はなちゃんの夏休み。(おそいほう)
09/14 またね、げんきでね。

ぶいちゃん

また、かくれんぼをしました。

はなちゃんはかくれています。

びすくもかくれています。

びすくは、かくれていないように、見えますが、
じつは、「ぺるしゃねこの人形」のふりをしているのです。

ばあやは、注意がたりないので、気が付かないでしょう。

それにしても、このテーブルのあし、よくみてください。

ねこたちが爪をとぐので、ぼろぼろです。

ばあやは、
「前に足だけ替えたけど、
 またすぐこうなったから、もういいです」
といっています。

「さくひん、だし。」
ともいっています。

ねこたちのさくひん、だそうです。

ねこたちにもっと「きびしく」してほしいと、
はなちゃんは思っているけど、
どうにもなりませんよ。

ばあやはまだ、はなちゃんたちを探しています。

ぶいちゃん、夏休みはきょうでおわりだって。

でも、もっと涼しくなって、寒くなって、息が白くなるころ、
また、おたよりしますね。

ぶいちゃん、たくさん、わらってね。
たくさんいいことありますように。

またね。

げんきで。

はなちゃんより。

09/13 ばあやでございます。

まだまだ暑い日々ですが、
みなさまいかがお過ごしでしょうか。

いつも、ありがとうございます。
ばあやでございます。

2012年の、花の夏休みにつきあっていただき、
本当にありがとうございました。

あたたかで優しいお便りを、本当にありがとうございます。

今回は、私の都合で、
「はやいほう」と「おそいほう」の二部制にしていただき、
間が開いた分、後ろに延びたため、
秋になっても夏休み‥‥という感じになりました。
まさに「まぬけ」な感じで、失礼をいたしました。

鈴虫の声をききながら、これを書いております。

花も11歳。年齢のわりには、ほんとうに元気な犬ですが、
でも、どうしても、足腰が弱って来るのです。
朝起きてすぐなどは、しびれているのか、
立つこともままならず、というときもあり、
「だいじょうぶ!!?」と焦ることもあります。

そんなとき、当の本人である花は、
ケロリとした顔で、ゆっくりゆっくり立ち上がり、
よろよろと、でも確実に私のほうへ向かって歩いてくる。

来る途中で、転がっているおもちゃや、ボールをくわえ、
私の足にそれをごしごしとこすりつけ、「あそぼう」と言う。
あそぼうあそぼう、とはしゃいでいるうちに、
足はだんだん、しっかりとしてきます。

毎日、毎朝、おんなじです。

私の毎日には、チョコレート色の大きな犬と、
毛玉のお化けのような
薄茶色の猫が四匹、どーんと存在しています。

何も言わずに、ただただ、私のことを信じて、
私の日々によりそってくれている彼らには、
ほんとうに、
「うちのこになってくれて、ありがとう」
としか
言いようがありません。

この夏も、本当に暑くて、私は朝日が昇る頃起きだして、
花と散歩に出かけたりしておりました。

暗闇から、朝焼けがゆっくりと生まれて、
そして、新しい一日が生まれる、
あの素敵な瞬間を、何度も花と、経験しました。

花をいつも預かって下さる稲尾さん、
病院の先生たち、
私の留守世話をしてくれる母や家族達、
花のことを可愛がってくれる通りすがりの方々、
私の毎日は、本当に沢山の皆さんに支えられています。

いつもありがとうございます。

そしてこの連載をいつも観て下さっている
ほぼ日の読者のみなさん、
ほんとうに、ありがとうございます。

そして、なにより、
ほぼ日刊イトイ新聞の乗組員のみなさん、
隊長である糸井重里さん、
深く深く感謝申し上げます。

それでは。
また、冬休みでお会いしましょう。

それまでどうぞ、お元気で。

皆さんの日々が、優しくありますように。

2012年 9月13日   ばあやこと石田ゆり子より。

追伸、あしたもありますよ。

09/12 いえで。

ぶいちゃん

はなちゃんは家出をしました。

ばあやも、おでかけするみたいだし、
ねこたちはそれぞれ、忙しそうで
はなちゃんは、きょうはつまらないです。

だれも遊んでくれない日、
お人形をつれて、旅に出ます。

このラグのしたに、「いえで」したのです。

家出したのに、だれもきがつきません。

どすこいおやじだけが「れいせいなめ」でみています。

ぶいちゃん。だれもあそんでくれないからって、
ふてくれされてはいけません。

はなちゃんは、いえでをしながら、
ものがたりの「しゅじんこう」になっています。

かわいそうな「ぞう」をつれて、
まっちをうりながらあるいている
チョコレート色のすてきないぬという設定です。

ぶいちゃん、
にくきゅうはやらわかく。

きょうもいいこで。げんきで。

はなちゃんより。

09/11 たばねる。

ぶいちゃん

ぶいちゃんは、とくぎはありますか。

はなちゃんは、「たばねる」のがとくいです。

おさんぽのとき、ばあやは、はなちゃんに
首輪とリードを、つけます。

はなちゃんは、すぐに、たばねて、くわえます。

これは小さいときからの、くせで、
よく「おりこうね」といわれることですが、
なにがおりこうなのか、よくわかりません。

この写真のときも、かっこよくすてきにたばねました。

このまま10分でも15分でも、まつんですよ。

そのあいだに、ばあやは、ひやけどめをぬったり、
きがえたり、すこし「きれいに」するんです。

だれもみてないのに、とはなちゃんは思います。

ばあやはまた、さいきん、バタバタいそがしそうです。

ねこたちの、ごはんが少しかわりました。

はなちゃんのおやつも、すこしかわりました。

「秋だから」とばあやはいいます。

ぶいちゃん、
秋はたのしいね。

きょうも、よいひでありますように。

はなちゃんより。

09/10 おおじじからのお手紙。

ぶいちゃん

はなちゃんにお手紙がとどいていました。

ばあやは、はなちゃんあてなのに、勝手にひらいて、
かくしていたのです。

石田花さま、と書いてあります。

まちがいなくはなちゃんあて、です。
ひをみるよりあきらかです。

おおじじは、ばあやの「おとうさん」で、
とてもおじいさんです。
ばあやのおとうさんですから「おおじじ」です。

おおじじは、ばあやに度々手紙をかいていますが
内容は、ごきんじょの、のらねこたちのようすと
からすのようす、がほとんどです。

ビスケットばかりたべてはいけません
とかいてありました。

あと、はなちゃんの予定を、
ばあやにちゃんと伝えるようにと
書いてもあります。

でも、
びすけっとは、毎日10枚しかもらえないし
はなちゃんの予定をばあやに伝えても
きいてもらえないのです。

おおじじは、まいにちビスケットを
どのくらいたべてるのかわかりませんが
きっと「おもうぞんぶん」たべてるんだとおもいます。

ぶいちゃん、おてがみも、あとすこし。

げんきでね。まいにちわらってね。

はなちゃんより。

09/07 いぬのえがお。

ぶいちゃん

ごらんください。
せいぞろいした、犬のかお。

ごぞんじとはおもいますが。
これは、このなつやすみ、最大の「おもいで」、
いなおさんの山のお家の、はなちゃんたち。

ひだりから、
さんた、ぜろ、はなちゃん、ぎんじ。

笑う門には福来る、といいますが、
いぬは、だいたい、ふつうのかおが、わらってますよ。

わらってると、それだけで、ふんわりと、
いいことがよってくるって、ばあやがいってました。

あとね。
「いいことがあったら、それをだれかとわかちあいなさい」
といってます。

そうすると、そのいいことは、
10倍くらいになるっていうんです。

はなちゃんがおやつにもらった二枚のびすけっとを
わかちあったら、えっと・・・
20枚になるってことでしょう。

そんなのは、しんじられません。

はなちゃんのびすけっとははなちゃんのもの。
だれにもあげたくないのです。

ぶいちゃん、じぶんのおやつは、
じぶんでぜんぶたべましょう。

きょうも、すてきな、みみのかくどで。

はなちゃんより。

09/06 ぬけげの きせつ。

ぶいちゃん

ばあやは、まいにち、ラバーのぶらしで、
はなちゃんをごしごしとこすります。

すると、毛がいっぱいぬけて、
あたらしい、つやつやした毛がでてくるのです。
はなちゃんはブラシングがだいすきです。
こうして、
すこしずつ、
「ふゆバージョン」のはなちゃんになっていくんですよ。

しょうがくせいたちも、がっこうがはじまって、
なつやすみなのは、はなちゃんだけみたいです。

はなちゃんのなつやすみも、あとすこしです。

ぶいちゃんは、
毛糸のおようふくをあんでもらってますね。
すてきです。

はなちゃんは、毎日、みみそうじをして、
いいこにしてるとびすけっとがもらえます。

ねこたちは、おなかをうえにして、お昼寝ちゅうです。

ぶいちゃん

まいにちまいにちおんなじですよ。

おんなじなのが、しあわせですよと、
ばあやはいつもいいます。

はなちゃんにはよくわかりません。

でも、はなちゃんは、こんなまいにちがだいすきです。

みんなでたのしく、まいにちあそびましょう。

えがおがいちばん。

はなちゃんより。

09/05 おちつきのないこ

ぶいちゃん

はなちゃんは、叱られました。

すこし「おちつき」がなかったのです。

だって、たくさん、あたらしいおともだちもいて、
なんか、すてきなかっこいいおともだちもいて、
たのしかったのです。

ずっと「おちつきなく」していたら、
ばあやが、
「そんな、おちつきのないこは、きらいです」
といいました。

はなちゃんは、だってたのしかったのです。
うれしかったのです。

ばあやは、そんなひどいことをはなちゃんにいって、
はなちゃんを泣かせて、
そんでもってこんなぶすなしゃしんもとって、
ひどいとおもいます。

はなちゃんは、たくさんおともだちがいると、
こうなっちゃうんです。
ばあやは、
はなちゃんのことをわかってないとおもいます。

ぶいちゃん、
おちつきのないこは、かわいいこ。

きょうもえがおでね。

はなちゃんより。

09/04 つめたい石のうえ。

ぶいちゃん

秋のこえ、がきこえてきても、まだあつい。

すこしすずしくなってもまだ、あつい。

そんなとき、ばあやは、「ほれいざい」を凍らせておいたのを
ハンカチでつつんで、くびにあてたり、おでこにあてたりしています。

はなちゃんは、この「つめたい石のうえ」の場所にきて、
すずしくなる工夫をしています。

ここには「くつ」がいっぱいです。
ながぐつだってふたつもあるし、
さんだるだって、なんかたくさんあるし
とってもじゃまなのです。

「Y」のかたちの、かべによりかかってるやつは、
ばあやが、どこかで、ひろってきたものです。
鉄でできてるんですよ。

ゆりこの「わい」で、かしらもじだから、だそうです。

そんなことより、あいすくりーむとか、ビスケットとかを
たくさんにしてほしいです。

ばあやのきょういくが、まだまだたりません。
はなちゃんは、がんばらないといけません。

ぶいちゃん。いいこで、すこやかで。

やさしくたのしくね。

はなちゃんより。

09/03 まきもの。

ぶいちゃん

はなちゃんは、「まきもの」をしています。

うちのばあやは、まきものがだいすきで
あつくてもさむくても、
なんか、
おおきなぬのみたいなのを
くびにまいたり、からだにかけたり、
こしにまいたり、
かばんにしばりつけたり、
りゅっくみたいにして背中にしょったり
(ばあや注・していません)
しています。

なつがおわったとはいえ、
まだこんなに「むしむし」してるのに
なんでそんなに「まきもの」がすきなのか。

ばあやいわく、布が好きな「いでんし」は、
女の人にすりこまれているのです。とのことです。
それに、夏には夏用の、まきものがあって、
あつくないといってますが、
うそだとおもいます。

はなちゃんも、まきものをまいてもらいました。

たしかにすてきです。

このまま、ぎんざにおでかけしたいくらいです。

「E.Tみたい」

ばあやはいってます。

「いかしたいぬ」の、
かしらもじだとおもいます。

ぶいちゃん、きんもくせいが咲くまであと一カ月だって。

きょうもげんきでね。

はなちゃんより。

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