嘆の声を上げた。
その時大久保はガソリンスタンドのネーチャンを
ナンパしていた。…………バカリーダーがっ!

応急処置を終え、車はまた新潟へと走り出した。
皆も安心したのだろうか、後部シートの3人も
ウトウトし始めた。
そして、ドライバーの福原も……ウトウトし始めた。

「ヤバイ」

そう感じた僕は、別にどうでもいいことを話しかけたり、
フリスクやガムなどを口まで運んでやるというような
アシストをかいがいしくやっているとき、
玉井はイビキをかいていた…………バカ津軽がっ!

なんとか2時間遅れで新潟に到着した。

今日は、特別にホテルに泊まれる日だ。
皆もチェックインを済ませると、言葉少なに
それぞれの部屋へと消えた。

疲れた。
その一言だけだ。
でも今日は一人で眠れる。
フロに入ったらビールでも飲んで寝よう。
おやすみなさい。
と思ったら、玉井が麻雀の誘いに来たので、
ちょっと打って勝ってこようと思う。
遅くなりそうなので、今日はここまで。

(PSJ/中山省吾)

1999-08-18-WED

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