よりみち
パン!セ
中学生以上すべての人たちへ。
キミたちに、
伝えたいこと。



「一人前のおとな」に
「なりやすい人」と
「なりにくい人」がいる。
「あー、私何やってもダメだな」
「俺なんか、どうせこの程度」
ってことにしてしまう前に、
今自分がどういう状況にあるのか、
それが自分にとって
どんな意味を持つのかを考え、
言葉にしてみること。
「今」は、未来のためにあるんじゃない。
「今」のために未来の夢があるんだ。



コドモであり続けるためのスキル

貴戸理恵

(購入はこちらAmazon.com)

「ほんらいおとなになるべきなのに、なっていない」
ことで、手厳しい批判を受ける、
いわゆる正規雇用の職につくことなく生きている若者たち。

著者である貴戸理恵さんは、
かつては小学校にほとんど通うことなく家で過ごし、
いまはコドモ・若者と学校の問題について考えている、
花の(?)大学院生。

そして聞くところによると、彼女の回りには、
彼女じしんも含めて、
「永遠の不登校児」「ひきこもり依存」
「フリーター中毒」「ニートおたく」としか
いいようのない人たちがいて、
それらを生きる彼ら、彼女らのあいだでは、
回りの批判の声や擁護する言葉の数々なんて
突き抜けたところで、すご〜くスケールが大きくて、
すご〜く豊かなことが、年がら年中、
しかもそれぞれの身を引き裂くようなかたちで
考えられているというのだ。

それはいったい、どんなことなんだ!?

貴戸さんの「パン!セ」第2弾のはじまりは、
こんなふうだった。

さらに聞くと、本にできるならば、
タイトルも決めているという。

『コドモであり続けるためのスキル』。

どうやっておとなになるか、とか、
成長するための物語、とかじゃない。
むしろそのま逆である。
こうあるべきと世間から思われている
「成長」「成熟」の姿を目ざさないという
きっぱりとした宣言。
しかもそのためには特別なスキルがいる、というわけだ。
なんと挑戦的な本ではないか。

タイトル案を聞いた瞬間、
まだ原稿が仕上がっていないというのに、
もう本のできあがりがはっきりと見えたような気がした。



本ができあがって、まさに挑戦的で、
同時にものすごく切ない本になった。

そして貴戸さんがいっていた、
すご〜く豊かですご〜くスケールが大きいこと、
つまり、「人とのつながり」と「生きるということ」
そのものへのリアルな問いかけが、
この1冊のなかにぎゅっとつまっています。

また、貴戸さんやその仲間達が、
「ほんらいおとなになるべきなのに、なっていない」
とされる状態を生きながら、
必死でひねり出した切実な「スキル」は、
私たちがすでに鍛えることを忘れてしまった
筋肉のようなものを、ときに手痛く、
ときにとってもやさしく刺激してくれるものと思います。

こちらも本の刊行を記念して、
貴戸さんの「先生」である小熊英二さんとの
対談があります。
貴戸さんは小熊先生が「おとなになることの重要性」を
よく話していらっしゃるので、
そこのところをつっこんで聞いてみたい、とのことです。
師弟のガチンコ勝負に、乞う、ご期待!

(編集担当・清水 檀)


2006-12-04-MON




(C)Hobo Nikkan Itoi Shinbun