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恋はハートで。仕事はマジで!

第22回
日本のredesignを始めよう
(1)警察の再構築


昨今の希に見る凶悪で奇怪な犯罪は、
「日本」の崩壊を予見させるものである。
と同時に、それに対する公の民の対応の
愚かさには見るべきものがあった。

詳しくはわからないが、
警察の捜査というものは、
エリアを越えて行えないものなのか。

ちょっと想像してもらいたい。
誰の家にも近所に警察署があるだろうが、
どんなに凶悪で狡猾な犯罪が起きても、
そこがいきなり捜査本部になるのである。
「何か違うのでは?」と思わざるを得ない。

捜査の難しさは、事件により大きく異なる。
これは当然。
しかしながら一方、エリア内で捜査担当が
「閉じている」とすると、
捜査陣のスキル如何に関わらず、
エリア内の全ての捜査が行なわれる。
これはどう見てもおかしい。

いつも感じるのだが、刑事事件の捜査というものは、
数少ない「ファクト」をもとに「初期仮説」をたて、
それを証明するために「インタビュー」し
「証拠」を収集し、更に仮説を修正していく、
というもので、私が行なっている
経営コンサルタントの仕事と酷似している。
要は、捜査を実施する者は、
究極のプロブレムソルバーでなくては
ならないということである。

もしそうだとすると、個人のスキルによって
結果が極めて大きく変わる、という類の仕事であろうと
容易に推察される。

ケースによって頭の使い方も変わってくるし、
何通りもの可能なシナリオを設定して、
「ファクト」が1つ明確になるごとに
そのオプションを絞っていく、という
プロセスを取らなくてはならず、
これを確実に実行するには、
論理的で明晰な頭脳が必要となろう。

こうしたことを踏まえると、
高いスキルを要する難解なケースについては、
エリアを越えて活動できる、
高い知能と豊富な経験を有した
特殊チームにより解決を図る、
という仕組みの導入が必須なのではないか。

エリアを超え、全国ベースで
上位100人程度の優秀な人材を
国家機関としてプールしておき、
事件の難解さに応じて各エリアに派遣する、
という仕組みでもよい。
アメリカにおけるFBIはこれに近いのかもしれない。
日本のredesignは、こういうところでも必要となるのだ。

2000-05-12-FRI

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