ショーガール。
奥野史子・ラスベガスからの出発。

第16回 友達

いやはや、かなりのご無沙汰をいたしておりました。
久方ぶりのショーガールです。

ここんとこ引越しやら
それに伴う手続きやら、
家具やらの買い物やなんやかんやで
超多忙な日々を過ごしておりました。
やっと落ち着いた生活になりましたです。はい。

さて、そんなこんなな日々を過ごしながらも
ショーは頑張ってますよん。
しかし、つい最近まで凹んだ時期が続いてました。
いろんなことがあったから…。

ここに来てはじめの頃は良かった。
何もかも新鮮で、楽しくって。
でも、3ヶ月が過ぎた頃、ちょっとしんどくなった。
それは精神的な面でね。
お互いのことを知れば知るほど
文化や何もかもの違いをもっともっと深く感じたから。

例えばけんかをした時、
日本人である私は、冷静に、落ち着いて話そうと努める。
それが最善策だとこっちは思っている。
だけど、相手は興奮しまくって怒鳴り散らして、
今にも手が出そうな勢いで話す。
しかも、こっちが冷静に話せば話すほど
向こうは怒りだす。

それを後で聞いたら相手はこう言った。
「冷静に話すあんたの姿がむかつく」のだと。
わかる気もする、けど…。
大方の外人さん達は本気の喧嘩の時、
怒鳴り散らして、
血管切れそうになるくらいでないといけないらしい。
そうしないと余計な怒りをかってしまうらしい…。
そんなこと私には出来ないよ…。
そうなると負けた気になったりする。

ちょっとだけ不安だった。
この先ここでやってけるだろうか…と。
でも、そんな不安を隠さず正直にルームメイトに話した。
そしたら彼女はこう言った。
「自分を変える必要は無いし、
 変えようと努力する必要も無い。
 それを不安に感じることは何も無い。
 みんなそうだから。
 ただ、その違いを理解していればそれでいいのよ。」
って。

私はみんなと何もかもわかり合って、
何もかもを共有しあって、
友達をいっぱい作って…
ってことを望んでいた。
それは異国の地に来て、寂しかったからだとも思う。

でもそれは違うと気がついた。
友達を作りに来たのでも、遊びに来たのでもない。
これは仕事なんだから。
そしていろんなことを
これからもっと知っていけばそれで良い。

友達はいないよりいるに越したことは無い。
けど、なにも無理して作ろうとする必要は無い。
だからまだほんとに友達と思える人がここにはいない。

寂しい人に思えるかもしれないけど、
それって正直なことなんだなぁ。

ここにはいろんな人がいて、
白人・黒人・黄色人種、
ベジタリアン・肉しか食べない人、
ゲイ・レズビアン・バイセクシャル、
英語・フランス語・ロシア語・中国語・日本語etc…。
私はしょっちゅうカルチャーショックを受け続けている。
でも、みんながお互いの文化や
すべての違いを理解しようと、
受け入れようとしているし、
何事にもポジティブである。

みんな仕事をするために、
お金を稼ぐために、
生活をするために、
どんなことも正面から受け止め、
それを理解しようとし、それを克服する。

そうしないと、ここでは生きていけないことを
良くわかっているから。

自分は自分のままでいい。
自分はこうなんだと胸をはっていけばいい。
それを理解できた今はとっても楽になれた。
日本にいた時にも同じような状況はあったけど、
こちらではまたちょっと違った感覚で
それを受けとめている。
それはやっぱり文化の違いという大きな壁なのよね。

「文化の違い」って簡単に言うことは出来たし、
わかっていたつもりだったけど、
これってほんとうにほんとうに違うんだよね。
それを上手く言葉で言えない自分が歯がゆくもある。

まだまだこれから
もっといっぱいこういう事があると思う。
これからは、それを
「へえ〜〜〜っ、そうなん、へっへ〜〜〜っ」
って、笑って過ごしてやろう。
重く受け止め、悩めばそれだけしんどくなっちゃうもんね。

まあ、なんせ、いろいろあるよね、
みんなそれぞれね、生きているんだもんね。

今度ちゃんと友達といえる人が出来たら報告しま〜っす。
へっへ〜んだ。
ほなまた。

2002-02-13-WED

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