SHIRU
まっ白いカミ。

35枚目:「パーソナル単位系制定」

 


やさぐれてますが、これもシルチョフ。
お久しぶりです!こんばんは。

カミを埋めるような話も無く
日々、人にプレゼントしてもらった
リトマス試験紙片手に食べ歩いたりしてるうち
つい間が空いてしまいました。

いつもポッケにリトマスを。
最初のうちはこれが面白くて面白くて
マテ茶にリトマス紙をつっこんだり
カツオのタタキに押しあててみたり
ママン手作りの味噌汁に浸して嫌われたり
インド人の店員さんに不思議そうな瞳で見つめられ…。

でも、もう飽きました。
酸性ばーっかり。(ちなみに青→赤)
アルカリだったのは私の舌と
フォションのアイスだけじゃないですか。

それで酸・アルカリだけじゃツマラナイので
他にもチェック出来ないものかと調べた所
こんな素敵なものが見つかりました。

>「ハンディ塩分計・SAL-1」 \49,800
>「ハンディ糖度計・AMY-1」 \49,800
>「ライスアナライザー・RQ-1」 \1,200,000

ハンディ糖度計の分解能は「0.1Brix%」。
どうやらこれが甘さの単位みたいですね…
初めて見ました。

ラ、ライスアナライザーって何!? 120万円もするよ!
…と思って説明を読むと、これは赤外光を使って
お米の成分や食味を測定する装置で。
「水分」「たん白質」「アミロース」などを測定して
親切に「味」の採点までしてくれるそうです。

いくらハンディでもちょっと買えないので
誕生日にパパにねだるとして。(ハンディ塩分計を)
こんな感じで他にも苦さ辛さ、痛さなんかも
数値化できると便利ですね。

もちろん唐辛子とワサビとマスタードじゃ
辛味の質がぜんぜん違うし
痛みだって「1キロメートル毎秒の加速度で
タンスの角に45度の角度で小指をぶつけた瞬間の痛み」
そうやって定義したって人によって違うのです。

でも無理は重々承知で。これが実現すれば
苦い薬も「53ムカデの苦さです。」と言えるし
あなたにはこの痛みがわからないの!という時も
243コユビ!と叫べば、それは痛え!とすぐ伝わる訳です。
主観的な感覚を数値化できたら面白くないでしょうか。
ほぼ日をお読みの科学者の皆さん、ぜひ御一考を。

私とその少数の知人の間では
「バートン」という単位が時々使用されます。
これは「ずるさ」の単位になっていて
超ずりいよ!なんて恥ずかしい事は言わないでも
500バートンはいくね。とクールに糾弾できます。

こんな感じで幾つか
シル単位系をここに制定しておきましょう。

「道ですれ違う人と同じ方向に避けてしまった後に
一瞬間をおいて、またも同じ方向に避けてしまった時の
もどかしさ」

=1モキュ

「税金対策用のダミー農業用地に収穫もされずに
放置されて腐敗し半ねり液状になったキャベツの臭さ」

=1モゲラ

「隣の席に座った女の人が眠って肩に頭を掛けてきたとき
起こすのが親切なのか寝かしておくのが親切なのか
それにこのままでも構わないんだけど…と思い悩む加減」

=1モヤン

「社長のコネで入社した無能が上司になってしまい
午前様で働き続けた揚げ句、とばっちりでクビ宣言されて
皆に挨拶をする事も私物を持ち帰る事も許されず。
置きストッキング他、男性には見られたくないものだけは
せめて…と頼み込んで持ち帰った日の不愉快さ。」

=256ハゲ

うう…色々と社会って大変みたいですね。
たぶん数値化されたって
人の痛みの分からない人はいて。
私が頑張って!と言ってもどうにもならないのですけど…。
これからの一層鬱陶しい季節、体に無理の無いぐらい
お互い適当に過ごせると良いですね。

ではでは。

 

 

シル (shylph@ma4.justnet.ne.jp)

from 『深夜特急ヒンデンブルク号』

1999-05-19-WED

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