SHIRU
まっ白いカミ。

24枚目:「ナポリを見て死ね。」

 

こんにちは。漫画の精、シルチョフです。

前回(23枚目)は漫画喫茶について紹介しました。
そして漫画喫茶にいざ行ったはいいけれど
漫画が沢山ありすぎてめくるめいている。
心配なので好きな作品を勝手に紹介します。

あわよくば似た系統のまだ見ぬ漫画を
紹介し返してもらえるのではないか?
そんな一抹の下心を添えて。

 

有名なものなど…。

「ガラスの仮面」 美内すずえ … いわずと知れた、演劇少女マヤ(貧乏)の成長ぶりを見守るドラマで読み出すと止まらない。見所は驚いた時の瞳の表現と、月影先生のしぶとさ、そしてライバルの亜弓お嬢さまの素晴らしい性格。私はマヤよりも好きです。ただし22年を経て現在も連載中。読むと「紅天女が〜」とか苦しそうに呟く人種の仲間入りは必至。

「ブラックジャック」 手塚治虫 … 無免許。高額の報酬さえ払えれば宇宙人からミイラまで、どんな手術でもする天才外科医ブラックジャック(本名:間 黒男)の物語。性格が悪そうにみえて、時々良さそうで、やっぱり変態という…神だか悪魔だか分からないキャラクターが格好良いです! ちょっと重たいし暗いし時々は治せずに死ぬ人も結構いたりして…そこがまた良い。シャチが治療のお礼に真珠をもってくる話が切なくてお気に入りです。

「pink」 岡崎京子 … 岡崎京子さんの作品は全てオススメ。これはワニをマンションで飼いホテトルをして稼ぐOLと小説家志願の青年との愛と資本主義の物語。どこか現実と夢の区別が付かないフワフワとした感覚が特徴的。この作品の他、「東京ガールズブラボー」「リバーズ・エッジ」等も好きです。どれも単行本で1,2冊の短編。

「残酷な神が支配する」 萩尾望都 … 人間離れした力量に何者だろうと思ってしまう漫画家。ある年代のファンの方にはそれこそ人生に影響を与えたカリスマだそう。グレッグおじさん(名士でホモ)がいたいけな少年を傷つけ、いたいけな少年と義理の兄(美少年)が傷つく様を楽しむ作品。十八番のねちっこい徹底した心理描写は漫画の中で起きている殺人事件なのに、殺さなければならなかった感覚が伝わってくる程。花村萬月さんのお気に入りとの風の噂を聞きました。ホント?

「動物のお医者さん」 佐々木倫子 … シベリアンハスキーブームの発端にもなったチョビがカワイイ。雄大な北海道の獣医科で勉強をしながら、奇妙な教授や動物、友人達と学生生活を満喫した気分になれる傑作。健全なユーモアというのか…あっさり味のコメディで読むと北海道で学生をやりたくなってきます。老若男女、読者を選ばないと思います。

他にも…。

「少年は荒野をめざす」 吉野朔実 … 自分の中の世界と、外部の世界との折り合いをつけていく少女期を、失った兄と同一化して小説を書く事で保つ主人公。なんとも繊細で儚い作品。

「イズァローン伝説」 竹宮恵子 … まったくの異世界を楽しめる漫画の醍醐味。華麗な絵柄で綴られる、まるで神話か伝承のようなファンタジーロマン。

「鉄コン筋クリート」 松本大洋 … 雑多な汚い町「宝町」を舞台に、純粋な心と力を信じる悪ガキ、シロとクロが暴れる物語。コマ割りも台詞も全てが詩的で面白い。

「ハッピィ・メイキング」 桜沢エリカ … 平凡なOLが18億円を宝くじで当てて、ウィンドウの中に欲しいモノが無くなった所から始まる仕事と恋と友情の物語。

「ヨコハマ買い出し紀行」 芦名野ひとし … のほほんとしきっているという…全く珍しい作品。夏休みに帰省して虫取りアミを持ったまま小川の脇で昼寝をしているような感覚。

「逆境ナイン」 島本和彦 … 「読むだけでカロリー消費しそう」なんて感想が気になっていたある日。「9回表、点差は109!」…この帯のコピーを店頭で見つけて迷わず全4巻を買いました。後悔は無し。

どれも現在連載中…。

「GTO」「はじめの一歩」「ギャラリーフェイク」
「ワンピース」「HUNTER×HUNTER」
「ドラゴンヘッド」「考える犬」「こち亀」…etc.

でも完結していない作品を読むのって
おあずけ気分で先が気になって困ります。

 

 

シル (shylph@ma4.justnet.ne.jp)

from 『深夜特急ヒンデンブルク号』

1999-03-27-SAT

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