BUSINESS
恋はハートで。仕事はマジで!

息は抜かない

小泉首相がまたテレビに出ていた。
昨日の朝のことである。
日曜の朝から熱く なっておられた。
彼が言っていることが正しいかどうかなどには
関心はないが、あの元気さだけには、
正直言ってすごいなと思った。
いくら政治が好きだからといって、
あそこまでは続かない。

だってついこの間はキャンプデービッドで
ブッシュさんとキャッチボールかなんかしていたのに。
キャンプデービッドから昨日のテレビ局のスタジオまで、
その間彼はどれほどの人と出会い、議論し、
物事を決めてきたのだろう、と想像してみた。
でもさすがの私でも想像できない。
私もかなり忙しいめまぐるしい生活をしているが、
小泉さんのは想像できない。
しかもあんなに元気そうである。
一体どこで「息を抜いて」いるのだろうか。

私なんかは、別に衆人の目もないし、まだ十分若いので、
金曜の夜に飲みまくったり歌いまくったりして
精神的な息抜きをしている。
多くのサラリーマン、OLの皆さんと同じだと思う. . . .
とは言うものの、実は本当の息は抜いていない。
「息を吐いて」はいるが、
抜いてはいないのかもしれない。
小泉さんは、
どっかで「本当の」息を抜いているのではないか、
と想像する。

どんな風にすればそんなことができるのか
想像もできない。
息を抜いたらそれでおしまいになるのではないかという
愚かしい脅迫観念を持っているのである。
どうすればうまく息を抜けるのか、
どなたか教えてほしい。

先週末、モンスーンカフェのテラスで昼飯を食ってたら、
隣のテーブルでフリーターっぽい
(けど何かしらの仕事は常にしている人のよう)
若い女性2人がだべりながらカレーを食べていた。
ダメだとは思いながら、彼女たちの話に耳を傾けると、
どうも彼女たちは
「息を抜いている」状態が普通の状態らしい。
「そろそろ息を抜かない状態にならないといけない」
とか言っていた。

何の変哲もない昼下がりではあったが、
これにはかなりのショックを受けた。
同じ空間で同じタイカレーを食い、
同じ空を眺めているこの人達は、
自分と全く逆のサイドで生きているのだと。
おそらく目に入るもの全てが
私と違うように見えることだろう。
私が腹を立てることには心ときめかせ、
私が没頭することには全く興味がなかったり
するのだろうか。

自分を変えることはとても難しい。
変えなくてはならないという必然性があっても、
自分の因習は簡単に捨てられない。
限界を感じつつ、息を抜けない状態というのは、
いかにもvicious cycle(悪循環)である。
息を抜くと短期的にパフォーマンスが
落ちるのではないかと心配する一方、
息を抜かないと中長期的には限界を高められないという
二律背反な状況にあるということだ。

「もう少し肩の力を抜いて」などともよく言われるが、
「息を抜き、肩の力を抜いたら、
 一体どうやって生きていくんだ」
としか思えない自分は間違っているだろうか。

2001-07-10-WED

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