ショーガール。
奥野史子・ラスベガスからの出発。

第17回 痛み

いつぶりだか自分でもわからないくらい
久しぶりに書きます。
みなさん、ご無沙汰しておりました。

実は、かれこれ4週間程前に怪我をしました。
簡単に言うと「首の捻挫」みたいなもんです。
ショーの最中にやっちまいました。
未だに良くはなっていません。

日本にいると、行きつけのドクターやトレーナーに
自分の状態やなんやを簡単に説明できることが
こっちではそれすら難しく、
さらに保険の事やなんやでいろいろあったり、
痛みや痺れや言葉の壁や…
こっちに来て本当の壁にぶつかり、格闘中です。

本当は
もっと元気いっぱいの文章を書きたいんだけど、
今はそれができないんです。
あ〜暗いなぁ…。

身体を使う肉体労働者はこれが一番怖い。
恐れていたことが起こってしまった。

肉体が弱ると心も弱ってしまう。
弱らなくてもいいところまで弱ってしまった。
自分でもどうしたらいいかわからない状態が
続いています。


ただ、嬉しいことがひとつ、最近ありました。
うちの母がショーを観に
遥かラスベガスまでやってきました。
海外旅行なんてほとんどしたことのない
ほんとにほんと、海外嫌いの母が
13時間飛行機に乗ってやってきてくれました。
オリンピックさえ観に来なかった母が
来てくれました。

2年前、私が海外のショーに挑戦したいといった時、
得体の知れないところに娘が行ってしまうと心配し、
反対こそしなかったものの、
Show“O”そのものを知らなかった母は
多分私の気持ちを理解しきってはいなかったと
思います。
その母がショーを観ました。
一番見て欲しい人に観てもらえました。

母はショーの後、感動して泣いていました。
「こんなに凄いと思わなかった」
と言ってくれました。
本当に嬉しかった。
私がここに来たいと言った理由を
理解してくれたようでした。

日本で一緒に暮らしていた時には
感じることが無かった、
「家族のきずな」みたいなものを感じました。
母が感動している姿を見て、
ここに来て良かったと思いました。

いっぱいいっぱいしんどいことってあります。
怪我のことやいろんなこと。
けど、そんな中でも良いことってある。
しんどい時こそ
「アリガタミ」を感じることができる。

私は私を応援してくれるたくさんの人達、
家族、友人がいて、
そんな人たちに支えられてるんだと
最近つくづく思うのです。
痛みを持ってはじめて気がつくことって
いっぱいあるんですよね。

今までは私を支えてくれる人たちが
いつもすぐ手の届くところにいてくれました。
今はそうじゃない。
やっぱりここはホームじゃない、
アウエーなんだと実感せざるを得ません。
すごく「孤独」を感じます。
どんなにメールがあって電話があっても
手に届く温もりがないとやっぱりしんどいですね。
こんな時は特に。

けれど、きっと怪我が治り、心も回復した時、
この経験は
私をひとまわり成長させてくれると思います。
そう信じています。

自分で選んだ道だから、
自分の信じた道を貫き通しますね。

そう、最後になりましたが、
いっぱいいっぱいの励ましのメール、
有難うございました。
夢や勇気を与えるはずの私の文章が、
逆にいっぱい励まされるはめになってしまいました。

けど、京女はこのままでは終わりませんから。
きっと近い将来なんでこんな文章書いてたんや?
てなことになるはずですので。

See you soon,
Keep smiling !!!

2002-04-14-SUN

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