詩 人 と T シ ャ ツ 。
ボ ー ズ 、谷 川 さ ん ち に 行 く 。

第5回「自分の着てるTシャツ脱いで交換しちゃったんだ」



谷川 いままでに着たなかで、
記憶に残ってるTシャツとかあります?
ボーズ ええと、ずいぶんまえに、
友だちといっしょに、
初めて自分たちでつくって
売ったTシャツがあって、
それはすごく憶えてますね。
谷川 ああ、なるほどね。
ボーズ それはまあ、冗談っぽい
Tシャツだったんですけど、
ラップのレコードのレーベルで
トミーボーイっていうのがあって、
それのロゴが、3人くらいの人が
踊ってるシルエットのやつだったんですね。
で、それを元ネタにして、
ぼく、ドリフターズがすごく好きなので、
そのシルエットを、ドリフのメンバー、
いかりや長介と加トちゃんとかにして、
それが踊ってる姿をプリントしたんです。

もう、10何年まえの話ですけど、
つくってゲラゲラ笑ってたりして。
なんていうのかな、
「Tシャツって、つくっていいんだ?!」
っていう感じがあって。
谷川さんは、なにかありますか。
谷川 ぼくはなんだろうなー。
ずっとまえのことだけど、
骸骨のTシャツを見つけたんですよね。
ボーズ あああ。
谷川 そのとき、すーごくうれしくてさ。
それ、だいぶ着てましたね。
黒地に白で、こうぜんぶ骨になってる。
そしたら、そのあとで、
今度は、「身体のツボ」が
描いてあるTシャツを見つけてね。
「経絡」っていうの? あるじゃない?
ボーズ 「身体のツボ」が
バーッと描いてあるんですか?
谷川 そうそう、ツボが描いてある。
なんだか、骸骨のTシャツと
セットのような気がしてね。
それもずいぶん着てて、
もう古くなったから
いまは着ないんだけどね。
捨てられなくてとってあるんだよね。
ボーズ へぇー。
それ、インパクトありそうですねえ。
谷川 うん、なんかちょっと怖い、みたいな。
ボーズ そっか、そういうのがあるんだな。
谷川 それからね、まえに、
舞台の仕事をやって、
その打ち上げのときに、
主催者の女の人のひとりが、
あの、
チャーリー・ブラウンの
Tシャツを着てたんですよ。
ボーズ 『スヌーピー』っていうか、
『ピーナッツ』の?
谷川 そうそう。っていっても、
チャーリー・ブラウンの絵が
描いてあるわけじゃなくて、
『ピーナッツ』のなかで、
チャーリー・ブラウンが
着ているものと同じ柄のTシャツなの。
ボーズ え? ああ、こういう、
ジグザグの線が横に一本入ったやつ?
谷川 そうそうそう。
『ピーナッツ』関係のTシャツって、
いっぱい出てるじゃないですか。
でも、チャーリー・ブラウンが
マンガの中で着てる、
そのもののTシャツってのは
ぼく、初めてみたんですよ。
ボーズ なるほどなるほど(笑)。
谷川 それで、その場で、ぼく、
自分の着てるTシャツ脱いで、
その人のTシャツと、
交換しちゃったんだ(笑)。
ボーズ えええええ(笑)!
その場でですか?
谷川 その人、交換に応じてくれたんだよ。
もちろん彼女は、
その場で脱いだわけじゃなかったけど(笑)。
ボーズ それ、すっごいですね。
谷川 うん。すごいうれしかった。
ボーズ あ! でも、サッカーって、
ユニフォーム交換するじゃないですか。
谷川 あーーー、そうか(笑)。
ボーズ そういうのに似てますよね。
あ、でもそれ、おもしろい風習に
なるかもしれないですね。
「そのTシャツいいな、
 交換しようぜ」って(笑)。
谷川 あ、なるね。ねぇ、うん。
撮影:MIKA POSA

2004-03-26-FRI

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