BUSINESS
恋はハートで。仕事はマジで!

オブジェクションを唱えよ


他人の言うことになびいたら最後、
その人のアイデンティティは破壊されてしまう。
とにかく何にでも反対しよう。
それがあなた自身を護る唯一の方法である。
自分以外を思いっきり不快にしてしまえ。
あなたはその中で耐えられるか。
一種のストレステストである。

万が一、そういう状況を想定して
それに堪えられないと思うならば
すぐに自分のマインドセットを改めた方がいい。
今のあなたは全体最適の犠牲になった子羊である。
殆ど何のために生きているのか判らない、
生きた屍である。
自分の存在を主張せよ。

ビジネスの世界でも、
そうでない世界でもそうだろうが、集団、
あるいは全体は、あくまで「個」の集合体である。
決して集団・全体が分解されて
「個」になるのではない。
「個」が強い組織が何よりも強い。
互いに背反しあい、時には融合・結合し、
また分裂していく。
核分裂・核融合のような感じで、
融合・分裂が起きる際にとてつもないエネルギーが
発散される。それを糧にして組織に活気がもたらされ、
ハイパフォーマンスになっていく。それが理想だ。

我々が生きている世の中は完璧ではない。
あたり前である。
よって、残念ながら殆どの物事は
あるべき姿の状態ではない。
言い換えれば、殆どの物事は
「間違っている」のである。
誰も言及しないが、これは紛れもない事実である。

何故それにチャレンジ
(日本語でいう「挑戦」という意味ではなく、
 本来challengeという言葉が持つ
 「それはおかしいのではないか」という問いかけの意)
しないのか。
隙があったら「オブジェクション」を唱えよ。
そうすることで良い結果がもたらされる。
その疑問、チャレンジによって、
誰かがその間違いに気づき、
結果として改善されるのである。

究極的には、あなた自身のアイデンティティを護るか、
あなたの快適さ(「コンフォートソーン」)を
維持するかのどちらかを選択せよということである。
何かに異議を唱えている状態というのは、
ある意味堪えがたいものがある。
既に存在しているものを壊そうということになるので、
それを護る人たちからは総反撃を受ける。
また周囲も「何もそこまで」
ということになりがちである。

しかし、その状態を維持できて始めて
あなた自身の「尖り」を示すことが可能となるのだ。
全体最適の生贄からも脱することができる。
その上、間違いも正されるのであれば、このうえない。
「あの人は何にも賛成しない。変人だ」といわれ、
組織からつまはじきにされるのも一興だ。
ちょっと昔なら、一つの組織からつまはじきにあうと
もうその人の人生は終りだった。
社会にセーフティネットがなかった時代である。
リスクを犯すこと=実質的な機能停止・死を
意味していた。
でも今は違う。
一つの組織くらいからつまはじきにあおうが
どうってことない。
むしろ、そういう組織の方が「おかしい」とされる
風潮さえ出てきている。

今こそ、思う存分オブジェクションを唱え、
「個」を主張せよ。
分裂・融合によるエネルギーを享受しよう。

菅原 章さんへの激励や感想などは、
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2004-03-28-SUN

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