PHILADELPHIA
遙か彼方で働くひとよ。
フィラデルフィアの病院からの手紙。

手紙16 「 薬について」その2

こんにちは。

「ほぼ日」を読んでいる方のうち
毎日薬を飲んでいらっしゃる方は
どのくらいいるのでしょうか。

推定年齢層から考えると
そんなに多くないかもしれませんが、
つぎは飲んでいる方への質問です。

そのお薬の名前と量を聞かれたときに
すぐ答えられますか?

日本ではご存知の方って、そんなに多くないんですよね。
病院によっては、
わざわざ薬のパッケージの薬剤名の部分を
はずして渡しているところすらあります。

まあ、前回少し触れたように、
何種類もの薬をどかーっと渡されれば
なんだか訳がわかんなくなるかもしれないとは思いますが、
自分の身は自分で守る、という立場から考えれば
ほんとに危険です。

この、自分の身は自分で、という考えが
強烈に浸透している
(というより、行き過ぎだよ、と辟易することさえある)
この国(アメリカ)では、ほとんどの患者さんが
自分の薬についてこと細かに知っています。

患者さんの診察は詳しい問診をするところから
始まりますが、そこでは必ず現在飲んでいる薬と、
これまで薬で起きたアレルギーについて質問します。

80歳くらいのおばあさんが
「薬? あのねえ、digoxin0.125mgを1日1回と、
 aspirin325mgを1日1回と、
 Lopressor100mgを1日2回」。
なんてすらすら答えてくれることは
ぜんぜん珍しくありません。

覚えきれない人でも、薬のリストをいつもお財布の中に
入れて持ち歩いていたり、薬の容器
(この国では、薬は大きなフィルムケースのような
筒型の入れ物に入れてあって、内容と飲み方を書いた
ラベルが貼ってあります)を持っていたりするので、
それを見せてくれますし、薬の名前がぜんぜんわからない
ごく例外的な場合でも、家族に問い合わせれば、
たいてい知っています。

いまどき、内容も明らかにしない商品を
売りつける商売が成り立つこと自体、変でしょう?
しかも、中身のわからない薬を飲みつづけることは
心配ではありませんか。

「医者からもらったくすりがわかる」
という本が出版されていますが、
そんなもん、わざわざ買わんでも、
処方するとき医師や薬剤師がちゃんと説明しとけば
済む話だろうと、つくづく思います。

薬を飲んでいる方、
ご自分の薬のリストを作ってみてください。
ご家族に飲んでる方がいっらしゃる方も、
ぜひ、薬の名前とその量を書き出してあげてください。
すごい親孝行です。絶対に役に立ちます。

処方されている薬から、
おー、こんな病気だったのか、と逆にわかって
びっくりすることがあるかもしれません。

なんか、書いているうちに勢いがついてしまいましたが、
今日お伝えしたかったことは、
「飲んでる薬の名前と量を知ろう」
これだけです。

では、今日はこの辺で。
みなさまどうぞお元気で。

本田美和子

1999-09-13-MON

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