BUSINESS
恋はハートで。仕事はマジで!

第11回
結婚とはこれいかに
このあまりにも人工的・非自然科学的ルールに物申す



本ページ、企画物シリーズ第2弾。
いよいよ佳境に入ってきたようだ。
テーマは「結婚のあり方」。
果たして結婚は必要か?
今回はこのタブーとも言えるべき課題に挑みたい。

筆者は最近離婚した(法的にはまだ成立していないが、
本質的には相手と永訣している)。
自分の事例は今回の内容にあまり関係ないのだが、
この節目を期に、ある考えが溢れてきたので、
皆さんと共有しておきたい。

結婚とは何か。
こんな高遠な疑問に対して
想いを巡らされた方はいらっしゃるだろうか。
結論から申し上げよう。
結婚とは、自動車運転免許のようなものである、と想う。
誰もが「しなくてはならない」と考えている。
ここに間違いがある。

私は、その昔、社会人にならんとする折、
給料の高さに目がくらんで、
航空会社の自社養成パイロット職にapplyしたことがある。
その結果は、日本航空には最終選考の身体検査で
落とされたものの全日空には合格したというもの。
(何故、同じ職業、かつ検査当日の条件の差が
殆どない状況なのに、このような差ができたかは
未だに不明)
要は、航空機のパイロットになるための最低条件は
知っているということ。この経験から言うと、
ある一定の肉体上、精神上、頭脳上の条件が整わないと、
パイロットとしての資格は与えらない。

これを自動車免許と比べてみよう。
国民皆免許時代、とよくいわれるが、普通自動車免許は
誰もが取れることになっている。
自動車運転免許の教習場で一時を過ごした経験がある人は
わかるだろうが、実際、運転免許は誰にでも取れる。
どんなに「どんくさい」オバハンであっても、
30時間の補習を受ければ取れることになっている。
でも本当にそれでいいのか。

私は無類の自動車好きであり、これまで驚くほどの
走行距離を経験している。この経験から判断すると、
自動車の運転に不向きなドライバーは
山ほどいると言って過言ではない。
ずっとサイドミラーを倒したままのベンツに乗っている
成金ババアに始まって、リアのトランクを
開けっ放しにしていても気づかないオヤジまでが
大手を振って道路を運転している。
また、細い路地で向かい合わせになったとき、
絶対に通れないのにどんどん前進してくる
判断能力の低いオネーチャンもいれば、
Uターン・バックが苦手なため
進行方向と反対の行き先を指示すると
劇的に不機嫌になるタクシーの運ちゃんまでいる。

航空機は向いていない人には絶対に免許を出さないのに、
自動車は誰にでも免許を出す。この矛盾をどう理解するか。
航空機事故よりも自動車事故の方が
発生率・死亡率が圧倒的に高いということの原因が
ここにある、と筆者は信じる。

翻って、結婚、である。
誰もが「するべき」「しないと変」
「結婚してこそ人間として一人前」
とふざけたことを言う輩で充満している世の中だが、
果たしてそうか。
生き物としての人間を考えるとき、
結婚して子供を産むというのは、一見正しそうである。
ここで再び、しかし、だ。
東南アジアのある国では一夫多妻制であるし、
アメリカなどでは結婚・離婚に関する法律は
州により微妙に異なる。
要は、結婚とは、
自然科学的に見て正しい・必要なことではなく、
各国・各状況に応じて、ある決まりによって定義される、
極めて人工的なものなのである。

はっきり言っておこう。
結婚に向いていない人、または、結婚してはいけない人は
絶対にいるはずである。
結婚=幸福、なんて短絡的な思考をされている方。
冷静になって欲しい。
幸福とは、結婚などという人工的・記号的なものによって
もたらされるものではない。
各自のアイデンティティを増幅できる相手とともに暮らし、
一人でいるより二人でいる方が「各自」にとって
利益になる、いわばwin-winの状況になって初めて
もたらされるものである。

結婚さえすれば幸せになれるなんて、甘ったれたことを
考えている人は今すぐ考えを改めた方が賢明である。
そんな「駆け込み寺」的な結婚をするくらいなら、
一生一人でいた方が余程人間的である。
単に「結婚が夢です」という人がいるが、
そんな人は、それが「何故」かを、今ここで教えてほしい。
運転免許を取るように
「当然」のように結婚されることのないよう、
今一度、ご自分の胸に手を当ててもらいたい。

但し、ここでrecommendしたことの全ては、
以下の方々にのみ向けていると理解していただきたい。
・「人間として最高の人生を過ごしたい」と思っている方。
・結婚したら互いに我慢しなくてはいけないことがある
(=一人でいるより二人でいる方が
一人あたりの生み出す価値が減る)と思っている方。

逆に以下のような方は、
今回のrecommendationの対象外である。
・相手と居ると、信じられないくらい
「自分らしい」自分を発見できる方。
・1日以上相手の顔を見ないと死んでしまいそうな方。

以上

1998-12-24-THU

BACK
戻る