| 西本 |
ああ、そうだ。
本来なら、パッケージに
ぜひ書いておくべき
情報がもうひとつありましたよ。 |
| 田中 |
なになに？ |
| 西本 |
特典映像ですよ。 |
| 田中 |
ああ、はいはいはい（笑）。 |
| 西本 |
なんか特典映像って
あくまでおまけ的な要素で
受取る側も
そんなに期待しないものだけど
このＤＶＤ、
特典映像が「引っ越し」という
いちばん長いコントじゃないですか。 |
| 田中 |
せやろ。
17分くらいコントしてるから。 |
| 西本 |
しかも相方の遠藤くんとのコントで。
ところが、そのこともまた
一切、パッケージには書いてない（笑）。 |
| 田中 |
せやねん（笑）。
だけど、
この「引っ越し」というコントは
特典映像として独立させようと思って。
本当の意味での特典にするために
遠藤にも出てもらって
ちゃんと詰めて考えた。 |
| 西本 |
中身はサービス精神満点なんだけど、
パッケージが明らかに情報不足！ |
| 田中 |
けど、見てくれた人には
喜んでもらえると思うよ。 |
| 西本 |
そりゃそうですよ。
ぜんぶ見終わって終わりかと思ったら、
最後に遠藤さんとの
17分のコントが入ってるんだから。 |
| 田中 |
せやねん。すごいやろ？
「今、全部これを入れたいんです」
という熱の方が
大事やなと思ってそうした。 |
| 西本 |
田中さんが引っ越しの業者さんで、
遠藤さんが
引っ越しをする依頼主という設定で。 |
●ペルソナル活動・コント解説
『引っ越し』（特典映像）
今日は引っ越し当日。
部屋のなかには、途方に暮れる男（遠藤章造）と
頼りなさそうな引っ越し業者（田中直樹）。
ふたりの目の前には冷蔵庫が横たわっている。
「‥‥どうすんねん、これ」
「‥‥はあ」
引っ越しをめぐる、ままならないやり取り。 |
|
|
| 田中 |
うん。
こういうコントは
ライブでもできるけど
カットを割ったドラマ的な作りで
遠藤とのかけあいを楽しみたいと
思ってつくったのよ。
「個人的活動」に相方・遠藤が
出てるところは矛盾してるんですけど。 |
| 西本 |
遠藤くんは
喜んでやってくれたんですか。 |
| 田中 |
今シーズンは
阪神の調子がよかったので、
ふたつ返事やったみたいですよ。 |
| 西本 |
阪神が強かったから、
ゴキゲンで（笑）。
日本シリーズの前やったんですね。 |
| 田中 |
そう。
まだ、日本シリーズの前やったんでね。
いい感じで首位を走ってた
熱い時期だったから。 |
| 西本 |
これ、コント８本だけど
「ヨリザル」というアニメーションは
５話仕立てになっているから
合計、12本入って3990円でしょ。
一本当たりで計算すると
332円！ 安っ！ |
| 田中 |
安いね、１本あたり。
ミッシェル・ウィーちゃんの一打が
120万とか言われているでしょ。
それに比べるとね。 |
| 西本 |
ココリコ田中、
コント一本332円！ |
| 田中 |
ＤＶＤには「ヨリザル」は
５話収録されてるけど
本当は８話作ってるのよ。
もし、８話全部入れたら
もっと安いことになったかもねえ。 |
| 西本 |
それじゃ、「ヨリザル」について
うかがいましょう。 |
●ペルソナル活動・コント解説
『ヨリザル』
ジャングルの奥で発見されたという
珍獣、「ヨリカカリザル」。
あまりに股関節が弱いため、
なにかによりかからざるを得ないというサルを、
謎の博士（田中）が解説。
そのあまりの頼りない解説に、
聞き手（遠藤）は終始イライラ。 |
|
|
| 田中 |
これは簡単なアニメなんやけど
「ヨリカカリザル」という
新種の猿を勝手に僕が作って
そのイラストを書いて、
クーピーで色を塗って
アニメーターさんと打合せをして
アニメにしてもらったというものです。 |
| 西本 |
自分から
アニメをしたいって言い出したの？ |
| 田中 |
うん。
アニメーションって
どんな感じだろう？
という興味だけでスタートしたけど
まあ、これ大変やったなあ！ |
| 西本 |
へえ、そうなんだ。 |
| 田中 |
何が大変って、もう、
クーピーで色塗るのが、たいへんで！ |
| 西本 |
そういう苦労か（笑）。
それ、ほんとの苦労じゃないですか。 |
| 田中 |
そう。ほんとの苦労。
もう、茶色のクーピーが
すぐになくなって‥‥。 |
| 西本 |
（笑）。アニメーターさんに
「この背景は茶色で塗っといて」
というもんじゃないんだ？ |
| 田中 |
全部自分で塗ったよ。クーピーで。
ほんとにもう、クーピーが‥‥。 |
| 西本 |
クーピーの話はもういい。 |
| 田中 |
いや、ほんまたいへんやったよ。
全部の仕事終わって家に帰ってから
机に向き合って、
ファックス用紙の裏に
描いてんねんけど、
顔は顔で描いてとかさ。
腕は腕のパーツでとかさ、
当然、枚数がすごくなるやん。
夜な夜な描いてたら
すぐに用紙がなくなって、
ファックスのとこに行って、
何枚か持ち出したりして。 |
| 西本 |
ま、誤解のようないように
説明しておきたいんですけど、
そうはいっても
すごいアニメーションが
できたわけじゃない。 |
| 田中 |
せやねん。
パラパラ漫画にもなってない。 |
| 西本 |
説明が難しいんですけど、
つまり、「ヨリザル」が、
動いているわけじゃなくて、
ビヨビヨビヨビヨと‥‥。 |
| 田中 |
振動してるだけやね（笑）。
へんなサルが、軽く震えてるだけ。
でも、あれくらいの動きのを
表現したかったんで、
満足はしてんねんけど。 |
| 西本 |
５ミリくらいしか動かない
振動アニメーション（笑）。
声優として遠藤くんが入ってるけど
「引っ越し」と
「ヨリザル」での遠藤くんが
このＤＶＤの中における
唯一の「ツッコミ」ですよね。 |
| 田中 |
うん。
全然派手に動いたりする
アニメーションでもないけど、
例えば、
「２分26秒で右腕上がる」とかさ、
そういうタイミングを
作らなあかんやん。
それに沿った台本を
遠藤にちゃんと書いて渡して、
後はもう、
「お互い遊ぼう」っていうか。
その枠の中で
二人で楽しんだという感じかな。
でも、
アニメがこんなに時間がかかるとは
思わなかったなあ。
コントの合間のブリッジなのに
一番時間がかかったのはこれだもん
（笑）。 |
| 西本 |
（笑） |
| （続きます！） |
