PHILADELPHIA
お医者さんと患者さん。
「遥か彼方で働くひとよ」が変わりました。

手紙207 日本のHIV
いただいた感想・第15回東京レズビアン&ゲイ映画祭での
トークセッション



こんにちは。

先日ご紹介したように、
7月の半ばに開催された、
「第15回東京レズビアン&ゲイ映画祭」で
HIVについての話をする機会を頂きました。

高校の先輩のアエラ編集長・市村友一さんと
高校の同級生の資生堂広報部・永井美保子さんの
力を借りて、なんとか終えることができたのですが、
当日お越しになっていた方が、
感想をほぼ日宛に送ってくださいました。

当日の様子が、
わたしがお話しするよりももっと良く伝わると思うので
今日はそのメールをご紹介したいと思います。

本田美和子さま

いつも楽しみに拝見しております。
7月17日、青山スパイラルホ−ルでの
イベントに伺いました。
みなさんの息もぴったりで、それが心地よく
静かななかにも熱がこもっていて、
とても有意義なイベントでした。

静かに良く通る声で本田さんがお話になるとき
「ひとりキャンペ−ン」の
熱い想いが伝わってくるようでした。
知識としては知っていても、
肉声で語っていただくというのは
まったく説得力とか、
安心感、信頼感などが違いますね。

それと同時に、
質問タイムに発言された方々の声の感じや
質問と答えにじっと聞き入る会場の空気から
HIVに対する不安や恐れのようなものが
感じられるような気がしました。

HIV・AIDSというのは、
自分がそうかもしれないと思っても
いざとなるとだれもそれを知りたがらない、という
不思議でほんとうに難しい病気なのだとも
改めて感じたりもしました。

イベント終了後にも熱心に質問されるみなさんに、
これまた熱心に応えておられるご様子をみていて
嬉しいような、
ご多忙の本田さんのお体が心配なような。

とてもいいイベントでした。
ひとまず、ひとりキャンペ−ンとして、自分のブログに
このイベントのことを書かせていただきました。
これからも折に触れて、
HIVのことを知って、それを少しでも伝えたいと
本田さんのお話を聞いていて新たに思います。
どうもありがとうございました。
どうぞお体ご自愛ください。

追伸 ご著書「エイズ感染爆発と……」では
現状と知識、また20代女性の気持ちなど
HIV/AIDSにまつわるいろいろなことが
とてもわかりやすく、読みやすく書かれていて
その日に一気に読みました。
実際に治療を受けておられる方のお話は
胸に迫りました。

本田美和子さま

昨日はトークセッションお疲れさまでした。
前日までカンボジアに行ってらしたとのこと、
ハードスケジュールでお身体は大丈夫ですか?

昨日のトークセッションの感想ですが。
時間が短すぎる!本田さんから
「もっともっと伝えたいことがいっぱいあるのに!」
というオーラが伝わってきて
(気のせいでしょうか?)。
私自身も、やっと「あの」本田さんの
話を聞けるチャンスが!という思いだったので、
時間が足りなく思えたのでしょうし。

私は一番前に座っていたので
質問したい人が
どれくらいいたのかわからないのですが、
あの会場にいる人が
「どういう疑問を持っているのか」を
もっと知りたかったです。

早めに会場に着いてしまったので
ロビーを見ていたら「ぷれいす東京」のブースがあり
資料を一通りいただいてきたのですが、
「Hの強化書・実践編」というゲイのための
「コンドームを使用しよう」という趣旨の
ミニパンフがありました。
こういうのの「ヘテロ向け」(とは限らなくても)が
普通に手に入る世の中であって欲しいなぁと
思いました。

そして、明日、南新宿検査室に行くことにしました。
6年近く、性交渉を持っていないのですが
その前に関係した3人が
何もないとは確証できないので。

そうそう、昨日気が付いて
「自分ってバカだな〜」と思ったことが。
『オーラルセックスでHIVに感染する
=精液を飲むのはとても危険』
この事に昨日気が付きました。
オーラルセックスと精液を飲むことが
イコールでなかったんですね、私の頭では。
本当にバカだと思いました。

これからも「ほぼ日」の更新を楽しみにしています。
また、私にできることがありましたら
お手伝いさせていただきたいと思います。
(ヘテロの女性)

当日は、たくさんの方がお越しになり、
とても熱心に聞いてくださったので
たいへんうれしい時間になりました。

お一人目の方がおっしゃっているように、
「HIVに対する不安とおそれ」というのは
どなたもお持ちなのかもしれません。
ここでの連載に対していただくメールも
そのようにおっしゃる方が少なからずいらっしゃいます。

不安をあおるだけになっていないか、と
わたしもちょっと不安になりますが、
事実をぜひ知っていただきたい、という気持ちは
変わりません。
無用な心配をせずともすむように、
今後の話を進めていきたいと思っています。

お二人目の方がおっしゃっている、
「南新宿検査所」というのは
東京都の医師会が行っている、
無料・匿名でHIVの検査を受けることができる施設です。

場所は、新宿南口を出て、初台方面に甲州街道を進み
最初の交差点を左に曲がってすぐ、のところです。
ビルの一階はトヨタレンタカーが入っています。
サイトはhttp://www.tokyo.med.or.jp/tomin/inf/aids.html
検査ご希望の方はどうぞ予約をしてください。
電話は03−3377−0811です。

HIVの検査が
無料・匿名で受けられる場所はたくさんあります。
『HIV検査・相談マップ』
『エイズ予防情報ネット』で お近くの検査を受けることができる場所を
どうぞお探しください。

また、カンボジアへの出張のことが出ていましたが、
今の仕事はどちらかというと
「外回り担当」という感じもあって、時々出かけています。

その週はカンボジアのアンコールワットの近くで
会議に出ていて、戻ったばかりでした。

カンボジアからの飛行機がキャンセルになって
帰れないかもしれない、とドキドキしていたのですが、
乗り継ぎの空港で
飛行機の下に止められたバンに乗せられて
空港内をすごいスピードで運ばれ、
ターミナルを全速力で走らされ、
何とか帰ってきました。

東京に帰るつもりでしたが、
「もう、日本に行くのはこれしかないです」と言われて
名古屋に戻りました。
ともかく帰れたので、文句はないです。

それから、今週の日曜日、8月6日に横浜で開かれる
『AIDS文化フォーラム in 横浜』
HIVの話をすることになりました。
お近くでお時間のある方は、ぜひお越しください。

では、今日はこの辺で。
みなさま、どうぞお元気で。

本田美和子

2006-08-04-FRI

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