おいら。
(天海祐希の了見)

第130回 アンジーの法則

あー・・・
ご無沙汰しちまったねー。

弁解させてもらうが、
おいら 決して 遊んでいた訳じゃない。

映画の撮影で 東京を離れている。

が、今日は 雨。
撮影が お休みになっちゃった・・

本来ならば、「休み!」ってだけで
わくわくしちゃうものだが、今日は なんだか・・

雨だからかなー。

こう 毎日 毎日 かつらかぶってるとさ、
自分の顔が わからなくなるね。

かつらがないと、
「げっ、どうしたことか!」
と、思うのよ。

撮影所内で かつらかぶってうろうろしてるでしょ、
他の役者さんに 驚かれる。

「・・・!・・・」

だって 男の人のかつらかぶってるからね・・

そう、おいら今度は 「光源氏」様になるのだ・・・

・・・どうよ。

暑い中、着物を着るので
胴布団やらなにやら 沢山着込んで着物を着る。

・・・・・あっ あっ あつ・・・・・

が、おいらは 決してその後に続く言葉は 言わない。
言ってしまえば、自分の気持ちの上でも
頭でもその言葉が 連呼し、認めた事になるからだ。

だって 夏に近づいてるんだもん・・
「あつ・・・」のは、解りきってる。

おいらは それを 認めない様に 努力しているのさ。
まー 無駄な努力のようにも 思えるが、
これが 効果テキメン!

「今は 冬よ 冬!」

・・・って 思うだけで
なんとなく 日常感じる温度が 違う。
かく汗が違う。

・・・これは おいらだけ?

そういやー 昔から これで乗り切ってきた気がする。

怪我したり 捻挫したりした時も、
「これは 痛くないのだ。
 この痛みは 私のものじゃない・・」

と、思い込む事によって 意識が違う所に 行くんだな。

これを「アンジー(暗示)の法則」と、呼んでいる。

「気のせい 気のせい。痛いのなんか 気のせい」

これで おいらは 今までを乗り切った。
上手く行く確立は 高い。

が、一度だけ 失敗した事が ある。
それは、「盲腸」・・・

結局 入院してしまった。

上手く行く「アンジーの法則」も 欠点がある。

痛みに 鈍感になるらしい。

お医者さんに怒られているのだ、おいら。

「あなたね、これは そうとう酷いものですよ!
 痛くないんですか?
 自分の体のSOSにもっと 敏感になって下さい!」

と・・・

そうなのだ。
痛くないと、思う事によって 我慢できてしまう。
我慢できるから そうそう 酷くないと思えるのだ。

年々 我慢の限界は 広がって行くのだ。
年々 我慢できるようになっていくのだ。

ああ、おいらって一体。

おいらにも 我慢できない事がある。
「お腹が空いた時」

お腹が空くと おいら 無口になる。
電池が切れるんだな。

マネージャーなんか もう心得てて、
おいらが 無口になると
ちょこっと口に入れられるお菓子を持って来てくれる。

しかも 無言で・・

おいらそれをつまみ、スイッチ オン・・

おもちゃじゃないんだから・・・

まー、そんな感じで ・・

アンジーの法則・・
機会があったら やってみて・・なんつって・・

それでは・・
おいらでした。

2001-05-25-FRI

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