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勉強の夏、ゲームの夏。2015

読者のみなさまから寄せられた、
マジでガチな勉強の質問、相談に、
「ほぼ日」とかかわりのある
「意外に高学歴な人たち」が答えます。
勉強の質問がありましたら、
上の「勉強や絵の質問をする!」ボタンから、
気軽にメールしてくださいね。

2015/08/21 10:10おはようございます

みなさま、今年もこの日がやってきました。
宿題は、きっちりと終わっていますかー!
受験生は、天王山をちゃんと
迎えていますかー!
ノンノンーーー!!

という方に、おあつらえむきのこの企画、
本日勉強方面のトップバッター中継を
担当いたします、
スガノでございます。

本日、最初を飾るにふさわしい先生を
ただいまお待ちしているところでございます。
しかし、今日はラストまで
「名先生」が揃っているようです。
本日みっちり、勉強の夏を
最後までよろしくお願いいたします。

2015/08/21 10:36まずは相談を選びに行きます

本日最初の先生はこの方、
われら東京糸井重里事務所の経理、
であります。

2015/08/21 11:38京都大学法学部卒業です

とうじ先生は
京都大学法学部現役合格、卒業。

京大って、なかなか
入れる大学じゃありません。

(わたくしスガノ、京都出身)

2015/08/21 11:52勉強、役に立ってますか?

とうじ先生はものすごくていねいに
みなさんからいただいた相談に
目を通しています。

「いま、ぼくがご相談を選んでしまったら、
 このあとの先生方がその相談を
 選べなくなってしまうので、
 申しわけないので、責任は重大です。
 慎重に選びます」

そこに、ニシダくんがやってきました。

「お、『勉強の夏』サイドは
 とうじ君がトップバッターですか。
 でも、ぼくは、勉強は、だめだなぁ、
 相談には答えられない。
 だって、勉強は社会に出て
 役に立ってる実感がないもの」

そうですね。私もけっこうそのタイプ。

「役に立っているのはなんですか?」

生まれ育ちかなぁ。

「わああぁ、たしかに。
 あとは恋愛ですかね」

恋愛ね。特に男の子はそうかもね‥‥と、
まじめにメールを読むとうじ君の横で
勉強を否定してしまうかのような
会話をくりひろげました。

2015/08/21 12:04では、よろしくお願いします

では、京大のとうじ先生、
よろしくお願いいたします。

いまなぜほぼ日の「経理」なのかというのは
別にして聞きますが、
京都大学法学部ということは、あれですね、
お小さい頃から成績はよかったんですか?

「いや、わりとダメでした。
 特に、中学まではまるでダメです。
 英語の時間に、マイケル・ジャクソンを
 みんなの前で『ミカエル・ジャクソン』と
 読んでしまってから、
 英語が苦手になりました。
 英語と音楽がとにかくダメで、
 しかもスポーツもぜんぜんできない、という
 パッとしない生徒だったと思います。

 中学では、スポーツができないくせに、
 テニス部に入りました。
 ぼくはおそらくほめらて伸びるタイプで、
 そのときにほめられることといえば
 雑用だったんです。
 人があまりやらないことをやれば、
 ほめてもらえるものです。
 雑用ばかりやって、いちばん雑用がうまいので、
 キャプテンをしてました」

2015/08/21 12:16勉強ができるようになったきっかけ(1)

とうじ君は、得意な「雑用」力をいかして、
中学では生徒会の図書委員長という、
これまたそんなに花形ではないかもしれない
シブいポストで活躍したりもしました。
「勉強もスポーツもイマイチ」
であるにもかかわらず
得意な「雑用」で、生きる道を得てきた
とうじ君が、京大現役合格までたどりつく
道筋をお話しいただくことにいたします。

勉強をするようになった大きなきっかけは
ふたつありました。

「ひとつめは高校受験です。
 ぼくは公立高校をめざしていましたが、
 親に言われて『すべりどめ』の私立高校も
 受験しました。
 そこが、男子校だったんです。
 男子校だということを知らずに
 受験会場に行きました。
 当然、会場には男しかいない。
 びっくりしました。
 ぼくは決めました。
 必ず公立高校(共学)に行こう、と。
 そこから猛烈に勉強しました」

つまりは私立受験から公立受験までの
その短いあいだに、
めっちゃ、勉強したんですね。

ちなみに私の子どもは男子校で
自分は女子校出身ですけど、
いいもんですよ、男子校も女子校も。

2015/08/21 12:23勉強ができるようになったきっかけ(2)

「もうひとつのきっかけは、
 高校受験よりさかのぼること半年、です。

 じつは中学3年の夏休み、
 母親が体調をくずして入院したんです。
 いつも『勉強せぇ』と怒る人が
 とつぜんいなくなりました。
 なんでもいいよ、せんでもええよ、
 という毎日が
 ぼくにやってきたのです。
 
 よく、親に『勉強しろ』と言われると
 『いまやろうと思ってたのに!』
 と、かえってやる気が失せる、
 などといいます。
 でも、そのときって、ほんとうには
 やろうとはしてないですよね。

 勉強しろと言われたり怒られたりすることが
 いつまでもいつまでも来ないと、
 人間は不安になります。
 そして、ぼくは勉強するようになりました」

2015/08/21 12:36気づいたことがあります

そのような2大事件を経て
みごと共学の長田高校に入学された
とうじ先生は、
中学と同様、ふたたびテニス部に入部しました。

そして、勝ち取った共学の学園生活を
満喫しようとしていたとき、
大きく気づいたことがあったそうです。

「なんだか、女の子たちに
 『頭のいい人がかっこいい』という
 空気があったんですよ」

そんなもん、あたりまえや!
成績がいい人、頭のいい人は、
女の子はみんな好きですよ!

「それに男子が気づけるのは‥‥
 残念ながら、高校に入ってから、
 くらいなもんですよ」

ひぃえええええ。気づけや!
じゃ、それまでは、
何でモテると思ってたんですか?

「シャツを出して着る、とか」

し、シャツ?

「刈り上げてない、とか
 ぼっちゃん刈りじゃない、とか。
 これでモテると思ってました」

2015/08/21 12:41イケてる男子

シャツを出すって、あーた‥‥‥、
でも、高校で女子とふれあった
とうじ君は、
イモムシが蝶になってはばたくように
目覚めていきました。

「イケてる男子というのは、
 勉強の話をしている男子、
 体育会の部活で輝いてる男子、
 バンド系の男子、
 その3つに分かれていました。
 そして、それぞれのグループでつるんでくれる
 女子がいるわけです。

 ぼくは、先ほど言いましたように
 スポーツと音楽がまったくダメでしたので、
 かろうじて入れるのは
 勉強でイケてる集団でした」

2015/08/21 12:50「おいとうじ、やってみろ」「はい」

勉強の話をしている集団に入るために、
とうじ君は何をやったのでしょうか。

「とにかく、女の子がわからないと思うような
 項目の勉強をしていくんです。
 授業が終わって、みんなが
 『あそこ、よくわかんなかったね』
 といっていることを聞き耳立てておいて、
 勉強していって
 『あ、そこ、こうだよ』と教えてあげるのです。

 よく、『チャレンジ』のDMのまんがとかで
 『あ、そこ、やります』
 と手をあげる人いるでしょ?
 先生が
 『みんな、この分野の問題は無理そうだな。
 だれかわかる奴いるか?‥‥しかたない、
 おい●●、やってみろ』
 と言われて、スッと黒板に出て解く人です。
 あれになりたかったんです。
 あれ、モテますよ」

当然モテますね。
いままでシャツを出しても出しても
まったくモテなかった人でも。

「女子との会話が増えていきます。
 高校生クイズ大会に出ているような
 かしこい人というのは、
 7割がたは『もともとくわしい人』です。
 でも、3割はジャンル型の
 ニッチな人です。そういう役回りなんです。
 人があまりやらないことをやる。
 みんなが難しがることからやる
 そしてモテる」

姑息! とっても姑息!
でも、雑用でキャプテンやってた
とうじ君だからこそできたことかも!
 

2015-08-21-FRI